ちいチャン物語

きまぐれブログ。
絵のない絵本のような、小さい物語です。

ちいチャン物語165「学校のトイレ」

2022年07月30日 20時33分30秒 | 日記
学校のトイレは、まるで長屋のように、
横一列に、木の扉が並んでいます。
扉の持ち手は、木でできていて、
開けるときは右へ、中に入って締めるときも右へ動かします。
そして、出て締めるときは、左へ動かします。
トイレは汲み取り式で、
便器から、すっぽり下が見下ろせます。
そして、隣に入った人の、
おしっこやうんちの落ちる音が聞こえます。
時々、上靴を落としてしまう子がいます。
そして、便器の下からは、
風がスースー入って来て、
おしりが寒いです。
通路は、コンクリートでできていて、
その上に、長いスノコの渡り板が敷いてあります。
子供たちは、トイレに走って入り込んでくるので、
渡り板は、たん!たん!たん!と、
走る通りに音を出します。
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ちいチャン物語161「アワビがおやつ」

2022年07月29日 19時22分03秒 | 日記
大きいお兄さんは、泳ぎが得意です。
大きいお兄さんは、もぐるのが上手です。
顔も身体も真っ黒に日焼けして、
歯と、目のまわりが白いです。
水中メガネをかけた所は、日焼けをしないので、
目のまわりが白いです。
大きいお兄さんは、海で獲物を採り、
おばあちゃんに持って来ます。
船で漁をするのではなく、
もぐって採るので、魚ではありません。
ある日、
ボールにいっぱいの「アワビ」を持って来ました。
おばあちゃんは、アワビをタワシでゴシゴシ洗うと、
大きい鍋に入れて、茹で始めました。
台所は、磯のかおりでいっぱいになります。
おばあちゃんは、茹で上がったアワビを、
ザザザザザァー、とザルにあけました。
湯気がもうもうです。
おばあちゃんは、
ボールの上にアワビの入ったザルを置き、
湯切りをすると、
「はい、ちいチャン。」
と、ザルごとテーブルに置きました。
アワビは、茹でると簡単に貝から離せます。
茹でたアワビは弾力があり、
カマボコのような歯ごたえがあります。
アワビは、
ちいチャンの手のひらぐらいの大きさです。
かみかみ、かみかみ、かみかみ、かみかみ。
この日のおやつは、アワビでした。

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ちいチャン物語160「ナマコ」

2022年07月28日 19時07分01秒 | 日記
ちいチャンが、桟橋から海を覗きこんでいます。
桟橋の壁には、ウニがくっつています。
桟橋の壁には、つぶ貝がくっついています。
ウニは、針のような身体を、むにむにと動かしています。
つぶ貝は、ときどきチョット、すべるように歩きます。
海底の大きな岩には、アワビがくっついています。
そして、海底には、ナマコがふらふらゆらゆらしています。
おばあちゃんはナマコが好きです。
ちいチャンは、おばあちゃんに持って行ってあげようと、
桟橋に腹ばいになり、ナマコを採り始めました。
ナマコは、思ったよりも簡単に採れてしまいました。
ナマコは、海の中でふらふらしているので、
ふらふらと網に入ります。
採ったナマコは大きくて、
(おばあちゃん、喜ぶだろうなぁ。)
と、ちいチャンは嬉しくなり、
バケツにナマコを入れ家へ帰ります。
でも、ナマコは家に着く頃に、
半分の大きさになってしまいました。
なんだか固そうです。
でも、おばあちゃんは、それが本当の大きさなのだと言います。
おばあちゃんは、ナマコを調理して、
ご飯の時に、酢としょうゆをかけて食べていました。
「ちいチャンも食べてごらん。」
と、おばあちゃんが言います。
でも、ちいチャンは、形の変わったナマコが気持ち悪くて、
食べることができませんでした。
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ちいチャン物語159「お味噌汁の豆腐を切るとき」

2022年07月27日 20時27分02秒 | 日記
おばあちゃんが、お味噌汁を作っています。
包丁で、
トントントントンとネギを切り、
トントントントンとワカメを切って、
鍋に入れます。
そして、おばあちゃんは、
豆腐を手のひらにのせ、
手の上で豆腐を切りました。
包丁は、手のひらまで届いているみたいなのですが、
おばあちゃんの手は、切れていませんでした。
(わぁ、おばあちゃんって、手品の人みたいだ。)
と、ちいチャンは思いました。
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ちいチャン物語158「アザミの花の蜜」

2022年07月26日 19時46分04秒 | 日記
学校へ行く道は、山の中を一本道が通ります。
ふもとの町から見上げると、
子供たちの学校へ行く姿、帰る姿が見られます。
山道は、木々の中を通り、
道端には、山草があり花が咲き、いろんな種類があります。
その中に、紫色の「アザミの花」がありました。
アザミは、葉っぱはトゲトゲとして、ちょっと痛いのです。
花は、ちいさ~いストローが、いっぱい並んでいるような花びらです。
それで、花びらをひとつ抜いて、口にくわえると、
あま~い蜜の味かします。
子供たちは、学校の帰り道、アザミの花を手に持って、
おやつのように、蜜を吸いながら歩きます。
道は山道なので、
吸い終わった花びらは、ぽいっ!と、そのまま道に捨ててしまいます。
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ちいチャン物語157「風邪のとき、おばあちゃんが着せた服」

2022年07月24日 19時44分03秒 | 日記
おばあちゃんは、とても心配性です。
寒い冬、
おばあちゃんは、ちいチャンに、
「タイツ」をはかせ、その上に「ももひき」を、
そしてそのうえに「ズボン」をはかせます。
ある冬の日、
風邪がなかなか治らなかったちいチャンに、
おばあちゃんは、新聞紙を着せたことがあります。
素肌に新聞紙を巻き、その上にシャツです。
おばあちゃんは、
「新聞紙は、あったかいから。」
と言います。
でも、ちいチャンは、
新聞紙はごわごわで、カシャカシャ音がして、
(なんだかイヤだな。)
と、思います。
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ちいチャン物語156「山も床屋さん?」

2022年07月23日 19時27分12秒 | 日記
ちいチャンが、山道を歩いていると、
ヴイイイイ~ン、ヴイイイイ~ン、
と、木を切る音が聞こえてきます。
見ると、ずう~と山の上の方で、
オジサンが、木を切っています。
ちいチャンは珍しくて、足を止めて見ています。
木は、切っているオジサンとは反対の方へ、
バサササササッ!と倒れました。
帰り道、ちいチャンが山を見ると、
山は、小さなハゲ頭になっていました。
数日後、ちいチャンが山を見ると、
山は、大きなハゲ頭になっていました。
失敗したバリカン頭のようで、
ちいチャンは、
(山に木がないと変な感じ。)
と、思いました。
ハゲ山には、オジサンの姿が見えました。
木は、枝が取り払われた一本の丸たんぼうになっていて、
ソリのようなものに乗せられ、山肌をすべり落ちて行きます。
オジサンは、その上に乗り、ソリを操縦しているようでした。
すっかり、さっぱりとしたハゲ山を通るとき、
ちいチャンは、なんだか淋しい気持ちになります。
(山も、床屋さんが必要なのかなぁ。)
ため息つきつつ通る日が、何日か続いたある日、
ハゲ山に、オジサンの姿がありました。
オジサンは、間隔を開けて、
木の赤ちゃんを植えているようです。
なんとなく、うぶげが生えたようなハゲ山に、
ちいチャンは、少し嬉しくなりました。
そうして山は、
だんだんと山肌がかくれて行き、
月日の流れとともに、
青々とした林になって行くのでした。


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ちいチャン物語155「海苔のはがし方」

2022年07月22日 19時52分34秒 | 日記

海苔は、自然の太陽で乾燥されて、
パリパリに出来上がります。
オバチャンたちは、巻すを台から取りはずします。
そうしたら、次は、巻すから海苔をはがします。
海苔は、巻すを下にして、上の海苔をはがすのではなく、
海苔が巻すの下になるようでした。
そうして、巻すを端からめくり、
海苔を片方の手で押さえて、巻すをはがします。
ちいチャンの町の海苔は、
厚めでしっかりとしていますが、
ていねいにはがさないと、海苔がやぶれてしまうことがあります。
ちいチャンも、一枚だけやらせてもらいました。
でも、巻すから海苔がはがれなくて、
ボロボロになってしまいました。
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ちいチャン物語154「海苔の作り方」

2022年07月21日 19時55分15秒 | 日記
ちいチャンは、ある日、
海苔を作っているオバチャンの家に、
海苔の作り方を見に行きました。
見ると、
大きなタルに、海苔が入っていました。
でも、海苔は水でジャブジャフしています。
どうしてかなぁ、と見ていると、
オバちゃんは、
ジャブジャブの海苔をボールで汲み取り、
四角い木枠の中に流し込みました。
四角い木枠の下には、「巻す」がついています。
オバチャンは、水の中で、
木枠を何度も上下に動かしています。
木枠の中で、海苔は小さくゆれて、
下じきのような形になりました。
そうして水から上げて木枠をはずしました。
すると、
「巻す」に、海苔が貼り付いています。
すき間なく、均等に、
一枚の黒い海苔が出来上がりました。
ちいチャンは、
海苔って、手作りの黒い紙みたいだなぁ、
と、思います。
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ちいチャン物語153「道路に海苔が並ぶ」

2022年07月20日 19時42分06秒 | 日記
ある時期になると、
ちいチャンの町には、
障子の紙をはがした木の枠だけのような物が、道路に並びます。
その木の枠には、釘がたくさん打たれています。
釘は、先端だけが打ち込まれていて、ピョンと飛び出しています。
これは、海苔を干すための台です。
海苔は、「巻す」に四角く貼り付いています。
「巻す」の両端を、それぞれ釘に通して固定します。
木の枠全部に貼り付けると、
海苔でできた黒い障子のようです。
ちいチャンの町の道路ぎわは、
それぞれの家のブロック塀が、ずう~と続いています。
海苔を貼った台は、ブロック塀に立てかけて干します。
だから、
海苔のとれる時期になると、道路には、
ずう~と長く、海苔の黒い台が並びます。
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ちいチャン物語152「ふさがれたポケット」

2022年07月19日 20時16分10秒 | 日記
ちいチャンは、ズボンや上着のポケットが好きです。
歩く時は、いつもポケットに手を入れています。
でも、おばあちゃんは、
ポケットに手を入れて歩くのは、
「みっともない。」
と、言います。
それで、時々、
「ほらっ!また!ポケットに手を入れて!」
と、ちいチャンは、おばあちゃんに注意をされます。
でも、やっぱり、
ちいチャンは、ポケットに手を入れてしまいます。
ある朝、ちいチャンが着替えをすると、
なんだか少し変な気がします。
ポケットに手を入れようとすると、スルッと手がすべるのです。
(あれっ?変だなぁ。)
不思議に思ったちいチャンは、ポケットを見てみました。
すると、ポケットの口は、全部縫ってふさがれていました。
(おばあちゃん、ポケットを縫ったんだ!)
ちいチャンは、思わず心の中で、
(まいりました。)
と、つぶやきました。
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ちいチャン物語151「修学旅行で困った事」

2022年07月18日 19時24分50秒 | 日記
ちいチャンの髪が伸び、おかっぱ頭ではなくなった頃、
学校へ行く前に、おばあちゃんがちいチャンの髪をとかします。
おばあちゃんは、おばあちゃんなので、
リボンを付けたり、おしゃれなヘアピンを付けたり、
ヘアアレンジをしたりはしません。
毎朝、
ちいチャンの髪を真ん中から右と左にわけ、
きちっ、きちっ、と三つ編みにします。
使うのは、黒いゴムだけです。
そんなある日の事です。
学校で修学旅行がありました。
毎朝、おばあちゃんに髪を編んでもらっているちいチャンに、
チョット困った事が起きました。
みんなは、歯みがき、洗顔、身支度と、テキパキ進めているのに、
ちいチャンは、三つ編みができずに、もたもたもたもた。
一人、みんなから遅れています。
見かねた担任の先生は、
ちいチャンの髪をとかし、三つ編みにしてくれました。
でも、おばあちゃんとは違い、少しゆるゆるです。
先生は、
「三つ編みをしたのは、初めてだ。」
と、言いました。
担任の先生は、男の先生でした。
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ちいチャン物語150「シャツのそで口」

2022年07月17日 19時39分57秒 | 日記
ちいチャンのお友達に、みち子ちゃんがいます。
みち子ちゃんは、とても美人さんです。
みち子ちゃんは、いつもステキなお洋服を着ています。
みち子ちゃんのお母さんも、とても美人さんです。
みち子ちゃんは優しくて、男の子たちの天使です。
(お人形さんみたいだな。)
と、ちいチャンは思います。
だけど、
ステキなお洋服の中の、長袖のシャツのそで口が、
黒いです。
(どうしてかなあ。)
と、ちいチャンは思います。
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ちいチャン物語149「疑惑の切手」

2022年07月15日 19時18分34秒 | 日記
ちいチャンは、いつものように、
おじいちゃんに頼まれて、手紙を出しに行きます。
切手はタバコやさんに売っていて、店の前にポストがあります。
その日も、ちいチャンは、
タバコやさんで切手を買って、
切手のノリの部分をペロリと舐めて、封筒に貼りました。
でも、その日は、切手が封筒にくっついてくれません。
どうも、ペロリペロリと舐めすぎて、
切手のノリが取れてしまったようです。
それでも、しかたがないので、ちいチャンは、
ツバで濡らした切手を封筒に付けて、ポストに入れました。
何日かたったある日、
ちいチャンは、おじいちゃんとおばあちゃんに呼ばれました。
大事な手紙が、戻ってきてしまった、
と、おじいちゃんが言います。
おばあちゃんは、
「切手は貼ったのかい?」
と、言います。
「うん、貼った。」
と、ちいチャンは言いました。
おじいちゃんとおばあちゃんは、
それ以上何も聞きません。
でも、ちいチャンは、なんだかとてもイヤな気持ちです。
(切手を貼らずに出したと思ったのかなあ。)
(切手のお金を自分のものにしたと思ったのかなぁ。)
ちいチャンは、何かを疑われているようで、
少し、悲しくなりました。
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ちいチャン物語148「船に乗ってアサリ採り」

2022年07月14日 18時53分49秒 | 日記
ちいチャンの町の、海をはさんだ向かいには、
横に長い島があります。
その右横に、まるで親子のような小さな二つの島があります。
親の後に、子供がくっついているみたいです。
春が近づくまだ寒い頃、
おばあちゃんは、漁師さんの船に乗せてもらい、
親の島へ、アサリを採りに行きます。
ある年のことでした。
おばあちゃんが、ちいチャンに、
一緒にアサリを採りに行こうと言います。
ちいチャンは、漁師さんの船に乗るのは初めてです。
おばあちゃんは、ちいチャンに、
「船に乗っているときは、立っちゃいけないよ。」
と言いました。
船を操縦する漁師さんは、
「船の前の方は波がかかるから、真ん中に乗りなさい。」
と言いました。
島に着くと、みんないっせいにアサリを採り始めます。
この島は、石がアサリではないかと思うほど、
次々とアサリが姿を現します。
おばあちゃんは、大きなバケツに、
カツン、コロン、ガツッ、と、
アサリを入れる手に、休みがありません。
アサリは、砂を掘っていると、ピューと水を吐きます。
まるで居場所を教えているかのようでした。
お昼には、おばあちゃんが握ってくれたおにぎりを食べます。
ふと、おばあちゃんのバケツを見ると、
大きいバケツの半分は、あさりで埋まっていました。
帰りまで、おばあちゃんは、
バケツの八分目ぐらいまで、アサリを採っていました。
バケツを、アサリでいっぱいにしなかったのは、
アサリが呼吸をするための、海の水を入れるためです。
アサリは、船の上でも、
ピュー、ピュー、と元気よく水を吐いていました。
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