ファイナンシャルプランナーのニュースチェック

日々のニュースをFPの視点からチェックしてコメントします

キッズウイーク:「どこの国の話?」政府構想にブーイング

2017-05-28 11:17:00 | Weblog
キッズウイーク:「どこの国の話?」政府構想にブーイング 2017年05月28日 毎日
https://mainichi.jp/articles/20170528/k00/00m/040/123000c
 政府は「働き方改革」とともに、実は「休み方改革」も掲げている。後者は「プレミアムフライデー」(プレ金)が浸透せず苦戦するなか、公立学校の長期休みを別の月に振り替え、大型連休を導入する「キッズウイーク」構想が新たに浮上した。家族で過ごす時間を増やし、地域振興にもつなげようと狙う。ところが、公表直後から激しいブーイングを浴びている。なぜだろう?

目的は「子と向き合う時間の確保」
 5月24日、東京・永田町の首相官邸。政府の教育再生実行会議(座長=鎌田薫・早稲田大総長)が、来年度にキッズウイークを導入する方針を打ち出した。安倍晋三首相は「家庭や地域の教育力を高めるためには、大人が子供と向き合う時間を確保することが重要だ」と構想の狙いを強調。「官民挙げて『休み方改革』を進める」と意気込みを語った。
 キッズウイークは、自治体教委の判断で公立学校の長期休暇を5日短くし、代わりに別の月の月曜~金曜を休みにして、前後の土日と合わせて9連休とすることが想定されてる。
 2日後の26日正午過ぎ、東京・有楽町。小学2年と6年の子供がいるというスーツ姿の男性(42)は、記者が9連休が想定される構想について感想を求ると、笑って言った。
 「どこの国の話ですか?」
 ちょうどこの日は4回目のプレ金だった。「今日が? ぜんぜん頭になかった。定時には帰りたいが、ふつうに仕事です」と、足早に立ち去った。

「恩恵受けるのはごく一部」~ネット上で疑問噴出
 政府は、親も子に合わせて有給休暇の消化で仕事を休めるよう企業側に協力を呼びかけていくというが、世論は懐疑的だ。
 小売業界で働く東京在住の女性(36)は、取材に「休みの時こそ忙しいのに、育児中の人間だけが休もうとすればブーイングが起きる。休みが取れないことが問題。政府主導で子供をだしに使うのはやめてほしい」と話した。東京都内で働く独身女性(29)も「子育てをする同僚が休めば、子のいない人にしわ寄せが来る。子供がいる人だけに9連休なんて『ウソでしょ?』と言いたい」と憤る。
 構想を初めて報じた毎日新聞のウェブ記事には約50件のコメントが寄せられた。歓迎する意見はなく、反対意見ばかり。一部を紹介する。
・親はそう都合良く休みは変えられない。
・大人が休める状況、また、保育が問題ない状態にしてからの導入じゃないと対応できない家庭が多くある。
・休みが増えれば非正規は収入減に直結する。
・この恩恵に浴するのは、公務員とか、一定のレベルに限られている。
・かえって子供のリズムが乱れる。
・思いつきで余計なことをしないでほしい!
・プレミアムフライデーと同じで、すぐに風船がしぼみます!!
 検索サイト大手ヤフーのサイト上でのアンケート(調査期限29日)でも、27日時点の回答者約14万人のうち反対は約64%に上り、賛成は2割程度だ。

有識者は「誤った印象与える」「まずは形から」
 有識者の意見も分かれている。
 政府の「働き方改革実現会議」で民間議員を務めた白河桃子・相模女子大客員教授は、取材に「唐突感があります」。続けて「子供がいてもいなくてもワーク・ライフ・バランスは認められるべきです。子育てを聖域にすべきではない」と疑問を呈した。
 コンサルティング会社「ワーク・ライフバランス」の小室淑恵社長も手厳しい。「有給休暇は本来、子の有無にかかわらず取るべきもの。キッズウイークについての政府の発表は、子育て中の家庭のみが有休取得を取るべきだとの誤った印象を与える。発表の仕方に問題がある」
 これに対し、第一生命経済研究所の的場康子上席主任研究員は「政府主導で、まずは形から入ることも大事です」と肯定的だ。「キッズウイークがあれば有休取得を言い出しやすい。将来的には民間が独自で進めながら、誰でも必要な時に休めるような環境作りをしていけばいい」と構想を評価する。

「プレ金」早い時間帯はビアガーデン閑古鳥
 休み方改革といえば、政府の肝いりで2月に始まった毎月最終金曜の「プレ金」はどうか。午後3時に仕事を切り上げて飲食や買い物を楽しもうというアイデアだが、年度末だった3月と、大型連休前の4月は「早帰りなど不可能」と不発に終わった。
 プレ金の5月26日にビアガーデンをオープンさせた東京・銀座の松屋は、開店時間を通常より1時間早い午後3時に設定していた。だが、記者が午後6時半ごろ訪ねると、客は数組しかいなかった。松屋広報課の大原純専任課長補佐は「定着には時間がかかるので仕方がない」と言いつつ、「メディアが次第に取り上げなくなり、認知度も心配。今は種まきの時期だが、果たして実が刈り取れるのか」と不安をのぞかせる。
 記者は銀座で午後6時ごろ、行き交うスーツ姿の男女10組に声をかけたが、定時前に退社した人は一人もいなかった。



 少し前から話題になっているこのキッズウイーク構想。やはり評判悪いですね…。
 まだ夏休みなどをカットせずに連続5日休暇(土日が休みの職場なら前後合わせて9連休)を取りましょう運動ならば、授業日数がスカスカになると反発する教育熱心な親以外で表立って反発する人も少ないかもしれませんが、
 普通に考えても
・教師だって暇じゃない(世間では夏休みなどの長期休暇に教師は何もしていないと勘違いされている風潮がありますが、教育研修などで日程がびっしり埋められたリ、普段できない雑用に追いまくられているとか)
・保育園の問題、休めない親の問題をどうするのか
・コンビニやスーパーなど小売りは、休みの日こそ最大の稼ぎ時
 と無理があるでしょ? と思うのですが、昔の農村のように子供が収穫に狩り出されて労働力として期待されていた時代ならまだしも、当の子供達だって暑い夏に授業日数が増えたところで、暑くて授業に集中できないか、エアコン代が余計にかかる費用負担の問題が発生するだけになりそうな気がしてなりません。
 経産省といい官邸といい、本当に働き手や大人の都合に振り回される子供達のことを考えて施策を打ち出しているのか首を傾げたくなります。
 



コメントを投稿