そのオオカマキリのメスを見つけたのは、自宅の駐車場の脇に繁茂しているサツマイモの葉の上でした。
カマキリらしい拝むようなポーズでいたのですが、近づいてみたところいわゆる鎌になっている前肢が両方とも失われていました。
前肢を失ってからは餌を獲ることも出来なかったようで、腹部は気の毒なくらいにぺちゃんこでした。
この状態からするとカマキリ同士の闘争で負けたか、スズメバチに襲われたようです。
それでもこのカマキリは、両前肢を犠牲にして生き延びたのです。
私は決心しました。
このカマキリが死ぬまで飼ってやろうと。
秋が深まり冬になって、自然死を迎えるまで大切にしてやろうと思ったのです。
このカマキリも前肢を失うまでは、サツマイモの葉を害虫から守ってくれていたに違いないのですから。
もちろん両前肢がなくては餌を自分で獲ることは出来ませんので、数日おきに餌を口に運んでやる必要があります。
一番心配だったのは、果たして私の手から餌を食べてくれるかどうかと食事も出来ないくらい衰弱していないかということでした。
しかし心配は私の思い過ごしでした。
彼女は私が餌のコオロギから手を離しても食べ続けていましたし、前肢で掴めないために落としてしまった餌を前かがみになっても食べ続けていたからです。
しかしそれで安心した私がその場を離れ、畑仕事に戻った一瞬の隙に彼女はどこかに行ってしまいました。
付近の茂みを探しても見つからないのです。
両前肢がないから遠くに行く筈がないと思ったことが油断でした。
また畑に出た時に出会うかも知れませんので、いつでも虫カゴは携えていることにしました。
私が今まで出会ったどんな虫よりも、彼女を愛おしいと感じるからです。
カマキリらしい拝むようなポーズでいたのですが、近づいてみたところいわゆる鎌になっている前肢が両方とも失われていました。
前肢を失ってからは餌を獲ることも出来なかったようで、腹部は気の毒なくらいにぺちゃんこでした。
この状態からするとカマキリ同士の闘争で負けたか、スズメバチに襲われたようです。
それでもこのカマキリは、両前肢を犠牲にして生き延びたのです。
私は決心しました。
このカマキリが死ぬまで飼ってやろうと。
秋が深まり冬になって、自然死を迎えるまで大切にしてやろうと思ったのです。
このカマキリも前肢を失うまでは、サツマイモの葉を害虫から守ってくれていたに違いないのですから。
もちろん両前肢がなくては餌を自分で獲ることは出来ませんので、数日おきに餌を口に運んでやる必要があります。
一番心配だったのは、果たして私の手から餌を食べてくれるかどうかと食事も出来ないくらい衰弱していないかということでした。
しかし心配は私の思い過ごしでした。
彼女は私が餌のコオロギから手を離しても食べ続けていましたし、前肢で掴めないために落としてしまった餌を前かがみになっても食べ続けていたからです。
しかしそれで安心した私がその場を離れ、畑仕事に戻った一瞬の隙に彼女はどこかに行ってしまいました。
付近の茂みを探しても見つからないのです。
両前肢がないから遠くに行く筈がないと思ったことが油断でした。
また畑に出た時に出会うかも知れませんので、いつでも虫カゴは携えていることにしました。
私が今まで出会ったどんな虫よりも、彼女を愛おしいと感じるからです。