脳死移植推進派8割超!? 7月1日

読売新聞に、意外な記事を発見した。「臓器移植をもっと行えるようにすべき」という「脳死移植推進派」が、8割に達したというのだ。うっそお!?臓器移植法の改正を求める河野太郎氏の画策か??と、一瞬、疑念が頭をよぎる。

調査方法は、6月11日・12日の両日、面接方式で行ったとしか記述がない。いったい、どういう人を対象に何人に聞き取り調査をしたのだろうか。さっぱりわからない。なんだか怪しい話だ。

臓器移植しか助かる見込みのない患者のことを思うと、日本小児科学会が提案している臓器を提供するドナーの年齢を、現行の15歳から子どもの権利条約にある意思表明権にあわせて12歳に引き下げるという案は、現段階での極めて妥当な選択だと私も思う。しかし、生前の本人の同意もなく、「脳死状態になったら、即、臓器移植」という考えは、人の死をあまりにも安易に捉えすぎている。本人あるいは家族の同意もなしに、脳死を「人の死」と決め付け臓器を摘出することは、医師が家族に対して、患者の死を強要しているようなものだ。

医学が進歩すればするほど、脳死は人の死からは遠ざかるはずだ。それを、単なる個人的な経験と感情から、「すべての脳死者から臓器を摘出できるようにしよう」とする河野太郎氏の考えは、レシピエントの側にしか立たない、偏狭で明らかに人権を無視したものだ。

読売新聞の調査対象の人たちは、脳死を正しく理解した上で回答したのだろうか。本人や家族の同意もなく医師が脳死を人の死と宣告し、半ば強制的に臓器提供を家族に迫る体制を、8割を超える人々が受け入れるなんて、私にはとても信じられない。世論をミスリードしないために、読売新聞は詳細な調査方法を明らかにすべきだ。
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