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【G3X撮影速報】令和6年第1空挺団降下訓練始め【4】空挺部隊の訓練展示(2024-01-07)

2024-04-14 20:24:24 | 陸海空自衛隊関連行事詳報
■第1空挺団降下訓練始め
 第1空挺団降下訓練始めと銘打っている故に降下訓練だけであると誤解される方も若干いるようですが訓練展示が展開されている。

 第1ヘリコプター団のCH-47JA輸送ヘリコプター、先日遂にD型相当のJA型からG型相当の新型に政府がCH-47の世代交代を発表しますと、もともとG型はドイツ軍や韓国軍の導入などから高価と分かっていたのですが、JA型の4倍まで値段が飛んだ。

 CH-47は川崎重工でライセンス生産を行い、国内部品供給網で自己完結していたことから人件費高騰や資材高騰の影響を最小限としていて、それでいて55名を1000㎞先まで輸送できるという強みがあったのですが、新型として今まで通り調達できるのか、と。

 AH-1S対戦車ヘリコプターが第一線でUH-1J多用途ヘリコプターの機銃支援とともに戦線を支える中、CH-47から空挺隊員が続々と展開して、89式小銃を片手に第一線へと向かいます。先行して実施された空挺降下はヘリボーンの膠着地域を確保した構図で。

 120mmRT重迫撃砲を空輸するCH-47輸送ヘリコプターの編隊、空挺特科大隊の装備です。重迫撃砲、とはいうもののこの装備を開発したフランス軍では砲兵隊にも装備されるなど火砲としての位置づけがある、軽砲は迫撃砲を制圧する装備ですが、これは違う。

 高機動車も120mmRT重迫撃砲をけん引する場合は牽引車として迫撃砲の装備扱いとなります。ただ、高機動車はある程度エンジンなど改良はされていますが基本設計は1992年に部隊使用認可を受けた際の装備で、汎用車としては優れているが歩兵機動車では。

 アメリカの、とあまり日本以外の国を参考とすべきではないのかもしれませんが歩兵機動車両はJLTVなどヘリコプターでの空輸は基本的に不可能だが装甲防御力の高い装備が普及し始めていまして、輸送防護車のような装備を国産開発する時代なのかもしれぬ。

 ヘリボーン展開した空挺団増援部隊が進発地点に集結しました。空挺隊員が厳しい体力練成を続けるのは、見ての通り、輸送機とヘリコプターの機動力に対して降着した後は軽歩兵となるために独力で装備を運搬し、手元の装備だけで独立戦闘を展開するため。

 空挺特科大隊が輸送された120mmRT重迫撃砲へ駆け寄る。軽量故に迅速な陣地変換が可能という装備です。この種の装備にはアメリカとイギリスが開発したM-777超軽量榴弾砲がありますが、軽量に全てを賭けたために陣地変換が難しく実戦での評判は。

 AH-1S対戦車ヘリコプターがその間も前線を支える。自衛隊では消えゆく装備なのですが、空挺にしても空中機動にしても、まさか陸上自衛隊にA-10サンダーボルトやF/A-18E/Fスーパーホーネットを配備するつもりはないのでしょうから、支援をどうするのか。

 無人機があれば云々、という反論を聞くのですが空挺作戦は攻勢作戦、空中打撃力を補えるような無人機というと、それはMQ-9リーパーを100機単位で揃えるとか、師団旅団飛行隊にMQ-8ファイアスカウトを揃えるくらいしなければ、充分ではありません。

 携帯地対空ミサイルに無力、というのは匍匐飛行をしないために狙われたロシア軍の事例ですし、航空優勢不利な状況ではヘリコプターは一旦降りてしまうという選択肢がある、だから野整備隊を伴って前線飛行場を構成するのだ。この点忘れられていないか。

 防衛力抜本強化、として防衛費が増やされる一方、90式戦車やFH-70榴弾砲にMLRSなど、どう考えても使えそうな装備が今年も廃棄されていて、それで予算不足だという。これでは10兆円20兆円あっても足りなくなるぞ、とこう危惧してしまうのですよね。

北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ
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