日本の進路を考える

戦後70年が過ぎてもいまだに自立できない日本を考える。

京急脱線事故、さすがに想定外の100ミリ/時の豪雨。

2012年09月25日 | Weblog

夜中にはFacebookの友達と大雨の様子を実況交換、屋根をたたく雨音が尋常ではないとネット上でリアルタイムにやり取りしていた。日付けが変わるころにはベッドに入ったが、その頃京急の最終電車が崩れた土砂に乗り上げて脱線けが人もでた。丸一日たっても復旧できていない。なにしろ現場はトンネルのそばで山の両側を切り開いた狭いところ、工事機械を持ち込めず、人海戦術で取り除き作業をやらざるを得ない。今朝の通勤の足は大混乱したであろうが、もう一日我慢の日が続きそうだ。

事故原因を究明中という報道であるが、昨夜のこの付近の豪雨は一致時間当たり100ミリととんでもない酷さであり、石垣などの構築物は無事でもさらにその上の斜面部分が樹木もろとも崩落しており、まさに想定外の大雨、その責任の追及は京急に向けられるものではなさそうである。

しかし、このところの異常気象は、想定の範囲の拡大をしなければ安心できない従来からの経験値を大きく超える自然現象が頻発しており、その対策を基本から見直さなければ安全の確保ができなくなっていることを再認識させられた。この週末には台風が2個連動してやって来る恐れもあり、今回の豪雨で緩んだ所に更なる大雨が降り注ぐと、今回の様な信じられない崩落の危険性が高まる。

すぐにもやるべきは豪雨時の運行スピードを停止可能なものにすること。もともと京急は広軌線路であり、カーブでも速度をあまり落とさず走り抜ける痛快な電車だが、さすがに土砂崩れには弱い。運転士の目視で早めに停止できれば少なくともけが人はなくなるだろうし、撤去作業もスムースにできるはずだ。乗っている方は速度低下でイラつくかもしれぬが、そこはやはり安全優先、目視による災害の発見と衝突回避のできるやり方を徹底してもらいたいもの。

天気予報の解説では、横須賀付近の豪雨は一旦南下したものが停滞してさらに北上するダブルパンチに加えて、地形的に豪雨が集中しやすい場所であったと解説していた。いまや、ネットを調べていればどこでどのくらいの雨量であるかが見て取れる情報網が出来上がっているのだから、これを電車の運行にも生かさねば、宝の持ち腐れだ。想定外の豪雨もこちらの姿勢次第で対処できる可能性は十分あるわけで、こういった情報の活かし方にも即刻の工夫をしてもらいたいものだ。