ちいチャン物語

きまぐれブログ。
絵のない絵本のような、小さい物語です。

Play back ちいチャン物語(53)巻貝の声

2017年01月09日 17時52分36秒 | 日記

砂浜に、握りこぶしぐらいの大きさの、巻貝が落ちていました。

大きいお兄さんが、

「卷貝を耳にあててごらん。」

と、言いました。

ちいチャンは、砂浜の巻貝を拾って、耳にあててみました。

巻貝の中からは、風のような、うねりのような音が聞こえます。

「海の音が聞こえるかい?」

大きいお兄さんが聞きます。

「うん!聞こえる!」

ちいチャンは答えます。

(そうか、これは海の音だ、海の音が聞こえるんだ。)

目をとじて、巻貝を耳にあてると、海の光景が目に浮かんで来ます。

ちいチャンは、巻貝を家に持って帰り、水道の水できれいに洗いました。

巻貝は、耳からの距離を少し離したり、近づけたりするだけで音の高さが違

って聞こえました。

乾いた巻貝からは、その中に砂浜があるかのように、サラサラと砂がこぼれ

落ちました。

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1 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (テクテク)
2017-01-10 01:36:19
こんばんわ。

懐かしい海を感じました。
巻貝って距離によって音の高さが変わり、
巻貝の中に砂浜を感じる・・素敵です。
羽衣も同時に浮かびました。

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