『アエネイスミッション』[Aeneas Mission ]

建国の使命を抱くアエネイスのフアストミッションは自軍団自民族引き連れて炎上壊滅するトロイからの脱出である。

『トロイからの落人』  FUGITIVES FROM TROY   第7章  築砦  1225

2018-02-17 07:15:25 | 使命は建国。見える未来、消える恐怖。
 『おう、あれはとっても好評であった!営業のツールとして有効であるな。あれがあったればこそと考えさせられる場面もあった』
 『ほう、そうでしたか?そのような事例が、どのような場面で?』
 『見込みの客が艇上で艇の大きさ、帆柱の高さなどを、木板と首っ引きでうなずく場面があったな』
 『そうですか、ありがたいことです』
 『製作する余裕があるのか?建造が山場に来ている。製作できるようなら、製作してくれ!あれがあれば営業が活性する。各所に配布する。各艇50枚くらいづつ作成してくれ、いいな』
 『了解しました』
 『急いで作りました。というわけで雑な仕上げはNOだ!いいな!パリヌルス』
 『解りました。製作は丁寧に、気配りを忘れずにやります』
 『新艇および戦闘艇の仕様書きと図面の作成よろしく頼む!これは業務命令である』
 『軍団長、仕様書きの最後に、このような文言を書こうと考えていますがどうでしょうか』
 『何?どのような文言だ、言ってみてくれ』
 『我々が建造している艇の頑丈さを表す文言です。『使用、耐用100年のもの造りをしています』如何です?』
 『おう、なかなかいい!その文言を入れろ!パリヌルス、考えもよければ、文言の表現もいい!結果が良ければ、なお、いいということだ』
 『了解いたしました』
 話し終えてオキテスのほうに顔を向けるイリオネス、彼に声をかける。
 『ところで、オキテス、お前、明日はどうする?キドニアに行くか否やだ。行くとなれば、明朝、浜へ来る、いいな』
 『解りました』
 イリオネスが一同と目を合わせる。
 『では、これにて会議を終わる。オロンテス、明日の件、そういうことだ』
 『はい、承知しました』
 『おう、オキテス、テムノス方の新艇改造の件、パリヌルス、ドックスに伝えたか?』
 『はい、伝えてあります。出来あがり予定は明後日夕刻です。納入については、ただいま考え中です』
 『そうか了解!決まり次第打ち合わせをやる』
 『解りました』
 会議に会同した一同が、それぞれの持ち場に引きあげていく、今日の業務終業の頃合いとなっていた。
 アエネアスがイリオネスに声をかける。
 『おう、イリオネス、パリヌルスだが、なかなかいいことを言う。あの文言だが、頑丈さを表し、それを伝える、具体性があり、ズバリ、相手の心の中に入っていく、そして、我々のもの造りが納得しやすい』
 『そうですな、統領が言われるように、とてもいい文言だと思います。ですが、100年は、チョットオーバーですな』
 『ハッハッハ!いいではないか、解りやすい!』
 アエネアスが笑う、イリオネスも笑う、二人は笑いあった。