ちいチャン物語

きまぐれブログ。
絵のない絵本のような、小さい物語です。

ちいチャン物語(48)『空白の瞬間』

2024年01月18日 20時30分00秒 | 日記
ちいチヤンの家から少し離れた近所の家に、赤ん坊が生まれました。
おばあちゃんは、ちょくちょく赤ん坊の顔を見にいきます。
その日、
ちいチャンは、おばあちゃんと一緒に赤ん坊の家に行きました。
おばあちゃんは、赤ん坊を抱いて玄関の階段を下り、庭に出ます。
ちいチャンも、おばあちゃんに付いて庭に出ました。
少しして、おばあちゃんが、
「ホラッ!ちいチャンも抱っこしてごらん。」
と、言って赤ん坊をちいチャンに渡します。
ちいチャンは、赤ん坊を抱くのは初めてでした。
赤ん坊は、思ったよりも重くて、でも、頑張って抱いていました。
「おばあちゃん、重くなって来た...。」
と、ちいチャンが言うと、おばあちゃんは、
「じゃ、お母さんの所へ連れて行ってあげなさい。」
と、言います。
ちいチャンは、おばあちゃんに赤ん坊を渡したかったけれど、
(お母さんの方がいいのかな。)
と思い、玄関の階段に足をかけました。
玄関の階段は、ちいチャンの膝より高く、赤ん坊を抱いての階段は、上るの
が大変でした。
「よいしょ!」
なんとか一段目を上り、二段目に足をかけた時ちいチャンは、赤ん坊の重み
でバランスを崩し、赤ん坊を抱いたまま、階段から転げ落ちてしまいました。
家の中からは、赤ん坊のお母さんが、庭からはおばあちゃんが、慌てて飛ん
で来ます。
ちいチャンは、階段から落ちた後の事は覚えていません。
ちいチャンが、赤ん坊をしっかり抱いていたので、赤ん坊は無事のようでし
たが、ちいチャンはどうなったのか、ちいチャンは覚えていません。
数日後、肘や膝には広い範囲で、黒いかさぶたが出来ていました。
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