日比谷同友会 こぶし会

日比谷同友会 サークル活動

第386回例会(令和2年12月21日)報告

2021年01月03日 | 例会報告

第386回例会(令和2年12月21日)報告
 この例会もネット開催した。11月30日に予稿をネットで配信し、討議に供し、1月1日にレジュメをまとめた。
話題 読書紹介・「地球に住めなくなる日」
話題提供者    杉浦 右藏

気候変動に関する国際的枠組みは、1997年の京都議定書に次ぐ2015年のパリ協定、国連IPCCなどで脱炭素社会の目標が議論されている。本書は、2019年ニューヨーク・タイムズ、サンデータイムズ、両紙のベストセラーリストにランクインされた「地球に住めなくなる日」(ジャーナリストDavid Wallace-Wells著・翻訳:藤井留美)の読書紹介です。
気候変動の実態は思った以上に深刻だ。地球上では、過去に大量絶滅が5度起きていて、その度に動物の顔ぶれが完全に入れ替わり、進化がリセットされた。オルドビス紀末(4.5憶年前)、デボン紀末(3.8憶年前)、ペルム紀末(2.51憶年前)、三畳紀末(2.1憶年前)、白亜紀末(6600万年前)、各紀末に約85%の系統発生樹が枯れて倒れて絶滅した。絶滅には温室効果ガスが引き起こす気候変動が関わっている。二酸化炭素による温暖化は、三畳紀で地球の温度は5度も上昇した。強力な温室効果ガスであるメタンが放出され拍車がかかり、一握りの生物を除いてみんな死んだ。今、その時の10倍の勢いで二酸化炭素を出している。18世紀の産業革命以前の100倍にあたる。産業革命の開始から道徳的経済的ツケを何百年か後に自分たちが払わされている。化石燃料を燃やして大気中に放出された二酸化炭素は、この30年に発生したものが半分を占める。
イギリスの産業革命のせいにする歴史悪用説もあるが、化石燃料の燃焼の半分以上は1989年以降に起きている。1945年まで時計の針を戻せば、その割合は85%になる。今生きている我々の仕業という事だ。また、現在の人間社会が目指す削減目標以上に、氷床の熔解、森林火災、等による自然発生で脱炭素社会の努力以上に排出量の多さ、事後対策より事前対策の方がコスト安とも述べている。
本書の指摘に合せるがごとく2020年11月の菅首相の施政方針で2050年までに温室効果ガスの排出を全体としてゼロにするカーボンニュートラル、脱炭素社会の実現をめざす、と宣言した。

 令和3年1月の例会も同様の形式でネット開催する。話題は島田博文氏の
「コロナに思う事~良い加減のすすめ~」で、予稿は配信済です。

この記事についてブログを書く
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 第385回例会(令和2年11月... | トップ | 第387回例会(令和3年1... »
最新の画像もっと見る

例会報告」カテゴリの最新記事