ちいチャン物語

きまぐれブログ。
絵のない絵本のような、小さい物語です。

ちいチャン物語180「ペスと一緒に海水浴」

2020年01月31日 20時07分20秒 | 日記
ちいチャンの家の犬のペスは、
泳ぐのが好きです。
ある夏の日、
いつもは一人で海水浴場に行くちいチヤンですが、
その日は、
おばあちゃんとペスが付いて来ました。
ペスは、鎖でつながれてはいなくて、
トコトコと、
ちいチャンとおばあちゃんの側を歩いています。
海水浴場に着くと、ペスは、海をめがけて走ります。
最初はザバザバと、波打ち際を走り、
そして、すいすいと泳ぎ始めました。
ちいチャンは、ペスの後を追い、海に走ります。
そして、ペスに追いつきました。
ペスを見ると、ペスは、縦に立って泳いでいるみたいです。
ちいチャンは、それが面白くて、マネをしてみました。
それは、“立ち泳ぎ”らしいのですが、
おばあちゃんは、
「犬かきだよ。」
と、教えてくれました。
ちいチャンとペスが、一緒に泳いだある夏の日です。
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ちいチャン物語179「海に流したビンのお手紙」

2020年01月30日 19時32分33秒 | 日記
ちいチャンは、本を読むのが好きです。
ある日読んだ本の中に、
“海岸で拾ったビンの中に、「SOS」と
助けを求めるメモが入っていて、助けに向かった。“
という内容のお話が載っていました。
ちいチャンは、
ビンにお手紙を入れて、海に流せば、
誰かが拾って、見てくれるのかな、と思いました。
それで、
さっそく、
お手紙を書いて、海に流す事にしました。
ちいチャンは、
「お友達になってください。」
と、書きました。
なんだか嬉しくなって、
海に、そう~っと流します。
波は、ひと波ごとに、ビンを沖に運んで行きました。
ちゃっぷん、ちゃっぷん、
ビンは、どんどん沖に流れて行きます。
もしかしたら、誰も拾ってくれないかもしれません。
それでも、夢にわくわくと、
ビンを見送るちいチャンです。
でも、ちいチャン、
住所と電話番号は書いたのかな?
拾い主は、誰に返事を書けば良いのでしょう。
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ちいチャン物語178「ビンの中の船」

2020年01月29日 19時36分36秒 | 日記
ちいチャンは、
お友達のミーちゃんの家に、遊びに行きました。
ミーちゃんのお父さんは、
大きな船に乗るのが仕事で、
何ヶ月も帰って来ません。
ミーちゃんの家の茶の間に、
ちいチャンが、ビックリするものが飾ってありました。
それは、
大きなビンの中に、大きな船が入っていた事です。
ビンは、一升瓶ぐらいの大きさですが、
四角くて、外国のお酒のビンのようでした。
そして、中には、
客船のような船が入っているのです。
ちいチャンは、とっても不思議です。
ビンの入り口は、小さくて、
客船を押し入れることは出来ない、
と、思うからです。
ちいチャンは、珍しくて、不思議で、疑問で、
じーっ、と、
じーっ、と、
見ています。
すると、ミーちゃんのお母さんが、
「これはね、船をビンの口から入れたんじゃなく、
中で組み立てたんだよ。」
と、言いました。
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ちいチャン物語177「自然がオモチャ」

2020年01月28日 19時29分49秒 | 日記
ちいチャンの町の子供たちは、
ほとんどオモチャを持っていません。
お手玉や、おはじき、メンコ、コマはありますが、
おもちゃ屋さんで売っているようなオモチャは、
ほとんど持っていません。
それでも、子供たちにたいくつな時間はありません。
目の前に海があり、後には山があります。
海や山は、毎日姿を変えるので、
いつも、新しい発見があります。
川も、狭くなったり広くなったりと姿を変え、
季節によって、生き物が変わって来ます。
山は、子供たちの探検の場所であり、
食材の収穫の場でもあります。
クルミ、栗、アケビ、木の芽。
そして、道端の草や小枝は遊びの工作の材料になります。
葉っぱの小舟を作ったり、小枝のパチンコを作ったり。
女の子たちは雑草で、おままごとのご飯を作り、小枝が箸になりました。
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ちいチャン物語176「雨漏り」

2020年01月27日 19時21分28秒 | 日記
ある年の雨の日、
天井から畳に雨が落ちて来ました。
おばあちゃんは、急いで台所に行くと、
ボールを持って来て、
雨の落ちて来る所へ置きました。
ちいチヤンの家のボールは、金属製なので、
落ちる雨が、楽器のような音を出します。
コッ!コッ!コッ!
キン!キン!
(面白いなぁ。)
と、ちいチャンは、
ボールに落ちる雨を眺めています。
おばあちゃんは、またボールを持って来て、
天井を見ています。
雨が落ちて来ているのは、
一箇所だけではないみたいでした。
ボールは、あっちにひとつ、こっちにひとつと置かれ、
雨の合奏を始めました。
雨の、落ちる速さや粒の大きさが違うので、
ボールの音は、さまざまです。
(わあ~、面白い!)
ちいチャンは、ひとつひとつボールを覗いて周ります。
おばあちゃんは、
畳を拭いたり、ボールの水を捨てたり、
台所と部屋を行ったり来たりしています。
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ちいチャン物語175「大きいお姉さんのお姉さん」

2020年01月26日 19時02分00秒 | 日記
大きいお姉さんには、お姉さんがいます。
大きいお姉さんのお姉さんは、
学校を卒業して、都会に行ってしまいました。
しばらくして、
久しぶりに、
お姉さんが家に帰って来ました。
大きいお姉さんのお姉さんは、
都会の女性(ひと)になっていました。
テレビに出て来る歌手みたいで、
ひらひらとスカートの裾がゆれ、
くるくるの長い髪をしていました。
そして、都会の言葉をしゃべります。
自分のことを、「私」って。
ちいチャンは、
お姉さんがまぶしくて、
話しかけることが出来ませんでした。
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ちいチャン物語174「大きいお姉さんの友達さん」

2020年01月25日 19時18分35秒 | 日記
近所に、大きいお姉さんがいます。
大きいお姉さんには、大きいお姉さんの友達さんがいます。
ちいチャンが、
大きいお姉さんの家に遊びに行くと、
いつも、友達さんがいます。
友達さんは、
「大きくなったらパーマやさんになりたい。」
と、言います。
そして、ちいチャンが大きいお姉さんの家に遊びに行くと、
友達さんは、
ちいチャンをお客さんに見立てて、
クシやブラシや髪留めを使って、
沢山の髪型を作り出します。
ちいチャンは、長い髪をしているので、
友達さんは、楽しそうです。
大きいお姉さんは、パーマやさんになりたい訳でもないので、
友達さんがやっているのを見ているだけです。
でも時々、アドバイスをしたり、
リボンを貸してくれたりします。
友達さんは、大きくなってから、
パーマやさんになる為の学校へ入り、
その数年後には、
自分の美容室を持ちました。
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ちいチャン物語173「蚊帳」

2020年01月24日 20時02分06秒 | 日記
夏になると、おばあちゃんは、
夜寝る時に、蚊帳を吊ります。
蚊帳は、とても大きくて、
部屋の四隅にそれぞれ、金具で止めて、
ひもで引っ張り上げて、結びます。
蚊帳は、四角いテントみたいな形です。
蚊帳は、漁師さんの網みたいです。
ちいチャンは、蚊帳が大好きです。
蚊帳の中に入ると、
秘密基地にいるみたいで、ちょっと、嬉しくなります。
蚊帳は、蚊帳の裾を少しだけめくって、
すばやく入りこまなければいけません。
そうしないと、人と一緒に蚊が入ってしまうからです。
蚊帳は、蚊に刺されない為の防護壁なので、
中に蚊が入ってしまうと、
入った蚊は、出口が無くなってしまいます。
蚊帳の中は、獲物とハンターの同居となり、
ぷう~ん。
バシッ!
ぷう~ん。
バシッ!
眠れぬ夜が続きます。
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ちいチャン物語172「おばあちゃん式、えんぴつの削り方」

2020年01月23日 19時32分23秒 | 日記
ちいチャンは、えんぴつ削りを持っていません。
えんぴつを削るナイフも持っていません。
えんぴつは、おばあちゃんが削ってくれます。
でも、おばあちゃんは、
料理の時に使う「包丁」で、
えんぴつを削るのです。
ちいチャンは、
(なんだか変だなぁ。)
と、思います。
ある日、おばあちゃんは、
「彫刻刀」でえんぴつを削っていました。
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ちいチャン物語171「山でオシッコ」

2020年01月22日 19時23分29秒 | 日記
ちいチャンの町の学校は、
山をひとつ越えた所にあります。
だから、家を出る前と、学校を出る前にトイレに行っておかないと、
山の途中でトイレに行きたくなることがあります。
男の子たちは、
山の上から谷間に向けて、
“オシッコの飛ばしっこ”と言って、
オシッコを飛ばし、
飛ばした距離を競いながら、用をたします。
そして、遠くまで飛ばした男の子は、
なぜだかチョット自慢げです。
女の子たちは、
草むらに隠れ、しゃがんで用をたします。
でも、オシッコが、
地面から足に跳ね返ってくるので、
終わった後は、足がかゆいです。
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ちいチャン物語170「おばあちゃんの指輪」

2020年01月21日 19時58分05秒 | 日記
おばあちゃんは、左手の薬指に、
指輪をふたつしています。
ひとつの指輪は、時々外すようですが、
もうひとつの指輪は、いつもしています。
ある夜の事です。
おばあちゃんは、指に石鹸を付けて、
指輪を取ろうとしています。
見ると、おばあちゃんの指の中で、
指輪は、くびれたウエストの様になっています。
そして、薬指と中指の境目は、切り傷のように、
赤く裂けていました。
とても痛そうです。
石鹸では、指輪は取れませんでした。
すると、おばあちゃんは、奥の部屋から糸を持って来て、
糸の先を口にくわえ、指に巻き付け始めました。
指は、糸を巻くほどに細くなって行きましたが、
指の色が、青く黒くなって行きます。
それでも、おばあちゃんは、指の先まで糸を巻き、
その上を、指輪をすべらせ、やっと外すことができました。
それからは、
おばあちゃんの薬指に指輪は、
ひとつになりました。
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ちいチャン物語169「桶を担ぐオバチャン」

2020年01月20日 18時43分26秒 | 日記
ちいチャンは、時々、
肩に桶を担いでいるオバチャンとすれ違います。
肩に一本棒を背負い、右と左に桶をぶらさげて運んでいます。
チャポンチャポンと音がして、
何かが、ピシャンと跳ねる時があります。
オバチャンは、畑と家を何度も行ったり来たりしています。
ちいチャンは、オバチャンについて行ってみました。
オバチャンは、家の汲み取りトイレから、
ひしゃくで桶に、汚物を汲み取っていました。
オバチャンは、桶に八分目ぐらい入れると、
棒の右と左に引っかけて、
「よいしょ!」
と、背負って運び始めました。
真っ黒に日に焼けたオバチャンは、
頭に、日本手ぬぐいをほっかぶりにして、
えっさ、えっさ、
と、畑に向かって行きました。
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ちいチャン物語168「畑にまかれたもの」

2020年01月19日 18時23分17秒 | 日記
ちいチャンの町には、スーパーや食料品店はありません。
雑貨屋さんは、あります。
雑貨屋さんは、
納豆や豆腐、ショートケーキや駄菓子を売っています。
でも、野菜や肉や魚は、売っていません。
ちいチャンの町では、
魚は海から、
米は田んぼから、
野菜は畑から、です。
山への道の両脇は、田んぼや畑が広がっています。
そして、畑には、“こえだめ”というものがあります。
それは、畑と畑の境目にあり、木のフタがしてありました。
畑で働くオバチャンは、ひしゃくで何かをくみ取って、
畑にまいています。
ちいチャンは、
(何かなぁ、何かなぁ。)
と、とても知りたくなりました。
それで、ある晴れた日に、畑をのぞきに行きました。
すると、そこには、
カラカラに乾いた、ウンチのようなものが、
うねづたいに、続いてまかれていました。
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ちいチャン物語167「おばあちゃんの目のケガ」

2020年01月18日 18時36分21秒 | 日記
おばあちゃんは、春になると裏山に、タケノコを採りに行きます。
おばあちゃんは、夏になると裏山に、ミョウガを採りに行きます。
朝早く起きて、朝ご飯を作る頃には、
もう、採って来たタケノコやミョウガは、朝ご飯の材料になっています。
タケノコは、細長いタケノコで、
薄く切って味噌汁に入っています。
ミョウガは、
細かく切って、ぬか漬けの上に乗せてあります。
ある年の春、
台所で料理をしているおばあちゃんの目が、真っ赤になっていました。
白目のところに、大きな血の固まりがあり、とても痛そうです。
おばあちゃんは、
タケノコを採りに山に入った時、
木の枝がはじいて、目を突いてしまったのだと言いました。
「おばあちゃん、病院に行った方がいいよ。」
ちいチャンが言います。
「大丈夫、大丈夫。」
おばあちゃんが言います。
おばあちゃんは、一日に何度も目薬をさし、数日間で自力で治してしまいました。
(おばあちゃんは、強いなぁ。)
と、ちいチャンは思います。
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ちいチャン物語166「おばあちゃんが嫌いな花」

2020年01月17日 18時18分22秒 | 日記
おばあちゃんが、
「縁起の悪い花」と言う花が3つあります。
ひとつめは、紫陽花(あじさい)で、
ふたつめは、曼珠沙華(まんじゅしゃげ)です。
そして、みっつめは、椿(つばき)でした。
紫陽花は、お寺に咲いていて、何か意味があるようで、
曼珠沙華は、お墓に咲いていて、何か毒があるそうな。
椿は、花がぼとっと落ちる姿が、人と重なるようです。
花が好きなおばあちゃんでも、
この3つの花は、家に飾られる事はありません。
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