【今日の すぐれもの工具】
今日は「くっつける」ための工具の話をする。
あるものと、あるものをくっつけることは、
ワシが思うに「文明の素」であると思う。(うーん哲学じゃな)
もの同士を付けることで何かが出来上がっているのである。
文明はずっとそうしてきた。
男と女の関係もそうじゃな、でもその話は(ワシは得意だが)今日のテーマではない。
それも言うなら、男と女ではなくてヒトとヒトと言った方が現代的じゃ。
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「くっつける」行為には永久にくっつける、と仮にくっつける、がある。
先ずは永久の方
糊から始まってネジ(スクリューネジ)、ボルト・ナットがある。
そのほかに溶接やリベット接合などもあるが、まあそういう事だ。
ワシの少年時代には障子紙を貼るための糊、ご飯粒(デンプン)、竹ひご飛行機を作れるようになってセメダイン。
その昔は「膠(にかわ)」などだった。さすがにニカワは使わなかったが・・
その頃からみて接着剤は長足の進歩をしたのである。写真にもあるが「瞬間接着剤」や「エポキシ接着剤」など少年時代から考えると夢の接着剤である。近年は100円で買えるし・・・
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次に考えるのは「仮にくっつける(仮止め)」である。
これらは案外身近なものもあり、そのために恩恵を感じられないが、あらためて考えるととってもありがたいものである。
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ワシは大工の真似事もするので
下にお見せしたような「仮に止める」道具も数々ある。これらは時に応じてコツコツと買い求めたものだ。
ワシは基本一人で工作するので「あ、そっち持ってて、しっかりとな、頼むよ」と相棒に言わなくて良いので、
これらの「黙って持っていてくれる」(しかも強力に)工具を好むのである。
家に来る職人たちはだいたいそうだ。
◆と
前置きはこのぐらいにして
本題 (前置きが長げえだよ、おめーは)
ホームセンターで以下のものを買いました。これが思ったよりも優れものである。
一般的に「バークランプ」と呼ぶらしい。
使い方は上のオレンジの長方形でものを挟むというもの。
力の入れ方は、下の拳銃の引き金状のハンドルをしこしこ引くと、拳銃部分が移動してオレンジ部分でものを挟めるってわけ。
これを初めて見たわけでは無く、以前から売っているのは知っていた。でもあまりに「おもちゃっぽい」ので食指が動かなかったわけだ。
今回売り場で「私を買って」オーラを感じたので、値段を見れば500円ほど、しかも2個セット。
まあ使ってみようかしらとポッケに(いやそれは万引きじゃ)もとい、籠に入れた。
新潟県燕三条の高儀(たかぎ)という会社である。
ついでに言うとこの会社、結構なんでも大工道具だろうが機械工具だろうが水道材料だろうが、売れるものなら何でも売りましょう、な会社でホームページで確認すると超面白い会社だ。
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パッケージを開けてみれば
「締める」だけではなく「押し広げる」方向にも使えるのである。
押し広げる方法は
①ちいさな方の部品を外す。ネジで簡単だ。
②反対側(図では左側)に、その外した部品を取り付ける。
③これで引き金をしこしこやれば広がってゆく。
おもしれ―じゃないか。
一個で、締めるも広げるもどちらも可能なんて、こんなアイデアは絶対出ないぞ。
1個250円ほどで買える優れたアイデア。これを知っただけで「ワシ、カンゲキ」
と秀樹のようになった。
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ところで、これを考えた人はきっと水前寺清子のファンだろう
「押してもダメなら引いてみな」
又は軍歌「まもるもせめるもくろがねの」・・・・・・ワシ、古いかのう?