日本の進路を考える

戦後70年が過ぎてもいまだに自立できない日本を考える。

ハッブル望遠鏡が見た宇宙、野本陽代、R..ウイリアムズ

2009年04月29日 | Weblog
岩波新書499、1997年の出版。
ハッブル望遠鏡の生い立ちを解説し、鏡面の間違いで当初は大失敗を
数回の改修で実用的に見えるものにしてゆくどきどきものから始まる。
新書版の写真集であり、ずっしりと重い。
宇宙のかなたで星の誕生する煙の塔が奇妙な形で捉えられている姿は
不思議としか言いようがない。遠いところに見える星は、それだけの
距離を光が走ってくるために宇宙の誕生の時に近いものであるという
話しは分かるが、今ひとつ納得するには時間がかかる。
見えているものが百億年前の姿であるという気が遠くなるような距離。
瞬間に届くのが光の常識であるが、宇宙の果てからハッブルに飛び込
むまでにその光は光速で延々と旅をしてきた。うーむ。
一つ一つの写真に解説があり、もうほとんど10年前の本であるが
本屋で手に取りちらりと見るともう元に戻せない類の本だ。
火星に飛び込むシューメーカー・レビ彗星の一連の写真は特に印象的。

星の世界を見ていると仏教の曼荼羅や数字のこととつながるなあという
感覚がある。考えられる限りの数、無量大数を越える宇宙の規模には
圧倒される。

写真:緑の紅葉(笑)

マスコミの報道姿勢に異議あり

2009年04月27日 | Weblog
あらゆる凶悪事件を微にいり細にいり繰り返し連日報道することが社会に与える
影響と言うのを考えたことはあるのだろうか?
例えば誘拐事件は連鎖反応を起こしやすいことが知られているようだ。
映画の手法をそのままに実現した凶悪な誘拐事件がその昔にあった。
子殺し、親殺しも連鎖反応的に続発する。小児誘拐と虐待も連鎖反応的に
見える。おまわりさんの不埒な行為も頻発する。

あいつがやっている、俺もやろうという自己規律のたががはずれる原因の
一つが周りの事例だと言うのは実感できる。学校でも職場でもできる先輩が
羽目をはずすとそれに見習う、あるいはそれを言い訳にする後輩はたくさん
いるような気がする。親も先輩も背中を見られているのだ。

どうも最近の報道は、先日の酔っ払い事件にしてもことを大仰にしてしまう
傾向にありそうな気がする。このようなことは同種の連鎖反応が起きやすく
いちど報道して終わりにしたらどうだろう?

あの人がやっていることだから、おれもやって当然と言う意識は誰にもある。
もしその相手が日頃尊敬していた人であったら、ますます言い訳は強固に、
自分への建前があっさり消え去ると言う気がする。

なにもかもを生真面目に映像までつけて語る国営放送のおしゃべりアナには
おそらく人格が無いのだろう。後ろで原稿を書く人、ニュースのネタを選ぶ
人、その全てが猛省をすべきではないのか?

もちっと自分の考えをもって、何でもかんでもありのままをしゃべるもの
ではなかろう。その分野が例えば国、政治など分野で逆に大きいのでは
ないのか?国会の審議でだれが何を語ったか、とかもちっと大事なことが
たくさんありそうな気がするが、面倒なので避けているとしか思えない。

人々の日常の中で起きているあの種の事件は、許せることではないが、
あまりにも週刊誌的興味本位の映像が、深刻な表情の現場アナの怒鳴り
散らす声と共に流れる今のマスコミは病んでいる。

写真:見ろ!この富士山を、
   この日本人の心の故郷を仰ぎ見て心を洗って出直せ!

酔っ払いに不寛容な警察、生真面目正論まかり通るのは怖い

2009年04月24日 | Weblog
「シンゴー」絶叫、草なぎ容疑者全裸逮捕(日刊スポーツ) - goo ニュース

いやそりゃ悪いのだろうが、本人の酔っ払い具合をみたら、いわゆる虎の檻
一晩でお説教して釈放というのが普通な気がする。公然猥褻罪というから、
余程のことをしたかと思ったが、これは単なる本物の酔っ払い。
一昔前なら一晩でおしまいのはずだが、自分がやりかねない位の酔い方を
したことがあるので、ちと同情してしまった。

イギリスのマスコミが同情的というのは、分かる。
彼らはジョークが分かるしこういうことでは目くじらを立てずお仕置きは
しつつ、笑い飛ばすものだ。

酔っ払い運転をしたのならいざしらず、ここまでやるのかねぇ?
警察まで旧社会党の正論言い張り、裏では悪さたくさんということに
なってしまっていないのかな?

写真:葉柏も新芽がきれい。

一度は拝したい奈良の仏像、山崎隆之、学研新書051

2009年04月24日 | Weblog
菊の香や奈良には古き仏たち 芭蕉
から始まる奈良の仏像の歴史と解説。
丁度、興福寺の阿修羅像が修改築のタイミングで東京の国立博物館に
来ており、事前勉強に手に取った。仏像は芭蕉のように秋の菊の頃が
にあいそうだが、目に青葉の時期もまたお寺周りの季節。
中学高校の歴史の教科書であったか、美術かもしれないがいくつもの
仏像の名前と作り方を試験のために記憶していまだに一部が残っている。
それらを、当時は体系的に捕らえることも無く、勉強として記憶した。
中学校の修学旅行では奈良京都でたくさんのお寺を訪れて本物を見た。
その後京都奈良へ行く機会も多く、寺社の拝観もよくやった。
京都太秦と奈良中宮寺の弥勒菩薩と阿修羅はきれいなお顔と美しい形が
たぶん日本人の誰もが好きな仏像であろう。これが見たくて時間を掛けて
出かけたことも幾度かあった。
筆者の思い入れは仏像がまるで生きているかのような、姿かたちのありかた
仏師の思考、そして写実と聖性のバランスなど、なるほどという見方を
教えてくれた。写実の究極は運慶快慶ということで、ミケランジェロの彫刻と
並べて、東西の天才と述べる。運慶もミケランジェロも聖性と写実のバランス
で悩んでいたというのは、納得できる。
彼らの時期を過ぎると大きな仏像は作られなくなりいわば工業品的な小さな
仏像が大量生産されて全国の寺社や家庭にまで普及したと言うことだ。
仏像によっては開帳の時期が年に数日など、なかなか拝観できないものもある。
これをその日にあわせて見に行くほどの気力はない。
奈良に限定した本であるので出てこないが、近くの金沢文庫には運慶快慶の
仁王像がある。

写真:銭の花、宿根草、昨年植えて元気に広がってきた。

韓国の歴史教科書を書き換えよ、李榮薫、文芸春秋5月特別号

2009年04月22日 | Weblog
感情的民族主義から脱却し「反日」の姿勢をあらためよ
著者はソウル大学教授。
このタイトルの講演を基にした本を日韓両国で出版して韓国では大反響を呼んだ。
韓国の歴史教科書は過度に「親北朝鮮、反日」の姿勢をとるということから話が
始まるのであるが、その事実を知らなかったなぁ。中国の歴史教科書の酷さは
中国で反日歴史博物館などの一部を見た酷さから、推定されるし日本のマスコミも
何度も報道してきたが、韓国もそれも近年の改定でますます酷くなってきたという
事実が述べられる。
日本による占領の時期が良い事であったとは言えないにしても、あらゆることの
事実を曲げて記述する傾向は、韓国民の反日感情を過度にあおる弊害を指摘。
今後の歴史教科書の改訂につなげるとある。
つい最近も日本への協力者を探し出して厳罰にするなどの動きがあったのも、
これらの教育と無縁ではなかろうし、北よりの政権が続いて韓国民は自分達の
位置づけの確信が持てず、混乱している。

日本の支配が残したものについても極めて冷静にいいこともたくさんあるし
特に人材教育などの点では現代の産業を起業した人達がそこから出てきている
と、好影響を認めている。

最近、「台湾に生きている「日本」」という本を手に入れた。この事実は台湾に
行くと実感できることが多い。韓国ではハングルを優先するために漢字表記が
激減して、日本との共通の文化が薄れた気がするが、良く見ると欧米から日本が
取り入れたものをそのまま移植しているものが実は結構多いのだ。

反日の感情的なしこりがなんとなく感じられる韓国の大衆の動きの原因が中国と
同じに教育にあったこと、そしてそれを是正しようとする動きが出てきたこと、
今後のために良い事だなと思う。

写真:久しぶりに登場、かわらぬ茶トラのだいちゃん。
   PCを使う横でひたすら待つ。

皆様に感謝

2009年04月21日 | Weblog
19日は64回目の誕生日であった。

ブログを読んでいただく方々から予想外に
たくさんのお祝いメッセージを頂いた。

皆様ありがとうございました。

当日はいつもの御殿場の富士カンで月例会に
でた。スコアは相変わらず冴えなかったが
一緒に廻った方が3位と女子1位という成績で
廻っていて面白かった。こっちは途中からサポーター
気分で応援しながらプレーした感じであった。

初夏の気候に半分白い富士山と新緑の若芽、
緑になりかけているフェアウェイと景観も最高、
風もなく言い訳は、自分の腕だけ。

これで、帰りの事故渋滞がなかったらよかったのだが。
帰宅して、電車に乗って娘一家とイタリアンでお祝い。
奮発した赤ワインが保管が悪くて味が落ちていたのが
残念。いつもの安い売れているのにしなくてはいけない
ことを再認識した。

この歳で親父が亡くなっている。こんなものかと思う。

写真:朝のくらがりのわが羽毛布団に沈む巨体猫。
   足元を押さえつけられる感じがする。
   最近明け方になるとやってきて寝ている。
   このあと、出窓に行き鳥の監視をするのが日課。


テスラの電気自動車

2009年04月17日 | Weblog
プリウスの敵はインサイトだけじゃない!トヨタ北米ハイブリッド帝国包囲網の全容(ダイヤモンド・オンライン) - goo ニュース

これは凄い。4月11日に書いた本にも紹介されていたアメリカの
電気自動車製造ベンチャー企業。テスラの普及版モデルSを発売、
その電池がなんとPC用の日本製リチウムイオン電池だとある。
高級車のスーパーキャパシタとは又違うもののようだ。
0-4と称する車の初期スピードも数秒という凄い速さ。
価格も600万円弱。充電45分で500キロ弱を走る。
燃費はプリウスよりもはるかに良く、電気代500円で370キロ
走る。

これは革命に等しい。車のエンジンが要らなくなることの影響は
はかり知れない。日本の産業としても、準備をおこたれないし、
既に発売しようとしている三菱や富士重工などは電池の充電方式の
遅れ対策が必須だ。先行しているつもりの日本の自動車各社は米国
の底力を見せ付けられることになりかねない。

つまり、ベンチャー企業の技術的革命の力が全てをひっくり返すのが
アメリカなのだ。

写真:バス通りの欅が緑になる。毎年おひたしにしたらおいしそうと
   眺める若芽の季節。もう夏になるなぁ。

平成の「パンとサーカス」高速道1000円乗り放題、週刊東洋経済

2009年04月12日 | Weblog
ミスターWHOの少数異見(パンタレイ)
このコラムは毎号ピシリと辛子の利いたご異見で、なるほどと思うことが
多いのだが、今回はさらに斜めからの歴史的の愚民政治という批判。
1000円乗り放題は社会生活のゆがみを作り活性化につながるかどうか
やるなら産業を支えるトラックの料金を下げるべきだ、逆に地域雇用拡大
には無縁の庶民娯楽でガス抜きをしているようなもの。定額給付金(パン)
乗り放題(サーカス)による古代ローマ帝国の愚民政治で国民の目をそらす
モノである。さらに悪質なことにETC利用を推進する裏では、週刊文春が
指摘した、官僚天下り組織である財団法人道路システム高度化推進機構へと
お金が流れ込む仕掛けが仕組まれているわけだ。
しかもこの金の財源は税金であり、料金が安くなっても実は自分達の懐から
でているし、その一部は官僚の天下りへと流れているという、とんでもない
仕組みなのである。騙されてはいけない、と言う御意見。

一方、今朝の日経社説の筆頭はかんぽの宿売却問題で、鳩弟大臣の無理無体
とその悪影響をきちんと批判している。単なる目立ちたがりを越えて、郵政
官僚の繰り人形となっている自分の行動が見えないのだろう。結果として
「不正も将来も見えない「かんぽ」問題」というタイトルのとおり、権限を
持ち大株主である総務大臣がむちゃな横槍をいれて全てがおかしくなったと
批判している。
さらに「かんぽ」問題の根源を作り出した旧郵政官僚と族議員達の批判を
しない総務大臣の行動は「建てたものの責任」に言及せずバランスを欠く
とも述べている。
極めて的を得た指摘だが、さらにもっと裏側の副社長人事問題も指摘して
おくべきだったのではないか?

写真:遅れてきた桜、庭におろした一才桜、日陰でもありやっと咲いた。
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日本経済の勝ち方 太陽エネルギー革命、村沢義久著

2009年04月11日 | Weblog
文春文庫691
久々に元気の出る本だ。21世紀に日本が何をすべきか。
太陽エネルギー革命のリーダーシップをとれと宣言。
世の中は電気の時代に変換してゆく、今こそ技術と環境が
準備された。日本と世界のためにも家庭や自動車が石油を
生で燃やす時代を終わらせようと説く。

まず自動車は、電気自動車に移行する。問題は電池である。
三菱の軽自動車とその車体を利用した電気自動車のエネルギー
コスト効率は1/5になる。現時点ではまだ長距離には実用的
でない充電の課題が残るが通常の社会生活には極めて有望。
電池はリチウムを最初に実用化した日本の技術、
更に近い将来にはこれも日本が技術をリードする
スーパーキャパシタ。充電と電気容量の双方を解決する近未来
技術らしい。
次に家庭のエネルギーでは、全電化によるエネルギー効率の
良さを説く。最近の空調設備のヒートポンプ技術は直接ガスや
電気を用いる場合に比べて桁外れに効率が良い。

そして、電化を進めるための発電は、太陽光発電と風力。
日本の休耕田や不要森林をソーラーパネルで覆い尽くすと
現在の日本の電力需要の半分を供給できる。そのための
投資額は100兆円、出来ない話ではない。
ソーラーパネルを海面に浮かせる方法もある。
世界的には風車による発電もすぐれものであり、欧米では
相当な規模のプロジェクトが既に進行している。日本では
常に風のふいている適地が少ないようだ。

景気対策公共投資で渡らない橋、通らない道を作るのではなく
この著者の主張するエネルギー革命という山に登るための
いくつかのルートに持って行ければ、日本経済の勝ち方という
タイトルの適切さが見える。

自宅は昨年オール電化に投資して初期投資の回収と言うより
そのコスト効率の良さには驚いている状況である。
残念ながら車は大排気量の300馬力と操縦性の良い四駆
システムの心地よさから離れられないでいるが、次は電気
自動車にしないと、下取りもしてくれなくなりそうな危機感を
覚えた。事故や修理の時の大容量電池の怖さもやや気になる。

しかし、この方の主張は明快、具体的、実現可能。
政府も言い訳のグリーン革命などではなく是非この方の提言を
勉強してもらいたいものだ。

写真:今年最後の花見、千鳥が渕の花見は水面の花びら見。
   まるで白壁を塗ったような水面。


国連脱退と核武装?

2009年04月09日 | Weblog
まあ、いつの世もこういうことで世の中が動くのかなと思うが、
さすがに核武装の脅しは日本のアレルギーで無理無理。
でも国内でその手の議論をしないというのもこれはおかしい。
北朝鮮日本支部のやからは、攻められても抵抗してはいけないと説く。
極端な反対意見として、北が核武装するなら日本もやるというのは、
ロシア、中国へのメッセージとしては極めて有効だろう。
国内の議論はあってしかるべきと思うが、いかが?

写真:日の出町の桜、向こうに日本一のランドマークタワー