年末になると、いつも手伝いに来てくれるオジサンがいます。
オジサンは、おじいちゃんの年賀状の代筆をしたり、まゆだま用の
枝を、山から切って来てくれたり、綱を編んでくれたりします。
綱は、玄関扉の上に飾る物で、横綱のまわしの様な形をしていま
す。
オジサンは、綱を編んで玄関上に飾り、白い紙を付けました。
おじいちゃんは、この綱に思い入れがあるようで、きっちり仕上がる
と満足そうで、何度も外に出ては、玄関上の綱を見上げ、目を細め
ます。
おじいちゃんは、このオジサンをとても信頼している様です。
オジサンは、おじいちゃんが大好きな様です。
おばあちゃんは、おじいちゃんとオジサンの間には、口をはさみま
せん。
オジサンは、おじいちゃんの要望になんとか近づける様にと、一生
懸命手伝ってくれます。
日も暮れて帰る頃、おばあちゃんはオジサンに、日本酒や酒の肴
を持たせてあげます。