いか@ 筑豊境 寓 『看猫録』

Across a Death Valley with my own Distilled Resentment

シロアリ研究者としての日本食税研究者。

2011年12月11日 17時31分42秒 | ぐち



-日経サイエンス、2012年1月号Amazonから転載。元データはOECD。-

表題のシロアリとは、橋下徹さんの発言とされる、「大阪市役所は金をむさぼり食うシロアリ。放っておいたらシロアリに全部食われちゃう」(Google)の意味のシロアリです。

先に言うと、日本の科学技術の一部であるトップレベル層は世界最高水準です。でも、それは一部なのであって、日本総体の平均を、科学や技術を遂行している国々の中で見ると、まぬけであることが分かります。総体の平均としては中国に追いつかれるのは時間の問題でしょう。もっとも、中国が今の日本の水準に追いついても世界的には下位です。

どうなんでしょう。旧帝大クラスの理系の教授でも、その分野で世界最高水準を競い合うグループのひとつであるくらいのレベルの教授は何割くらいでしょうか?おいらは1/4もいないんじゃないかという見立てです。他は、トコロテン教授。ポストが空いたからなった。

上の図は縦軸が「論文の相対的な強さ」を示し、横軸が「国際共同研究から出た論文の割合」を示します。この図では3つのことを各国の科学の強さについて示しています。研究の量、研究の質、研究の国際性の3つです。本記事では、研究の量と質の問題を述べます。

この図で研究の量は論文の出版数で代表されています。そもそもこれが正しくその国の研究の量を示すものか議論があるかもしれません。ここでは論文を書かない者は研究者ではないという前提で話を進めます。図中の丸の大きさがその国の論文数です。日本は米国に次ぎ、イギリス、中国並みに多いです。そして、その質を示すのが縦軸。図の上に丸がある国の研究が、より引用され影響力があるので、質が高いことになります。

米英は高いですね。日中は低い。つまり、中国や日本は論文数は多いけれど、それらの論文があまり引用されないということです。引用されない論文というのは質の低い論文ということです。だから、日本人の学術論文雑誌の編集者も引用される論文をきちんと採用するためがんばっているのです。 ⇒それで、Editor in Chief だけど、、。少なくとも5年間も被引用回数がゼロであるような論文は掲載してはならない、と責任を持って感じている。Microbiology and Immunology 文句タラタラ第2弾。 日経サイエンスが指摘している「量は多いが質で劣る中国」より少しましなのが日本というとになります。

ここで、日本として示されている論文の数と引用数はもちろん出版された論文に関してです。おいらから言わせるとここまでたどりついただけでもまだましなんじゃないかと思う。つまり、曲がりなりにも論文を出しているから。毎年コンスタントに論文を出さない食税研究者さまは結構います。シロアリさまです。

繰り返しますが、このデータは論文を発表した研究者の成果です。研究者といえば民間セクターの人もいるでしょう。でも、そういう人たちがたくさん論文を出して、かつ引用されないので、日本総体の足をひっぱているということはあり得ません。会社の人は特許はいっぱい書いても、論文はそんなにいっぱい書きませんから。

上記の日本の結果はほぼ日本の食税研究家の成果なのです。明らかにドイツ、イギリス、フランスより劣ります。ただし、日本政府が科学技術に支出している予算は、明らかに独英仏各国が支出している予算より多いはずです。数兆円規模の科学技術予算を日本政府は税金を使って、日本の食税研究者に提供しています。そして、その果てはこの結果なのです。

ギリシア、ポルトガル、スペイン、イタリア(GPSなど財政破たん寸前諸国!)より質が低いというのも悲しい話です。日本の食税研究者!

なぜ、日本の研究論文の質が低いのか?

それは当時者の資質の問題です。日本国民は、科学技術予算のために数兆円の負担をしています。日本の食税研究者の大部分は<メンバーシップ>を持っています。最近はテニュアトラック制度の導入などがあり、必ずしも終身雇用の研究者ばかりではありません。でも、ほとんどの食税研究者は終身雇用であり、事実上彼らが特権的に税金を元とする研究費を申請することができます。メンバーシップの更新査定もありません。確かに業績が出なくなると、研究予算の獲得はできなくなります。恐ろしいことにそのままメンバーシップは維持されるので、ポストだけが無能な食税研究者によって占められることになります。

シャッター商店街としての日本食税研究室

たとえ話です。没落する街の象徴的風景としてシャッター商店街があります。店は昼間からシャッターが下りていて、営業していない。恐ろしいことにその店には人が住んでいる例が多いそうです。店の営業をやめても住んでいる。だから、新たに商売をやろうとする人が店を開けない。街はますます錆びれる。こういう悪循環だそうです。

日本食税研究室群もそうなるでしょう。

(追記)ネット上でシロアリさまの甘い汁をむさぼる描写を発見しました。コピペします;

一方、大学業界は(吉川弘之氏のような重鎮は別であろうが)わけも判らず予算が増やされたので喜んで使ってしまったわけである(確かに私も母親に買って こいと言われたものを忘れたとき、自分の食べたいものを買って帰るが、それとおんなじようなものだろうか)。結局のところ、産官学連携という掛け声に反し て、これらの三者は伝言ゲームも満足にできない関係しか築いていなかったのであろう。 (ココから。)

まとめ; うらやましいなシロアリさま。なりたかったょ。おいらもシャッター閉めて、朝寝がしたい。
(ヨタ追記; シロアリをエサにして食べるのがナマケモノっていうんだから、この世は奥深い)

図の右上に行けないのは、金が少ないからだ! 

    もっと、金出せ!

この尊師さまたちはとっても右上(国際的)の方々です。

なぜかしら、まぬけなシャッター商店街研究者のために.....。


後記;

江崎玲於奈氏「日本の科学技術が世界最高と信じるのは危険」

 



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