去年12月15日未明に拙宅に侵入してきた猫、花子のはなし。
今月の22日火曜の朝、女将が動物病院へと避妊手術のため連れていく。
午後3時30分、わしが術後の花子を迎えに行った時にドクター曰く、「この子はすでに手術しています」とのことで、「えかったのう花子ぉ」となでなでしながら連れて帰った。
‥と、ここまではえかった。
その夜、女将が云う。
「先生から電話があって、三次のコンビニで迷い猫のポスターを見たと。花子に似ているらしい。明日写真撮って来る」
ここからわしの葛藤がはじまる。
その昔、惚れたおんなと別れる、あの胸の奥底をちぎるような痛みがはしる。
‥がそこは人間のおっさん。
「花子、そうなら元のうちへ帰れ」と、見つめ合うのであった。
かくして、その日がやって来る。
間違いなさそう。
昼の営業を終えたすぐに、花子を乗せたわしの車は仲介を名乗り出たドクターの元へ走る。
その道中、花子は今まで聞いたことのない声をずっと出していた。
「責任をもって預かります。相手方には何と?」
「一切、わしらのことは云わんで下さい、わしが淋しゅうなるけ」
ドクターは、気まずそうに笑みを浮かべて会釈した。
そのまんま振り返らず、人間のおっさんはジムニーのエンジンを掛けるのであった。
女将から聞いたのであろう、長女からの気遣いのメールへ返信する。
『ワタシハオチコンデイマス ポッカリと』
【本日の鑑賞】何十年ぶりに演劇を観る。 劇団員が見せたその表現や表情たるや、ギターを抱えてホニョニョと弾き語りの真似事をするわしの下っ腹あたりに痛烈に差し込んで来やがった。
遅ればせながら、 観たぞ~。
今月の22日火曜の朝、女将が動物病院へと避妊手術のため連れていく。
午後3時30分、わしが術後の花子を迎えに行った時にドクター曰く、「この子はすでに手術しています」とのことで、「えかったのう花子ぉ」となでなでしながら連れて帰った。
‥と、ここまではえかった。
その夜、女将が云う。
「先生から電話があって、三次のコンビニで迷い猫のポスターを見たと。花子に似ているらしい。明日写真撮って来る」
ここからわしの葛藤がはじまる。
その昔、惚れたおんなと別れる、あの胸の奥底をちぎるような痛みがはしる。
‥がそこは人間のおっさん。
「花子、そうなら元のうちへ帰れ」と、見つめ合うのであった。
かくして、その日がやって来る。
間違いなさそう。
昼の営業を終えたすぐに、花子を乗せたわしの車は仲介を名乗り出たドクターの元へ走る。
その道中、花子は今まで聞いたことのない声をずっと出していた。
「責任をもって預かります。相手方には何と?」
「一切、わしらのことは云わんで下さい、わしが淋しゅうなるけ」
ドクターは、気まずそうに笑みを浮かべて会釈した。
そのまんま振り返らず、人間のおっさんはジムニーのエンジンを掛けるのであった。
女将から聞いたのであろう、長女からの気遣いのメールへ返信する。
『ワタシハオチコンデイマス ポッカリと』
【本日の鑑賞】何十年ぶりに演劇を観る。 劇団員が見せたその表現や表情たるや、ギターを抱えてホニョニョと弾き語りの真似事をするわしの下っ腹あたりに痛烈に差し込んで来やがった。
遅ればせながら、 観たぞ~。