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北大路機関

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10式戦車、富士教導団戦車教導隊へ納入開始、富士駐屯地で入魂式

2012-01-10 23:17:21 | 先端軍事テクノロジー

◆国産最新鋭戦車の量産車納入

時事通信などの報道によれば10式戦車の量産型の配備が開始されたとのことです。

Img_5716本日1月10日、静岡県小山町陸上自衛隊駐屯地において量産一号車の納車式が行われ部隊マークの入魂式が行われた、とのことです。小山町の陸上自衛隊駐屯地といいますと富士駐屯地の富士教導団でしょうか、第一機甲教育隊が駐屯するのは駒門駐屯地、こちらは静岡県御殿場市ですから、富士駐屯地ということなのでしょうね。

Img_4330 富士教導弾への配備と同時期に第一機甲教育隊への配備が行われる、と考えていましたので、部隊マークの入魂式の実施が先に行われたのは、ある意味当然ではあるのですが駒門駐屯地への配備も間もなくなのだろうか、と考えたりします。なんとなれ自衛隊の最新鋭戦車、世界では西側初の40t台に重量を抑えた第三世代戦車です。

Img_5480 富士教導団戦車教導隊は、富士学校に所属し陸上自衛隊の機甲科部隊に関する新装備運用試験、そして戦術研究と幹部教育を司る機関で、おそらく戦車教導隊を構成する中隊の中でも74式戦車を以て編成されている中隊が10式戦車機関の編成に置き換わるのでしょう、新年度の富士学校祭には相応の数が出てくるやもしれません。他方でるよう三型は試作車両から改良された点もあるとのこと。


Img_4368
従来の90式戦車と比較した場合、防御力と機動力を増強させ、主砲の火力を強化したうえで更に軽量化し、日本本土での任務に備える、という設計要求はある種無理を押し付けたもの、と考えられたのですが、10式戦車は90式戦車よりも性能を向上させたうえでの軽量化に成功しています。こうしたうえで今までの一般公開では特に加速力と安定性が驚かされたものですが、量産車は試作車の問題点を反映しているとのことですから、どう強化されたか、興味は尽きません。

Img_542210式戦車が上記の難題を乗り越えることが出来た背景として、アクティヴサスペンションの採用による軽量車体での高威力火砲の搭載と、新型戦車砲に新型砲弾の開発、そして新型トランスミッションによる機動力確保や装甲素材の技術革新がこの難題を可能としました。

Img_5504 日本は戦後、61式戦車以来、74式戦車、90式戦車と戦車の世代が変わると共にこれに対応する国産戦車を開発してきましたが、90式戦車が属する第三世代戦車が防御力強化の飽くなき追求によりその重量は年々追加防御力により肥大化し、特に日本をはじめ地形に制限のある地域では運用に制限が加わるに至りました。特に山間部の道路では重量の大きな戦車では、どうしても不安が残ってしまうのでしょう。

Img_5465 こうして開発された新型戦車が、旧式化する74式戦車を置き換えることとなるのですが、限られた少数の部隊により国土を防衛するという陸上自衛隊の任務特性から戦車は是が非でも数を揃えなければなりません、この点で今後の進展を期待するところです。一方で四月の駒門駐屯地祭に第一機甲教育隊への配備が行われるか、というところにも関心が集まるのですが、ね。

北大路機関:はるな

(本ブログに掲載された本文及び写真は北大路機関の著作物であり、無断転載は厳に禁じる)

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こんにちは。 (ウルトラマン)
2012-01-11 09:45:37
こんにちは。

可及的速やかに74式戦車と交替してもらいたいですね。少なくても年50台程度のペースじゃないと100台生産するのに20年なんてことがまかり通る事態になりかねません。
返信する
約半世紀(或いは其れ以上)振りの完全国産機材 (専ら読む側)
2012-01-11 19:15:06
約半世紀(或いは其れ以上)振りの完全国産機材
配備、空の無様振りとは余りに対照的な晴れ舞台
に見とれるばかり
余談乍ら本車の相方は車輪を切られ、車軸を折ら
るれば座して死を待つの道しか残されぬひ弱な
「野戦スポーツカー」などであってはならぬとも痛感

返信する
ご無沙汰しております。 (ブラック・タロン)
2012-01-12 10:55:29
ご無沙汰しております。
先日公開された10式戦車量産車は、試作車と同じく富士学校本校機甲科部の所属になっているようです。本校で所定の試験等を行ってから富士教導団へ配備という流れになるのかな?
また、戦車教導隊自体も10式戦車の配備と前後して本年度末に改編(第5中隊を廃止して第3中隊を90式戦車化)との情報もあります。

量産車の試作車との差異は、時事通信社のサイトに載っている写真特集でいくつか取り上げられてますね。砲口照合装置の位置変更やモジュラー装甲部分にアクセスパネルみたいな扉が追加など傍目にもわかる変更も・・・
今年以降の富士学校祭や総火演で量産車が登場する可能性が高いので、チャンスと休みが合えば行ってみたいですね。
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ウルトラマン 様 こんにちは (はるな)
2012-01-13 12:46:08
ウルトラマン 様 こんにちは

74式、一応全車用途廃止は、生産年数から平成29年度ということになっているのですが、このままでは、どうなることか。

74式も用途は広いのですがね、そもそも戦車定数が少なすぎる、とも考えていますので、ロシア軍がT-62を歩兵支援用に残しているような、運用もあっていいのかな、とも。
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専ら読む側 様 どうもです (はるな)
2012-01-13 12:49:28
専ら読む側 様 どうもです

相方、近接戦闘車もなかなか出てきませんし、装軌式でないと、戦車定数が削減される中、運用も先鋭化して予備的な扱いになりますから、89FVの運用思想を後継する車両が必要でしょうね。

下手をすれば連隊戦闘団を編成した場合でも戦車部隊は中隊一個から一個小隊へなりかねない勢い、戦車との協同を全ての装甲車に求めては機動打撃の機会を逸してしまうのですから、普及させる装甲車と機動打撃用の装甲戦闘車は別物でなければなりません。
返信する
ブラック・タロン 様 どうもです (はるな)
2012-01-13 12:52:38
ブラック・タロン 様 どうもです

戦車教導隊縮小の話は佐藤代議士が述べられていましたね。・・・、つか教導隊ではなく機甲科部の所属でしたか、情報ありがとうございます。

時事通信の記事が大元でしたが、写真や映像をしっかり確認していませんでした、なるほど。

富士駐屯地祭も期待していますが、四月の駒角駐屯地祭、観閲行進には出てくるのか、というところが気になったりします。
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はるな様 (専ら読む側)
2012-01-13 22:01:56
はるな様
>相方、近接戦闘車もなかなか出てきませんし
数年前の鳴り物入り振りが嘘の様な沈滞こそ
「野戦スポーツカー(仏蘭西で既出)」への危惧
を示すものと邪推(矢張り恐くなったか当然也)
>運用も先鋭化して予備的な扱いに
財政飢餓に狂乱し国防を刻んで喰った大西洋の
某島国が既に罹患せる末期症状、同盟相手国
?の機甲切り捨て宣言をも前に、予防策は全て
打つ可しと痛感
返信する
専ら読む側 様 どうもです (はるな)
2012-01-16 12:47:20
専ら読む側 様 どうもです

近接戦闘車、89FVの装輪型を目指しているのでしょうが、・・・、いや、もうほんとCV-90でもウランでもいいので、師団普通科連隊に一個中隊は必要なんですけれどもね。

野戦スポーツカー、ですが、しかしC-2輸送機で同時に一個中隊基幹の戦闘団でも近接戦闘車中隊と機動戦闘車の小隊と火力戦闘車の戦砲隊を展開できたらば、かなりの能力を発揮できるのでしょうが、しかし、空自は自前の輸送で手一杯に近いですから、どうにかならないようにも。
返信する
 事業仕分けで、軍服をユニクロみたいにシナで縫... (久我山のチ那ッピー)
2012-01-21 13:14:26
 事業仕分けで、軍服をユニクロみたいにシナで縫製したら安いなんて、どこぞの小売チェーンのバイヤーみたいなことを言うなら。
 金額のはるもので、コストダウンです。韓国なんて、戦車、練習機、潜水艦まで輸出している。
 戦車までは無理にしても、輸出できるものは、緩和しないと量産効果でないよな。
 戦車は特殊性があるな、片山さつき先生はかつて
戦車の配備数を削減したのが、主計官時代の手柄だそうです。
 救難飛行艇US2をそのまま輸出してほしいです。
消防放水飛行艇に改造なんてのは、後でいい。
 大分の演習場に北海道から戦車を、燃料高騰で営業運航していないナッチャンワールドという高速フェリーをチャーターして、苫小牧港から載せるために
国道を夜走行するのに、自治労北海道が抗議行動

 自治労北海道暇だよな。

 
返信する
久我山のチ那ッピー 様 (はるな)
2012-01-22 11:44:52
久我山のチ那ッピー 様

防衛装備品の輸出ですが、自衛隊の車両は日本の道路交通法で車幅と排気量に規制がありますので、これが輸出に影響するのではないか、と。もう一つ、あまり外需に頼るのは逆に危険なのではないか、とも。

US-2ですが、ううむ、飛行隊規模で整備する需要は、あれ、どの程度あるのでしょうかね。ユニットコストが1億2000万ドル、初度調達品で一機2億ドル程度、新明和工業の生産能力は年間一機を念頭に、年間二機の生産は難しいようで、海外から城があるならば工場拡張が必要となります、しかし、それには継続的生産の需要が必要ですので、そこまで必要としている国ってあるのでしょうかね。
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