妄想を少しと、好きな物、好きな事を備忘録のように、

好きなもの、好きなこと、
思いついたまま綴っています。

好きの範囲は人それぞれ、お注意下さい。

まさしく、VIVID

2016年05月15日 | QOL

入場してすぐ、一枚の絵が置かれています。

阿波は、鳴門の渦潮を描いた作品、その藍の鮮やかさに圧倒されます。

今までにも少なくない作品を見て来たのですが、

同じものでもまったく別のモノ、初刷りの広重を集めたのが、

ビビッドなんて不思議タイトルを付けたものだと、訝っていたのですが、

たった一枚の作品をみて、これ以外のタイトルが似つかわしくないように思えるのです。

そのくらい、展示されているすべての浮世絵が生き生きとしています。

ぼかしや、かすり、細かく描かれた木々の枝、繊細な縁取り

水面の一部になっている版木の年輪までも、鮮やかです。

これが、広重が意図した作品なのかと、印象を新たにします。

 

版を重ねる事に、線がうすれる、数多く摺られることで、色がぼける、

人気絵師の作品の宿命です。

でも、ここに並べられている作品の数々は、本当の本物。

すべてが鮮やかなままで描かれています。

あの、大川の雨も、強い風を見立てたスジも、

雨、風が頬をうつような錯覚を覚えさせるほど、VIVIDな広重なのです。



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