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日比関係強化へ!フィリピンドゥテルテ大統領来日、経済防衛協力強化へ安倍総理と首脳会談

2016-10-25 23:15:22 | 国際・政治
■日比首脳会談明日開催
 フィリピンのドゥテルテ大統領、日本へ初来日しました。ドゥテルテ大統領は安倍総理と日比関係の強化について安全保障協力等を中心に会談する事となっています。

 ドゥテルテ大統領、発言が大きく転換しており、外交戦略が見えてきません、大統領選では中国に不法占拠されたミスチーフ環礁武力奪還を示しましたが、その後は中国との協力重視を発言、麻薬取締を背景にアメリカとの関係が悪化すると米比関係の撤廃を主張しその後撤回しましたが更に一転し中ロとの軍事協力強化、中国の経済援助で韓国から大量の武器調達の方針を示すなど。

 米比関係の悪化、行き過ぎた麻薬戦争での処刑と人道問題に関してアメリカからの懸念に対し、内政干渉であるとして繰り返しうち汚い罵詈雑言と人格否定や差別用語を並べ、アメリカとの関係を断つ方針を示していましたが、一転してアメリカとの軍事同盟維持の指針を示しました。大きな豹変といわざるをえませんが、これは中国との緊張関係や、実質長期的にフィリピンを支援する同盟国はアメリカしかいない、という現実に漸く目を向けた結果なのでしょうか。

 アメリカとの関係を決別する、フィリピンのトランプ大統領と呼ばれたドゥテルテ大統領が中国を訪問中に述べた発言は、外交的衝撃を以て世界へ影響を及ぼしました。対米姿勢を二転三転させている事からフィリピンの外交姿勢が非常に不明確となりつつあります、麻薬戦争での人権問題を契機としてアメリカ政府とフィリピン大統領の関係が急速に冷却化、アメリカ政府とフィリピン大統領の関係悪化という背景があります。

 フィリピン政府が対米重視を強調している為、大統領と政府の方針に矛盾が生じ、外交の責任者が誰なのかわからない状況となっているためで、今回新たに中国との関係を重視し、南シナ海での中国との対立により急速な軍事力強化を求められるフィリピンは、対抗する中国から軍事援助を受け、中国の軍事圧力に対抗する訳のわからない状況となりつつあります、ドゥテルテ大統領は先日アメリカとの関係材膳を宣言したばかりの事でした。

 ドゥテルテ大統領はフィリピン帰国後、米国との関係絶たないと釈明、中国との歴史的首脳会談を終えて共同声明にアメリカとの決別を宣言した翌朝にアメリカとの関係を断つつもりはない、としました。いったい何を言いたいのか、本国へ戻った瞬間に断絶という話は言葉のあや、と言いまして、これでは一貫性ある政策を推進できません。最悪の場合は、外交文書を首脳会談の際に締結し、その御帰国後に反故にする、として国際関係を維持できなくなり、無用な経済制裁や報復関税と軍事圧力を受け孤立化が進む、という事でしょう。

 フィリピン大統領のは右舷には、南シナ海問題に関する国際仲裁裁判所勧告的意見に基づくミスチーフ環礁不法占拠問題を一時棚上げする発言が含まれました。南シナ海の要衝フィリピンの発言は、さっそく中国の軍事行動を構成に強める影響を及ぼしました。中国国防省は米国の南シナ海への艦船派遣に抗議し、自国独特の解釈の下での中国国際法秩序を広げる姿勢に転じました。不法占拠し人工島を建設した上でその周辺海域を領有宣言している周辺海域においての第三国艦船航行に対し違法性を主張しました。

 これはアメリカの航行の自由作戦に対し主張されている中国独自の国際法解釈に基づくもので、国際仲裁裁判による違法性の指摘を完全に無視し、南シナ海全域を領有化する試みの一環ですが、今後アメリカが大統領選を経てどのようにこの地域への関与を転換させるのか。一方でフィリピン政府は中国と南シナ海問題における多国間交渉の方針を放棄し中国フィリピンの二国間での解決を提案、その上でフィリピン政府は日本へこの問題に関する関与を要請してきました、今一つ不可解な要請ですが、この背景など、日比首脳会談により具体的な方向性が見えるのでしょう、大きな関心事です。

北大路機関:はるな くらま
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1 コメント

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Unknown (ゆき)
2016-10-25 23:35:41
フィリピンがどう防衛協力を期待しても日本には憲法の問題があり、日本の軍事力をそのままフィリピンとの防衛協力につかえるわけではないことを理解してアメリカとの関係を再認識してほしいですな

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