日比谷同友会 こぶし会

日比谷同友会 サークル活動

第371回こぶし会例会報告(平成30年3月12日)

2018年03月21日 | 例会報告

話題1.移動無線の発展                           山根信義

 無線部門では、マイクロ波を使った市外回線とテレビ回線が建設され、昭和47年に本土―沖縄間のカラー回線が完成したことにより、全国的にテレビ回線は完成したことになっている。このような時期にマイクロ波の次の無線回線として移動無線を発展させるべく取り上げたのが、当時の施設局の無線課長であった林新二さんである。                        私が無線課長補佐として昭和37年に着任したときに、林課長に「マイクロの仕事はマイクロ部に任せておけ、補佐としてやることは移動無線を手掛けることだ」と言われた。            この当時課長が考えていたのはNTTは今まで公衆通信事業を独占でやってきたが、将来は民営化されて他の競争会社と競争することになると考えておられたようである。             そのためには、メーカーは端末機などの販売網を持ったメーカーを選定すること、移動無線の端末機は加入者がメーカーから直接購入する自営用品とすること、などによりNTTに競争力を付けることである。                                                 これは、今までの販売方針と大きく変わっており、社内を統一するのは相当困難なことが予想された。ところがNTTの民営化はそれから23年の昭和60年には実現し、携帯電話も予想通りの販売が進み、ドコモへの加入数は現在の加入電話数5540万よりも多いい7620万に達するまでになっている。なお携帯電話は加入電話などに比較すると、孤立防止により有効であり、今後加入数が増大すれば益々非常災害などにも役立つものと思われる。            昭和37年以来取り組んでこられた林さんの移動無線の発展も、56年たった今日立派に達成されており、マイクロ波回線の成功と共に移動無線でも大きな成果を挙げることが出来た。

話題2.イスラームの歴史 その1 -イスラームの成立と繁栄ー    松本哲男

 7世紀前半に預言者ムハンマド(マホメット)が創始したイスラームは、それから1400年を経過し、イスラーム教徒(ムスリム)は世界で16億人に達している。しかし、イスラームについてこれまで必ずしも良く知られていない。今回は、イスラームの成立からオスマン帝国の建国までの約800年の歴史について取りまとめた。                           イスラームの成立 610~632年:ムハンマドは、西暦610年に神より最初の啓示を得、その後21年に亘り多くの啓示を受けた。これがイスラームの啓典クルアーン(コーラン)である。当時アラブ社会は各部族どうしの争いが絶えず危機に見舞われていた。当初は支配層と対立し迫害を受けたが、イスラームを広め、その共同体(ウンマ)によってアラビア半島の各部族との戦いに勝利し、アラビアのほぼすべての部族が同盟者となり、アラビアに平和をもたらした。                                                    正統カリフ時代 632~661年:ムハンマドの跡を継いだ最初の4人のカリフは「正統カリフ」と呼ばれる。彼らの統治時代はムハンマド時代と並ぶ形成期となった。初代カリフ、パクルは多くの部族の背教に対し、智恵と温情で反乱を鎮め、アラビア統一を成し遂げた。第2代カリフ、ウマルの時代、周辺諸国への襲撃が猛烈に進められ。イラク、シリア、エジプト等広大な領土を手にした。第3代カリフ、ウスマーンの時代には、領土を東方においてアフガニスタン、インドまで広げた。最後のカリフは、ムハンマドの近親者のアリーが継いだが過激派に暗殺され正統カリフの時代の幕切れとなった。                           ウマイヤ朝 661~750年:この王朝は首都をシリアのダマスカスに置いた。全盛期は第5代マリクの時代で、主な政策として、アラビア語の公用化、アラブ貨幣の発行が挙げられる。領土は東へ西へと拡大し、イベリア半島(スペイン)の一部まで領土となった。        アッバース朝 750~1258年:ウマイヤ朝を倒して成立した王朝で、首都をイラクのバグダートに定めた。この王朝は約500年続き、8世紀後半から全盛期となり、北アフリカから中央アジアに及ぶ広大な領土を支配した。9世紀中頃から地方に独立政権が生まれ、カリフ支配は形骸化した。最後はモンゴルの侵攻によって滅亡した。」                  アッバース朝は、アラブ人の様々な特権を停止しイスラーム教徒間における平等を実現した。第5代ハルーンの時代に最盛期を迎え、学術文化が発展した。中国から製紙法が伝わり、化学、数学、天文学、医学等の科学分野が飛躍的な発展を遂げた。イスラームはスンニ派とシーア派に分かれ、法学、神学、史学が盛んとなり多くの学派が生じた。            十字軍及びモンゴルの侵攻:1099年第一回十字軍によりエルサレムが占領され、パレスチナ、アナトリア、シリアに十字軍国家が建設され、その後200年に亘ってイスラームと戦いが起こった。また、1220年頃からモンゴル軍の侵攻を受け、1258年にはバグダートが破壊され、アッバース朝が滅びた。この時代、各地方に独立政権の王朝が起こったが、1299年にオスマン帝国が建設され、イスラームが世界帝国の時代となった。

 

 

 

 

 


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第370回こぶし会例会報告(平成30年2月19日)

2018年03月06日 | 例会報告

話題 1.働き方改革と働く空間の変遷         沖塩荘一郎

 1990年代半ばのインターネットの普及は、世界の働き方に大きい影響を与えた。80年代初めから米国のオフィスを調査することの多かった私は、1995年の年2回の訪米で訪れた先端企業の働き方とオフィスが前年までと大きく変わっているのに驚いた。[会社に毎日来る必要はない」「ネットワーク活用による世界競争の中で、組織としては職員の知的能力を最大限に引き出すことが必要だ」「職員一人一人が、自分の知的能力を発揮するにはどのような働き方をすれば良いのか自分で考え提案しろ]という言葉を、訪問した先々で聞かされた。オフィスも、自席をなくして多様な空間を用意した企業が続々と現れていた。これより、「組織としては、職員の知的生産性が上がると共にスペースコストが下がるメリット」「職員にとっては、勤務が束縛されず家族団らんや地域活動の時間が増えると共に自分にこんな能力があったかと喜びを感じるメリット」がある。といった話が多かった。                                  バブル崩壊で不況下の当時の日本では、リストラと称する首切りばかりで働き方やオフィス変革の動きは鈍かった。その中で、元日本IBM副社長からプライスウオーターハウスコンサルタント社長となった倉重英樹氏は、就任半年後の1994年、ペーパーレス、フリーアドレス、働き方改革で、業績を大幅に伸ばすと共にスペースコストなどを大幅に減らした。氏は、その後日本テレコムなどで次々成果を挙げられた。                                  少し遅れてNTTでも、NTT東日本やドコモで法人営業部長を務めた潮田邦夫氏は、フリーアドレス導入など次々とオフィス改革をされ成果を挙げられた。しかし氏が去ると、「自分の席がないなんて可笑しい」と、残念ながら継続発展はなかった。                         働き方やオフィスの変革で後れをとっていた我が国大企業も、近年やっと動きが出てきた。昨年本社を移転した三菱地所は、固定席なしのグループアドレス導入、役員個室廃止、目的に応じ選択できる多様なスペース、ペーパーストックレスの推進などに成功している。         現在阿部政権は、「働き方改革」を政策の一つの大きい目玉としている。しかし、「長時間労働の禁止」などが焦点となっているように見える。ICT活用により、働き方の多様化承認、働く場所と時間帯の自由選択、知的創造性を刺激する出会い増加施策などにより、生産性アップと働く職員の幸福度アップの両立にこの政策が繋がることを祈っている。

話題 2.美しき日本の再発見の旅ー現代風奥のほそ道ひとり旅ー  加藤 隆

 私は故郷仙台から57年前に上京し、以来仙台ー東京間を列車で何度往復したことか。その度に車窓から見える自然豊かな東北路をのんびりと何日もかけて歩いてみたいと思っていた。その長年の念願を退職し自由の身になった機に実行した。この歩き旅は自宅(横浜)から日帰り、もしくは2泊3日の旅の繰り返しとし、マイペースで気ままな「ひとり旅」とし、上野を始点とした。原則JRに沿った国道を辿ることとした(これがタイトルの「現代風」の所以)。宿は予約なしでぶっつけ本番だ。                                  そして平成20年(2008年)5月、上野ー仙台駅間300kmの歩きを始めた。宇都宮までは首都圏の雰囲気だ。それを過ぎると景観ががらりと変わり、遠くに山々が見え自然の懐に抱かれ大いなる安らぎを感じる。                                        序に7年前東日本大震災で津波の被害にあったが復興の力強い槌音を感じる塩釜から女川までの海岸沿いを歩いた。JR仙石線のとある駅では、駅舎は消えホームはかすかな土の盛り上がりがその痕跡を残すのみで、重い線路も枕木も全て流されていて津波の恐ろしさを実感した。また女川の海岸は高さ30mほどの津波ですっかり流され、瓦礫が処理された跡に慰霊の花束やペットボトルが供えられた一角があった。                    更に2010年11月、当初の予定を延長し仙台から山形経由で新潟まで足を伸ばした。山形市までは初冬の奥羽山脈越えで登りがきつかった。山形市から坂上(新潟県)まではJR米坂線に沿って歩いた。この区間は山あり渓谷あり湖ありで風光明媚だ。その合間に戦時中私が疎開し終戦を迎えた寒河江(山形県)を65年振りに訪れた。当時私は国民学校3年生であった。そして最近、自宅に比較的近い八王子から甲州街道に沿って甲斐の山々を愛でながら茅野まで歩いた。                                         この旅は距離にして700kmを超え、10年に亘る遅々としたものではあるが、日本を再発見する良い機会でもあった。訪れた都県は東京を皮切りに埼玉・栃木・福島・宮城・山形・新潟・山梨・長野である。今後も体力を考慮しつつ歩き続けたい。                   この旅を振り返ると、①日本は美しく情緒があり治安も最高の国だ。自然が美しく四季折々の移ろいもあり、皆親切で思いやりがある。ひとりで歩いても危険を感じない。②市街地を離れると過疎地と高齢化を感じる。そして車社会だ。畑や家の庭ではお爺ちゃんお婆ちゃんだけだ。数少ない働き盛りは、車で市街へ通勤しているようだ。③それぞれの地方のカラーが色濃く残っている。それらはかって諸大名が統治した領土の雰囲気、神社仏閣の佇まいや街並みである。このことは何でも画一的化が進む中にあって貴重なことだ。地域の人々が自分たちの”誇り”を営々と伝えてきた賜物かと思う。

 

 

 

 

 

 

 

 

 


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こぶし会第369回例会報告(平成29年12月11日)

2017年12月25日 | 例会報告

話題 1.「意」による「法」の測定に必要な座標軸は何か?    稲村 隆弘

 これは、般若心経の中の、無限耳鼻身意 無色声香味触法 で、前の方がセンサー、あとの方がセンスされる対象と考え、それぞれの測定の標準化がどれだけできているか、と考えたとき、視覚情報がほぼ完全に標準化されていると考えると、心覚情報の標準化は無いだろうから少し考えてみようとの思い付きであった。視覚情報(と言っても色合いだけの話ですが)の標準化が何故完全か、と言えば、三原色という座標軸が、幸か不幸か、完全に近いものだったからです。心覚情報の方は、その座標軸探しから始めないといけません。この観点からの試みは完全な失敗であった。参考文献として以下の3つを選びました。

 1.浅田 稔・国吉康夫「ロボットインテリジェンス」岩波講座ロボット学4 岩波書店    これは、人間の知能を原生動物の知能にさかのぼって分析し、ロボット化するという観点で書かれており、最終的にヒトの脳の各部が如何に機械化されるかを示した。ヒトの脳と機械の脳の最大の違いは、情報伝達物質がヒトでは化学物質、機械では電子であることである。化学物質が座標軸になっているかもしれないが、それを明示できなかった。

2. 小島比呂志・奥野クロエ「心はいつ脳に宿ったか」海鳴社 2017.07.20           われ思う、故に我あり、と言ったデカルトに始まる心身二元論は、ヒトの被験者の頭頂葉に置いた電極から脳波測定を行って、ヒトが予定行動を行うときは行為の1秒前に準備電位が発生するが、突発行為の場合は準備電位の発生が0・5秒前であることを示したリベットの実験(1983)から、「自由意思の発現は自立的因果律に従っているが、任意の時刻に発現する自由意思の存在を否定する」ということになった。

3.科学雑誌Newton2018年1月号 ニュートンプレス社のpp。24‐51「ゼロからわかる人工知能 人工知能はどこまで”進化”するのか」                            これによって、ディープラーニングによる画像認の改善は、本格的な機械学習をする前に、人工知能を”プレトレーニング”すること、インターネットの拡大で使用できる画像データが爆発的に増えたこと、などによることを明らかにした。また,正解付きの大量データが要る、というディープラーニングの弱点、人工知能が攻撃された、という人間が気づけない、という欠点も明らかにし、人工知能の開発に際して守るべき23の原則を示したカリフォルニア州アシマロ会議(2017年1月)も紹介した。

人工知能に対する攻撃に対する防御の意味で、化学伝達物質による人工知能の研究を提唱したが、これに対し、認知症の予防や治療という観点からも、脳内化学物質の研究はすべきとのご意見を頂いた。また従来の方法とは違う人工知能の教育法を提唱している研究者の存在もご教示頂いた。

話題 2.最近のITの話題 (本年8月以降)           桑原 守二

1.韓国サムスン電子の半導体事業は引き続き好調で4~6月は前年同期比47%増の約1兆7500億円の売上高を記録し、米インテルを凌駕して世界の首位になった。クラウド用サーバーが急増、それに用いる半導体メモリーの需要が伸びたのが要因である。        2.米アマゾンの存在感はますます大きい。7月下旬にアマゾンの株式が高騰、時価総額が初めて5000億ドルを突破し、アップル、グーグル、マイクロソフトに次いで米国を代表する「ビッグ4」企業に名を連ねた。同社ベゾス最高経営者が一時、マイクロソフトのビルゲーツを抜いて世界一の長者になった。                                      3.スマホ経由でパソコンをネットに接続することをテザリングというが、テザリングを行っているとき、スマホはWi-Fi基地局として動作しているので通常より電気を消費する。うっかりしていると電気がなくなってしまうから注意が必要だ。                          4.定款を変更し、経営判断に共産党が深く関わることを容認する中国の上場企業が増えている。中国の憲法は「党が国家を指導する」と明記しているくらいだから驚くにことはないのだが、一般投資家が多い上場企業の経営方針を党が主導するのは如何なものか。     5.ソニー・ピクチャーズ・エンタテイメント(SPE)の印子会社がインドの人気競技クリケットのプロリーグIPLの現地放映権獲得に失敗したが、落札した契約額は今までの5倍に跳ね上がっていた。スポーツ番組の放映権は世界的に高騰が続いている。               6.シャープが世界の8k(現行の4Kの4倍の解像度を持つ)液晶テレビを今秋に発売すると発表した。シャープが液晶の絶頂期に堺工場建設に踏み切った決断の二の舞となることを心配する向きが多い。                                            7.国立科学博物館は科学技術の歴史上重要な足跡として保存するにふさわしい成果物を「未来技術遺産」として登録している。ブロードバンド時代を到来させる原動力となった光ファイバー通信が登録されていないなど、選定プロセスの見直しが必要ではないか。        8.アマゾンが参入した業界はいずれも大きな影響を受けている。小売業で世界最大手のウォルマートは実店舗を減らし、ネット販売売上高を全体の4割以上とする施策を打ち出している。最近では玩具販売大手のトイザラスが破産申請をして話題になった。          9.我々の次の世代はガソリンで動く自動車でなく電気自動車(EV)に乗るようになるかもしれない。英仏の動きに追随して中国政府も電気自動車を中心とする新エネルギー車に自動車産業の軸足を移す方針の検討に入った。メーカーもEVシフトを鮮明にしている。       10.東芝の半導体メモリー子会社「東芝メモリー」の売却先は二転三転し成り行きが注目されていたが、9月末、米ペインキャピタルを軸とする「日米韓連合」と売却契約を結んだと発表された。WDは売却差し止めの申請を行っており、その成り行きが問題である。        11.政策研究院という、名前からして厳めしい組織がある。同研究所は、最近わが国が世界で後れをとっていると指弾されているIT分野において、過去に大きな実績を持つNTT通信研究所が何らかの役割を果たして欲しいと期待している。                      12.日本の消費市場のネット取引は毎年増加しているもののまだ15兆円、6%弱である。米国の7%と大差はないが、中国の420兆円と比べると大変な差である。中国は前年に比して20%伸びて、世界EC市場全体の40%を占める。                        13.中国が国策として再生可能エネルギーの導入を積極的に進めている。発電1KWHあたりのCO2排出量を1990年時点の値(約900g)に比して約2/3(約600g)に削減させた。一方で日本はこの間に30%近く増え570gとなり、中国との差が少なくなった。        14.西葛西にロボットが接客する「変なホテル」が12月15日にオープンするという。恐竜の格好をしたロボットが受け付けて部屋に案内する。部屋には無料貸し出しのスマートホンがあり、自動クリーニング機も設備されている。                                15.「アラビア半島を横断し地中海とペルシャ湾を結ぶ鉄道網を作る」。こんな夢のような計画をイスラエルが提案するかもしれない、中国の習今平主席が13年に提唱した中国と欧州を結ぶ「一帯一路」構想にも括目させられる。                               16.一本のつながった路線の途中で直流から交流に変わるのは東北線の黒磯駅だけである。電流を交直入れ替えるのにパンタグラフを上げ下げしており、珍しい姿を写真に撮るため鉄道フアンが遠くから訪れていた。ところがその光景が近く見られなくなる。          17.アマゾンの猛威にさらされているのはウォルマートなど老舗小売会社だけではない。電機事業では名門中の名門、エジソンが1878年に創立したゼネラル・エレクトリックもアマゾンの影響で事業再編を迫られている。市場変化に対応できないためだ。              18.世界2万以上の学術誌をデータベースに持つ出版大手エルザビア(オランダ)に日経新聞社が協力し、引用される論文数からAI研究のレベルに点数をつけた。その結果は惨憺たるもので、NTTは508点で順位269位と低いレベルであった。                  19.通信用半導体で世界をリードする米クアルコムを買収するという、とんでもない話が持ち上がっている。買収を提案しているのは半導体プラットホームで圧倒的なパワーを発揮する米ブロードコムだ。クアルコム自身が買収に反対しており、今後も曲折があろう。       20.北朝鮮からミサイル攻撃される脅威が世界で話題になっているが、現実にはサイバー攻撃を受ける可能性の方が高く、ネットの世界で目に見えないから厄介である。北朝鮮は1700人のサイバー部隊が腕を磨いているというから怖い。                       21.アリババの陰で見落としがちだがネット企業の大物騰訊(テンセント)がある。世界で米国のワッツアップと競り合うチャットアプリは騰訊のウィーチャットで、利用者数は10億人近く、日本では有名なLINEも遠く及ばない。テンセントは時価総額5000億ドルを突破した。

 

 

 

 

 

 


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こぶし会第368回例会報告(平成29年10月16日)

2017年10月24日 | 例会報告

話題1.八幡太郎は恐ろしや ―「武家政治」を考える―        中尾昭二

「梁塵秘抄」という歌書がある。編者は後白河法皇(1126~1192)と言われており、十二世紀頃の世相を反映した今様(いまよう)歌の五百六十余首も残存している。その中でも”遊びをせんとや生まれけむ”で始まる「無心の子供の姿」を謡った歌などが、特に有名である。ところが同じ「巻第二」には、次のような生々しい歌も収録されている。                           鷲のすむ 深山(みやま)には      概(なべ)ての鳥は 棲むものか                同じき源氏と 申せども   八幡太郎は 恐ろしや                             八幡太郎は、周知のように源義家(1039~1106)の”通称”であり、清和天皇六世の孫である。平安時代の前半期(九~十世紀頃)、皇族から臣籍に降下して「源氏」を名乗った家系は多数あったが、おおむね公家らしい文化的な人々が多かった中に、清和源氏嫡系の八幡太郎は「武家の代表者」として突出していた。この今様歌を、”八幡太郎の勇猛ぶり”を民衆が称賛する歌ーーーーとする深読みの解釈がある。しかし、これは文字通り”八幡太郎の暴力行動”を民衆が恐れる歌-―――と解釈した方が、自然ではないだろうか。                   戦前の学校教科書には、八幡太郎を”文武兼ね備えた武士の鑑”として称賛する説話ばかりが記載されていた。しかし、この点こそ戦前の歴史教育が、いわゆる[武士道」を表面的に賛美するばかりで、その深層にある「暴力肯定の意識」を隠していたことを、端なくも証明するものである。(参考)「武家の棟梁の条件」(野口実・中公新書・1994)                     この[武家の暴力」は、遂には「公家による律令政治」を[武家による武家政治」に取り替えてしまった。その歴史的転換点は、源頼朝が鎌倉幕府を開き征夷大将軍となった建久三年(1192)である。しかし、”武士そのものの勃興”はそれより早く、平将門が関東で自立して[新皇」を自称したのは、天慶二年(939)である。                                   つまり、既に十世紀から「武家の暴力」が「公家の律令体制」を揺るがし始め、八幡太郎が活躍した十一世紀後半から十二世紀にかけては、「律令政治」を形骸化する「武家の暴力」の隆盛期であった。まさに”八幡太郎は恐ろしや”である。そして遂には「武家の暴力」によって奪取してしまった。そしてこれ以来、約七百年近くに及ぶ「長い武家政治時代」が続くのである。頼朝が鎌倉幕府を開いてから675年後、「武家の、武家による、武家のための政治」は、時の征夷大将軍・徳川慶喜による「朝廷への大政奉還」(1867)によって、終わりを告げたように見える。しかし、これと同時に鎖国から開国へと急旋回した日本国は、「富国強兵」による「大国主義への道」を進み始め、更に「世界の第一等国足らんとする野望」を「武力」によって実現しようとする方向を選んだ。                               明治から大正・昭和と時代が進むにつれて、世界的な軍備縮小動向に反発した軍人達が跳梁し始め、陸軍の参謀本部を中心とした軍人達の策謀による満州事変(1931)を経て、次第に日本を軍事国家へと変貌させて行く。そして遂に「二・二・六事件」という「青年将校によるクーデター」を契機として、「武力を職能とする軍人達」が国政を左右するようになった。「武家政治」は”先祖戻り”のように復活したのである。                         ひるがえって、昭和初期以来の「武家政治」を考えると、司馬遼太郎が「昭和前期の日本は軍部に支配されるというより占領されていた。」とまで極言しているように”武力という暴力”を思うがままに使って、日本を占領した粗暴な軍人達はその快感に酔い痴れたまま「明確な戦争終結への戦略」も持たずに”無謀な対米開戦”へと突っ走って行った。また被占領民となった国民大衆は、軍人達の”武力という暴力”に怯えつつ、軍人達が提唱した「不敗の神国日本」の掛け声に踊らされながら、太平洋戦争へと突進して行き、三百十万の犠牲者を出しながら、「敗戦という”地獄”」へと転落して行った。かくして、「昭和の武家政治」は滅びたのである。                                                このような過去から、我々日本人は何を学ぶべきか。我々日本人の深層心理に存在する「八幡太郎は恐ろしや」から脱却し、自立した「独立自尊の精神」を持って、”暴力”を断罪しなければならない。かくしてこそ、戦前のような「軍部の暴力」に隷従した「「奴隷的心情の歴史」に、終止符を打つことが出来るであろう。

話題2. 応仁の乱とその歴史的意義             松本哲男

 戦国の幕開けと知られる応仁の乱は、応仁元年(1467)に始まり、文明9年(1477)に終わる。原因も結果もいまひとつはっきりしない。だが後世に与えた影響は甚大である。東洋史家の内藤湖南は講演で「今日の日本を知る為に日本の歴史を研究するには、古代の歴史を研究する必要は殆どありませぬ。応仁の乱以後の歴史を知って居ったらそれで沢山です。」と言っている。内藤は、応仁の乱が旧体制を徹底的に破壊したからこそ新時代が切り開かれた、と考えるからである。また「足利時代は全く天才のいない時代であったから、応仁以後百年間というものは争乱の収まる時期がなく、戦乱が相続いて居った」という。それゆえ「最下級の者があらゆる古来の秩序を破壊する」下剋上が盛んになったのだと説く。   応仁・文明の大乱そのものは、文政2年(1467)1月17日、京都上御霊の森を戦場として、畠山義就と政長の間で開始された。この年は3月5日に応仁と改元されている。そして同年6月、細川勝元が将軍義政に山名宗全追討を強請するにおよび、細川方(東軍)と山名方(西軍)の合戦が、洛中で本格化する。東西両軍に加担する守護大名は、領国から軍勢を上洛させて参戦した。しかし戦いが長期化するにつれ、国人・土豪一揆が頻発し、彼らの領国経営もあやしくなってきた。乱は勝負のつかないまま、文明5年(1473)両軍主将の死去と、同年末、義政が九歳の義尚に将軍職を譲ったあとも続行され、同9年(1477)、畠山義就の河内下向で幕を下ろした。だが支配階級がかかえる矛盾は戦火となって全国に拡大、下克上の時代に突入して行ったのである。                                応仁の乱が歴史に与えた影響の、一つ目は、将軍権力の完全な失墜と幕府の有名無実化である。二つ目は、下克上の機運が大きくなったことである。三つ目は、村落の変化である。在地に根をおろし、着実な領主制を展開してきた国人領主や土豪層、が、在地支配をおろそかにしてきた守護大名に変わって力を蓄えてきたわけである。四つ目は、戦法の変化である。足軽の活躍である。足軽が戦いの第一線で活躍するようになって、その後の戦国時代の戦い方に大きな影響を与えた。最後の五つ目は、文化面である。前後11年におよぶ戦乱で、しかも京都は焼野原となった。公家たちは家を焼かれただけでなく、荘園からの年貢も入ってこなくなった。多くの公家は地方の有力守護大名を頼って行った。その結果、京の文化が地方へ拡散した。                                        「空前絶後の災害や飢饉、京を焦土とし、やがて全国に拡大していった戦乱。これまでの史観は、中世を暗黒の時代としてとらえられてきたが、この暗黒の時代こそ、真に日本の文化が確立した時代と考えている。能や狂言、茶や花、また連歌、庭など日本を代表する様々なものは、暗黒と下剋上の時代に始まった。(日本の歴史:澤田ふじ子より抜粋)」

 

 

 

 

 

 


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こぶし会第367回例会報告(平成29年7月24日)

2017年08月08日 | こぶし会のご紹介

話題1.IT関連の最近の話題        桑原守二

(1)毎年ハノーバで開かれるセビットに今年は日本企業が多数出展した。NTTもサッカー場の新しいVIP席を実現するシステムを展示し多くの観客を集めた。                     (2)天才企業家イーロン・マスクが「環境破壊で人類が滅亡することを防ぐ」という夢に向けて設立したベンチャー企業「テラスモーターズ」と「スペースX」が最近話題を呼んでいる。テスラが12年の発売した「モデルS」は現在世界で最も売れている電気自動車である。          (3)24年から固定電話がIP電話に切り替わる。遠くに電話をかけるほど料金が高くなるというのは電話料金の常識であった。この常識が2024年からは通用しなくなる。全国規模で移行するのは、先進国の中で日本が最初らしい。                                  (4)近頃は放送された映像や音楽を視聴したり、CDなどの記録媒体に入っているコンテンツを再生するよりも、インターネットを通して送られてくるデータから逐次再生(これをストリーミングという)して楽しむ利用者が多くなった。                                     (5)他人のパスワードを盗んで無線LANを使っても無罪という判決はおかしい。他人の家のコンセントを使用して電気を使う「盗電」と同じで、窃盗罪ではなかろうか。                (6)天才将棋士と評判の高い藤井総太四段がテレビや新聞で騒がれている。藤井少年は史上最年少でプロ入りを果たした。デビュー後の公式戦で29連勝を達成、記録を30年ぶりに更新した。日経は「AIの申し子が偉業」と書き立てた。                             (7)中国でスマホを使った電子決済が拡がっている。 今ではスマホ決済が出来ない店を探すのが難しいほどである。対するに日本は現金王国だ。ドコモのお財布ケータイで電子化の世界最先端を切ったのは情けない姿だ。                                      (8)マイナンバー カードがあれば区役所に行かなくてもコンビニで住民票や印鑑証明を取得でき、料金も区役所だと300円なのだが200円で済む。しかし印鑑登録は区役所まで本人が行かないと、代理人が登録する手続きは大変面倒である。                        (9)日立製作所が大型コンピューターのハードウエア開発から撤退する。米IBMも経営に苦しんでいるようだ。対照的なのがクラウドサービスの普及で、世界最大のクラウド事業を手掛ける米アマゾンの17年3月期営業利益は約1000億円と過去最高を記録した。      (10)台湾のTSMCが好調な業績を続けている。回路幅10ナノメートルの製品を量産しており、米アップルは年内に発売するスマートフォン向けの発注をTSMCに決めたという。現在TSMCは回路線幅7ナノメートルの製品の量産体制を進めているようだ。           (11)スマートグリッドから始まりスマートなものが次々と出てきたが、今度はスマートスピーカーが登場した。人工知能と連動し、情報を検索したり音楽を再生したりする。音声認識の進歩がミソで”スマホの次”のネットサービスの入り口になるという。                 (12)1914年の有機ELパネル市場規模は液晶パネルの4割以下であったが、急速に増加しており、18年には逆転しそうだ。JDIの最大顧客アップルも!(年以降は有機ELパネルを採用するという。しかしJDIが安定して量産するにはまだ時間がかかりそうだ。       (13)総務省はITU[国際電気通信連合)が災害時の緊急通信システム用として日本が開発した移動式通信装置を導入すると発表した。ITUは世界各国で災害が生じた際に衛星通信回線の提供を行っているが、移動式通信装置に注目したようだ。                 (14)準天頂衛星が活躍する場面をようやく見ることができそうだ。日本政策投資銀行など5社が準天頂衛星を使った高精度の位置情報サービスを手掛ける新会社が実現する。     (15)新しい移動通信方式5Gが新聞などの話題になっている。5Gha4Gの100倍の速度を実現する。データの遅延時間も0.001秒と短い。これよりIOTや自動運転への活用が開ける。

話題2.人工知能(Artificial Intelligence)について       飯田徳雄

1.まえがき                                                    人の仕事の約半数は人口知能(AI)などに取って代わる等の事が言われる時代となった。囲碁の世界では、2015年3月6日に韓国棋院所属のプロ囲碁士のイ・セドル氏がGoogle傘下のGoogle Deep Mind社が開発したAlpha Goと対戦して負けるという報道があった。AIは産業の競争力に繋がることからわが国も理化学研究所に富士通、日電、東芝の協力を得て組織を立ちあげたようである。しかしながら、国際的な競争力というか国際学会での論文発表数でみてみると、米国の1281、中国の413に対して日本は、僅か75であり、出遅れの感があり、これから産業界の競争力の維持が懸念されてる。  

2.人工知能の発展形態                                         人工知能(AI)  とは、その名のとおり人間の有している知性・知能を人工的に実現する技術である。現在のところ人間の知能と同等の仕組みを実現することで次のような形で進展してきている。 レベル1.単純な制御プログラム。単なる制御。温度が上がるとスイッチを入れ、下がると切るといったもの。  レベル2.対応パターンが  非常に多いもの。探索や推論の類い。将棋のプログラムや掃除のロボット、質問に答える人工知能など。レベル3.対応パターン自動的に学習するもの。機械学習を取り入れたもの。検索エンジンやビックデータの分析で活用される。レベル4.対応パターンの学習に使う特徴量も自力で獲得するもの。特徴量の設計もできるもの。知識や思考に必要特徴量を自ら抽出するディープラーニング(深層学習)等の技術が該当。

現在、中心的な役割をはたしているのが、レベル4のディープラーニング(深層学習)である。画像認識や音声認識の性能が格段に向上してきている。画像認識では2015年、標準的なデータセットにおいて人間の認識制度5,1%を上回る5%のところまできている。音声認識では国際的なコンテストでは人間と同等であるとされている。

3.AI技術のビジネスなどへの活用の例                              

3,1コールセンターのオペレーター支援 一人前のオペレーターに育成するまでに相応の時間にかかるにも関わらずクレーム対応等のストレスから離職率が高いことがあって、慢性的 に人材不足となっている。これを解消するためにAI技術の導入が始まっている。コンピューター は顧客とオペレーターの通話内容を聞いて瞬時に状況を理解し、知識ベースと合、トラブルの原因を予測し、次の確認すべき質問事項や最適なアドバイスをオペレーターのパソコン画面にリスト表示します。解決策が複数ある場合は、ランキング・スコアの高い順に表示し、オペレーターはそれを参考にしながら顧客のトラブル解消のために対応する。

3.2オンラインショッピング  会話によってユーザーの要望を聞き、それに沿って適切な商品をリコメンド・エンジンと連携して、客の要望に対して良品の商品の提案を行う。

3.3 案内掛(コンシェルジュ) Aiコンシェルジュの開発が急速に進められていて、ホテルではロボットがコンシェルジュとして待機しているところもある。

3.4 フィンテック(Fin Tech)  金融(Finance)と技術(Technology)の造語であり、近年注目度が急上昇している。FInTech の範囲は広く、より有利な条件で借り入れを可能とするサービスもあれば、人工知能を用いて格安な手数料で資産運用するロボットアドバイザー等の分野がある。2016年5月みずほ銀行は東京八重洲口にある鉄鋼ビル に新支店をオープンした。大和証券と大和総研は本年5月9日にAIが予測した株価上昇銘柄を個人投資家に提供するサービスを始めると発表した。

3.5 医療  ①東京大学医科学研究所の例  2016年日本の医療で画期的な出来事があった。東京医科学研究所とIBMによる臨床研究において、Wtosonが提案した治療薬に基づいて医師が診断した治療方法を変更した結果、劇的な効果を上げ患者の命を救ったというものです。人手による解析方法では、治療薬を確定するまで、少なくとも2週間程度はかかるのに対しWatosonは実に10分でできたとのことである。 ②産業技術研究所の例 産業技術研究所はガンがあるかどうかを検査画面から高い精度で見分ける人工知能を開発した。正常な組織や細胞の画像データをAIに学習させる。AIは検査画像全体を解析して「正常でない」と判定した部分を「異常」と見做して検出する。乳がんを調べる超音波画像では、医師ががんを疑う病変の85%以上を判定できた。

3.6 囲碁の世界のAI 人工知能と人間の頭脳の対決ということで世界的に注目を集めた囲碁対決が行われた。対局したのはGoogie傘下のGoogle Deep Mind社が開発したAIシステムAlpha Goとプロ棋士のイ・せルド氏である。イ氏は韓国棋院所属の九段で、国際棋戦での優勝回数10数回 実績をもつ最強の棋士である。世界大会でも2回優勝している。全5戦の結果、AlphaGoの4勝1敗となったのである。2017年5月グーグルが中国政府などの協力を得て開いた「囲碁サミット」では中国ランキング1位世界最強棋士の柯九段と3番勝負をしてAIが3連勝した。この結果を受けて、グーグルは囲碁のAIの開発を打ち切ることにしたと発表した。

3.7 AI兵器 AIを搭載することで、自ら攻撃目標を発見し殺傷する「キラーロボット」が誕生する日が近づいて きている。火薬、核兵器、に次ぐ戦争の「第3の革命」を巻き起こす危険がある。すでに、AIを搭載したロボットは軍事利用されている。韓国は北朝鮮との軍事境界線にロボットを配している。相手の熱や動きを感知し目標をとらえ、人間の指示に基づき機関銃などで攻撃する能力がある。イスラエルでは、自ら目標を捜索し、攻撃できる無人機「ハロップ」ヲ開発した。米国は潜水艦の探知、追跡を行う「シーハンター」無人戦闘機を開発している。英国は標的を自動追尾するミサイル「プリムストーン」を搭載した軍用機を開発している。

7.あとがき 19世紀の機会は動力源として、人間の体力と競ってきたが、今日のマシンは人間の脳と競っているような状態になってきている。例えば、ロボットは脳と体力の両方を備えている。我々人間は、自ら生み出したものに、完全に打ちのめされているのではないか、という危機に直面していると、危惧する人が出てきている。                                                                                                                 

                                                        

                                                                                                                                                                                                                                                                                                                         

 

 

 

 

 

 

 

                           


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