ヒロシの日記

たくさんの人たちの幸福を願いつつ、常に自然な生き方を望む私の日記です。

とけいのあおくん

2009-01-03 08:51:30 | 日記
とけいのあおくん

エリザベス・ロバーツ さく
灰島かり やく
殿内真帆 え
こどものとも(発行:2009年2月1日付) 


*あおくんは、あおいろの ちいさい めざましどけいです。
とけいやさんの たなのうえに たっていました。
でも ここでは なんにも することが ないのです。
 つまんないなあ・・・・・・
 だれか、かいにきてくれないかなあ・・・・・・


時計屋の棚の上で、小さな青い目覚まし時計の「あおくん」は、自分を買ってくれるお客さんを待っています。
あおくんの時を刻む音は、横に並んだ大きな時計より小さな音でしたが、自分のベルの音が一番好きで、いい音だと思っていました。

店に男の子とお母さんが目覚まし時計を買いに来ました。待ちに待ったお客さんです。
あおくんのところにやってきた時は胸がどきどきしました。
あおくんは二人に気に入ってもらおうと、必死になって「チクタク」の音を小さくします。
ベルの音を試された時は、思いっきり「ルリーン、ルリーン、ルリーン」と鳴らしました。

二人に気に入ってもらえたあおくんは、男の子のお父さんのプレゼントとして買われていきました。

その晩あおくんをプレゼントされたパパは、ベッドに入ると朝の7時にベルが鳴るようにセットして寝ました。

あおくんは、お父さんの部屋を気に入っていましたが、朝が近づくとベルがちゃんとなるかどうか心配になってきました。
もし、ベルが壊れて鳴らなかったら、店に返されてしまうかもしれないからです。
7時15分前になるとあおくんの胸はドキドキしてきました。時を刻む音は少し早くなったかも知れません。
しかし、あおくんは7時になると自分を励まして、最後の秒針をひと刻みすると大きな息を吸い込んで、大きくベルの音を鳴らしました。

あおくんのベルの音で目を覚ましたお父さんは、手を伸ばしてベルを止め、あおくんの顔を見つめながら褒めました。

*あおくんは うれしくて、むねが いっぱいになりました。
こんなに うれしくて とくいだったのは、うまれて はじめてのことでした。

注)絵本からの引用部分には先頭に「*」を付けてあります。

人が作った物に心や命があるなら、全てがあおくんのような気持ちなのかも知れません。
目覚まし時計である彼が、自分の造られた目的に忠実である真っ直ぐな気持ちに、私たちは心を打たれます。
しかし全ての物や道具に心や命があったとしても、私たちは彼らの気持ちに応えているでしょうか?
私たちが今手にしている物や道具は、果たして本当に望んだものなのでしょうか?

誰かや何かの真っ直ぐな気持ちに触れた時、私たちは自分の中の失われた真っ直ぐな気持ちや心を思い出すことがあります。
失われた理由はいくつもあるに違いないのですが、私は時としてそれを寂しく感じることがあります。
しかしこの絵本は、そんな私に真っ直ぐな気持ちでいることの大切さと心地よさを思い出させてくれました。
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