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納戸の奥に眠っている箱を久しぶりに出してみると…
買い集めていた45年前の週刊ベースボールを読み返しています

# 835 週間リポート・読売ジャイアンツ

2024年03月13日 | 1977 年 



今や全国区のショート
オールスター戦で一番自信を付けたのが遊撃手の河埜選手。第3戦の神宮球場ではただ1人フル出場した。「第1・2戦は多少なにか学ぼうとかいろいろ気を遣いましたが、第3戦ではノビノビとプレーしました」といかにも今時のヤングらしく目を輝かせていた。阪急の速球王・山口投手から中前打を放ったり、二盗はおろか三盗までやらかすなどハツラツとプレーして一気に人気と実力のほどを全国のファンに示した。「アイツにもう少し力強いサムライ気質があれば俺の若い頃そっくりだ」とかつて西鉄でサムライ遊撃手といわれた評論家の豊田泰光氏が言うほどの躍動ぶりだった。

全セを率いた長嶋監督は河埜選手をフル出場させることによってペナントレースで3割2分を超える打率を残す打力がありながら有名選手に引け目を感じる奥手な性格を一気に払いのけようとし、河埜選手がその思いに見事に応えたのだった。「若松さんの打撃が非常に参考になりました。早いカウントからどんどん打っていく積極性は真似したいです。それとバットを爪楊枝のように扱うバットコントロールを身につけたいです」と打力・守備力・脚力、そこに積極性の自在性を身につけるというのがオールスター戦で得た土産である。

セ・リーグの遊撃手といえば長く藤田選手(阪神)、三村選手(広島)と相場は決まっていた。そこへ山下選手(大洋)が人気と若さを売りに殴り込みをかけてきたが、あいにく今年は怪我でオールスター戦は欠場だった。その隙をぬって河埜選手がファン投票1位で球宴出場を果たした。今や押しも押されぬ全日本の遊撃手になったと言ってもいい。「いえいえ山下さんがいたらフル出場できたかどうか。これからが本番です」と今年のオールスター戦を機に " 山下 vs 河埜 " のライバル対決が始まりそうだ。


5000円の罰金
オールスター休みの7月26日、多摩川グラウンドで " 一軍対二軍 " の試合が行われた。結果はナント3対0で二軍が勝利した。あまりの不甲斐なさに一軍メンバーには一律5000円の罰金が科せられた。一軍を牛耳ったのが目下イースタンリーグで4勝1敗の中山投手。「次々に僕より先に一軍に行く後輩がいて結果的にこうなったんですが、今に見ていろって気持ちです」と。その心意気を忘れるな!

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