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第3次安倍第3次改造内閣発足と初閣議,防衛大臣に小野寺五典氏/外務大臣に河野太郎氏着任

2017-08-03 22:25:51 | 国際・政治
■外務・防衛大臣に防衛上の重責
 第3次安倍第3次改造内閣が今夕、発足しました。外交防衛上の重大問題が並ぶ中の内閣改造です。

 第3次安倍第3次改造内閣は副総理兼財務大臣に麻生太郎氏留任、総務大臣に野田聖子氏で女性活躍担当大臣も兼務、防衛大臣に小野寺五典氏、官房長官に菅義偉氏が留任、外務大臣に河野太郎氏、国土交通大臣に公明党石井啓一氏が留任、法務大臣に上川陽子氏、文部科学大臣に林芳正氏、厚生労働大臣に加藤勝信氏、農林水産大臣に齋藤健氏、経済産業大臣に世耕弘成氏が留任、と。

 環境大臣に中川雅治氏、復興大臣に吉野正芳氏が留任、国家公安委員長兼防災担当大臣に小此木八郎氏、沖縄北方担当大臣兼消費者担当大臣に江崎鉄磨氏、一億総活躍担当大臣に松山政司氏、経済再生担当大臣に茂木敏充氏、地方創生担当大臣兼行政改革担当大臣に梶山弘志氏、オリンピック・パラリンピック担当大臣に鈴木俊一氏、陣容は留任に再任と初入閣併せ以上の通り。

 防衛大臣に小野寺五典氏が再任されましたが、小野寺大臣には南スーダン日報問題により生じた防衛省自衛隊と政府国民との関係の再構築という重責があります。平和憲法の下、軍事力ではない実力という位置づけでの防衛省自衛隊という曖昧な立場の下、国連の集団安全保障任務への参加を行った我が国ですが、憲法明文程国際情勢は簡単ではありません。

 防衛という重責に対し、特に現在我が国は国際平和維持活動への参加を全面的に停止させていますが、日本という国家のポテンシャルを海外に示し、平和国家としての立場と国際安全保障への責任という姿勢を示すうえで、特にアフリカ地域での行動の終了は必ずしも最適解とは言い切れません、憲法という根本と難しい関係を強いられますが責任重大です。

 北朝鮮弾道ミサイル脅威、中国海洋進出と沖縄県への軍事圧力、防衛大臣としては南スーダン日報問題が世論への大きな影響力を持ちつつ、しかし展開次第では国民生命財産に直接脅威を及ぼすのは本土ミサイル攻撃と中国軍沖縄侵攻の懸念です。財政難下の限られた防衛予算にて過去の予算不足による装備の更新と必要な新装備調達、自衛隊は統合機動防衛力整備へ転換しており着実な防衛力整備が求められる。

 外務大臣に河野太郎氏、4年以上にわたる岸田外務大臣に代わり、日本の外交という重責を担います。しかし、北朝鮮問題、南西諸島日中問題、更に米ロ関係の緊張波及、フィリピン安全保障問題への協力、イギリスEU離脱問題に揺れる欧州各国との関係強化、中東地域の緊張、日韓慰安婦問題対日再交渉要求、こう列挙しただけでも諸問題は山積しており、外交に猶予はありません。

 前任の岸田外務大臣は今月1日、沖縄県の東シナ海のガス田開発をめぐって中国側が新たに移動式の掘削船を停船させて、何らかの作業を行っていることを確認したとして抗議しました。この海域では2008年に日中政府が一方的開発を行わない合意を行いましたが、中国側は現段階、沖縄と中国の日中排他的経済水域境界線中国側に限定し開発を進めている。

 岸田大臣は、極めて遺憾であり外交ルートを通じて直ちに抗議を行った、としています。朝鮮半島の緊張と共に忘れられがちですが、我が国安全保障上の脅威は二方面作戦を同時並行で求められています。朝鮮半島の核開発問題では中国の外交協力が不可欠ですが、その協力と並行し、我が国領域と資源への不当な圧力が加えられる事があってはなりません。

 第3次安倍第3次改造内閣は安倍総理自身が原点回帰を示し、内閣改造後の初閣議を既に終えました。安倍総理は国民不信への陳謝を掲げています。しかし、内政問題のミクロ視点のマクロ解釈という命題への対応は最低限の解決すべき命題であり、政権基盤を盤石なものとした上で、山積する外交上の問題と防衛上の脅威への施策を期待したいところです。

北大路機関:はるな くらま
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