再び、快楽の館へ、こんどは時間を変えて、夕方、日が沈んだあと、
暗闇のなかに浮かぶ妖しげな美しさを見たくて、、
例えば
あるいは、、
美術館のある場所の雰囲気との相乗効果で、
この場所は、まさしく快楽の館です。
中に入って、駆けつけたのは、この世で一番美しい存在を切り取った写真。
この写真をはじめとする、鍛えられた女性の身体の美しさにうっとりと、
女性の美しさはデコルテのそれで決まると考えを強くしました。
でも、もう一度、壇蜜さんの写真を見てみると、別の発見がありました。
鍛えられた美しさもありません、
他のモデルさんに比べると、年齢の分だけ、若さゆえの美しさも。
細身の身体からか、いわゆる古典的な女性の美しさもありません。
酷な言い方をすれば、貧疎とか、貧弱さを感じてしまいます。
でも、彼女が被写体になった作品が一番多い、
なかには、ちょっと可哀相に思えてしまいような写真まであります。
でも、この写真、あと他にもあるのですが、
彼女の背中、肩甲骨のあたりから、曲線が、なんとも不思議なエロスを感じるのです。
他のモデルさんの写真と比べて、肉体そのものの美しさが際立ちません
でも、作品の中で、エロスというか、快楽に一番近いのは、彼女なのです。
写真の彼女は、自らの長い髪で、乳首を隠しています。
最初に見た時は、それが不思議でした。
でも、再見してみて、彼女の持つ美しさは、隠すこと。 裸なのだけど、裸ではない。
そのことで、強くエロスを発する存在になることに、篠山紀信は目を着け、
この快楽の館の中心に据えたと思うのです。
前回感じた、人の身体の最高の美しさは勿論ですが、
見劣りする身体にも関わらず、不思議な妖しさを放つ壇蜜のオーラ。
それが、快楽の館の一番の見どころなのです。