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非常に優れた書評

2013-11-27 01:55:26 | 日記
 題:非常に優れた書評
...(真を求めて 皆様とともに幸せになりたい)
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 書評:「捨ててこそ空也」
           梓澤要著、新潮社、2000円、
 評執筆:橋本五郎氏(本社特別編集委員)
             (読売新聞2013・11・10)
  非常に優れた書評であるので、書かせて戴いた。
 副題:全存在かけて人々救う
  梓澤要氏、略歴:(あずさわ・かなめ)、
  1953年生まれ。
  1993年、「喜娘」で歴史文学賞を受賞してデビュー。
  著書に「阿修羅」など。
 [評の内容]:
 コーン、コーン、コーン、
 木枯らしの吹きすさぶ京の町辻を金鼓(こんく)の音が
流れていく。
 十一面観音像を乗せた荷車を弟子が引き、
 落ちくぼんだ眼窩(がんか)、削(そ)げた頬の空也が、
金鼓を打ち鳴らし、ひたすら念仏を唱えながら歩いている。
 「阿弥陀聖」「市聖(いちのひじり)」とも呼ばれた空
也上人。
 醍醐天皇の皇子に生まれながら、
 父に疎まれ、
 帝の寵愛(ちょうあい)を失って錯乱する母に、虐待さ
れ左肘が折れ曲がってしまう。
 行き倒れの死骸を、荼毘(だび)にふしている集団に出
会って衝撃を受け、身分を捨てることを決意する。
 天災、飢饉(ききん)、疫病が襲い、
 盗賊が跋扈(ばっこ)する平安の世。
 空也は、播磨国で孤独に耐えながら、
 一切教を耽読(たんどく)、
 自らが進むべき念仏の道を見出(みいだ)す。
 絶海の孤島で苦行を重ね、
 東国で布教の旅を続け、
 全存在をかけて苦しむ人を救おうとする。
 この小説は、
 数々の仏典を、実に、分かり易く説明しながら、
 空也の精神的遍歴をたどっていく。
 仏教への深い理解がなければ、決して書き得なかった作
品だろう。
 空也自身が、三井寺の千観(せんかん)という僧に答え
る場面がある。
 「道理、善悪、知識、それらはすべて我欲。
 往生を願う心も、悟りを求める心も、おのれを縛る執心
も捨てねば、
 おのれを捨てることなどできませぬ」。
 悟りとは「なにもかも、捨ててこそ」可能なのだ。
 私にとっては、空也が「捨ててこそ」にたどり着くまで
の道程とともに、印象深かったのは、
 40有余年行動をともにする頑魯(がんろ)の存在だ。
 少しばかり、知恵が足りないのか、動作も鈍く、誰から
も馬鹿にされている若者だった。
 しかし、その頑魯にこそ、
 山にも水にも空にも、仏を感じる心があることを、空也
は知るのである。
 真の「佛」とは、
 ひたすら、誰かのために生きるところにあるのかもしれ
ない・・と、思わずにいられなくなる。
 多くのことを教えてくれ、
 自らの日常を振り返らざるをえなくなる小説である。
.
   (詳しくは、以下のブログへ)
URL: http://www.youtube.com/watch?v=1gWbIHhGUx8
http://blog.goo.ne.jp/hanakosan2009 /

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