ちいチャン物語

きまぐれブログ。
絵のない絵本のような、小さい物語です。


ちいチャン物語(81)『椿の実』

2013年10月20日 18時33分53秒 | 日記

おばあちゃんは、うちで食べる分くらいの小さな畑を作っています。
畑は、道路に面した切り立った山にあります。
家からは、そう遠くはありません。
まわりをぐるっと椿が、垣根のように取り囲んでいます。
おばあちゃんが畑仕事をしている間、ちいチャンは椿の垣根をひとつずつ
見て歩きます。
「おばあちゃん!椿を持って帰って花瓶に飾ろうよ。」
と、ちいチャンが言うと、おばあちゃんは、
「椿は、花がボトッと落ちて気味が悪いと、おじいちゃんが言うんだよ。」
と、言います。
しばらくして、椿に実がなりました。
椿の実は黒くて、ひとつに何個も入っています。
おばあちゃんは、
「椿の実は、髪にいいんだよ。」
と、言いました。
椿の黒い実は、中を開けると白く、つるつるとしています。
ちいチャンは、椿の実を持って帰り、お風呂に入った時に、髪に付けてみ
ました。
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ちいチャン物語(80)『演歌をかけながら八百屋さんが来る』

2013年10月19日 20時32分17秒 | 日記

ちいチャンの町に、1週間に1度八百屋さんが来ます。
小さなトラックに野菜を積んで、音楽をかけながらやって来ます。
音楽は、演歌です。
ちいチャンのおばあちゃんや、近所の人たちは、演歌音楽が聞こえ
て来ると、
「八百屋さんが来たね。」
と、言って、財布を持って家から出て行きます。
八百屋さんは、道端にトラックを止めて、演歌は流したままにして
おきます。
音楽がかかっている内は、八百屋さんがまだそこに居ると分かる為
です。
八百屋さんは、野菜ばかりではなく、豆腐や油揚げ、納豆など、日
常の食品も積んで来ます。
そして、おばちゃん達は、お目当ての物がなかったりすると、今度
来る時に持って来てね、と頼みます。
ちいチャンの町では、お盆になると、仏壇にスイカを供えます。
八百屋さんは、そんな町の習慣も知っていて、お盆近くの週には、
スイカや切り花なども積んで来ます。
おばあちゃんは、夏の頃、ナス漬けを作る為に、小ナスを1㌔頼ん
でいました。
町の人たちは、毎週来るこの八百屋さんを、楽しみにしています。
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ちいチャン物語(79)『エンピツ削りでケガをしたシュン君』

2013年10月18日 19時14分02秒 | 日記

ちいチャンの友達のシュン君が、ちり紙で右手の親指を押さえ、
困った顔をしています。
見ると、ちり紙に血がにじんでいます。
「どうしたの?」
ちいチャンが聞くと、シュン君は、
「このエンピツ削りは、本当に削れるのかと思って...。」
と、言いながら、ちり紙をはずして、ちいチャンに親指を見せま
した。
見ると親指は、ぱっくりと切れて、血がじゅわじゅわと出ていま
す。
(大変だーー!)
ちいチャンは、びっくりして大人の人を呼びに行きました。
シュン君は、慌てて飛んで来た大人達に、急いで連れて行かれま
した。
サイコロ飴より小さいエンビツ削りだったので、シュン君は、
(本当に削れるのかなぁ。)
と、心配に思ったようでした。
シュン君は、試してみようと思い、親指でエンピツ削りの刃を押
したんだ、と言いました。
ひとり残されたちいチャンの側には、血のついたエンピツ削りと
、ちり紙がありました。
(大丈夫かなぁ。)
ちいチャンは、とても心配です。

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ちいチャン物語(78)『アメンボ』

2013年10月17日 19時33分54秒 | 日記

雨が降って、水たまりが出来ました。
水たまりの水面上に、アメンボがいます。
細長い体に長い足で、スイー、スイーとすべっています。
まるで、スケート選手の様です。
アメンボは、指でつつくと、ピョン!とジャンプをします。
捕まえようと思ったら、簡単に捕まります。
体は割としっかりしていて、手足をジタバタと動かします。
アメンボは、ジャンプをするので、ちょっと油断をすると、手の平から
ぴょん!と、逃げてしまいます。
雨が降って、水たまりが出来ると現れるアメンボは、水たまりのない晴
れた日は、
(どこにいるのかなあ...。)
と、ちいチャンは思います。
大きいお兄さんが、
「アメンボは、洗剤の入っている水の上では、すべれないんだよ。」
と、言いました。

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ちいチャン物語(77)『秋に来る植木屋さん』

2013年10月16日 18時20分55秒 | 日記

秋になると、ちいチャンの家に植木屋さんがやって来ます。
夏の間、日蔭を作ってくれていた松の木や、秋の金木犀、春
の木蓮などの枝を整えてくれます。
街からくる植木屋さんは、ちいチャンの家に1週間ほど泊ま
ります。
庭の植木にハシゴを掛けて登り、高い所で枝を切っています

ちいチャンは、木の上からバサッ!と枝が落ちて来るのを見
るのが珍しくて、縁側から植木屋さんの仕事を見ています。
庭の通路は、あっという間に、木の枝や葉っぱで埋まってし
まいました。
植木屋さんは、下に落とした木の枝や葉っぱを集めて、トラ
ックに乗せ、何処かへ運んで行きました。
おばあちゃんは、朝、昼、晩と、いそいそと食事を作ります

泊まり込みのお客様が、少し嬉しい様子です。
食事の時、テーブルには、おかずがいつもより多く出ていま
す。
午前10時と午後3時には、お茶を入れ、お菓子を添えて、
ひと休みです。
植木屋さんは、毎年同じおじさんが来ます。
植木屋さんのおじさんは、少し無口です。
おじいちゃんもおばあちゃんも、仕事中の植木屋さんには、
あまり話しかけません。
そばで、じっと見ている風でもなく、安心して任せています






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ちいチャン物語(76)『浜の鳴き砂』

2013年10月15日 17時08分15秒 | 日記

ちいチャンの海辺の砂は、鳴き砂です。
乾いている砂の上を歩くと、キュッキュ!キュッキュ!と、音がします。
浜の砂はきめが細かくて、拾い上げると、さらさらさらさらと指の隙間か
らこぼれ落ちます。
ちいチャンは、そんな浜の砂をずっとずっと見てきました。
何処の海の砂浜も、同じさらさらで、キュッキュ!キュッキュ!と鳴るも
のだと思っていました。
後になって、鳴き砂の浜は日本に数か所と知り、ちいチャンの海辺の浜の
砂もその中の一か所だと知りました。
ちいチャンは、防波堤から浜に降り、持って来た小瓶に砂を詰め、フタを
しました。
(この砂は、ずっと大事にとっておこう。)
少し嬉しくなりました。
ちいチャンの海辺の砂は、この日から、ちいチャンの宝物になりました。


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ちいチャン物語(75)『かかしとスズメと大きな音』

2013年10月14日 18時11分06秒 | 日記

ちいチャンの家から少し離れると、道路の両脇に田んぼが広がり
ます。
金色の稲穂が重たげに首を垂らしています。
田んぼの所どころには、「かかし」が両手を広げています。
「かかし」のいるこの道は、近所のおじさんやおばさんが、田ん
ぼで仕事をしているみたいに見えて、ちいチャンは、ひとりで歩
いていても、ひとりで歩いている気がしません。
時々、「かかし」と思って見ていると、本当のおじさんやおばさ
んだったりします。
田んぼは、まわりをぐるっと紐で囲ってあり、風が吹いたら揺れ
る様な、小さな布が付けてあります。
田んぼからは、時々、大きな音が聞こえます。
大人の人は、これを“鉄砲”と、言います。
田んぼの何処かに、その“鉄砲”があるらしく、ドカーン!!と
、田んぼ中に響き渡る大きな音を出します。
すると、田んぼの中から、スズメの集団が、バサバサバサ!っと
飛び出します。
飛び出したスズメの集団は、また違う田んぼに降り立ちます。
しばらくして、また“鉄砲”がドカーン!と音を出します。
また、スズメがバサバサバサ!と、飛び立ちます。
“鉄砲”と、スズメが追いかけっこをしている様な、そんな田園
風景です。

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ちいチャン物語(74)『ペスとおばあちゃん』

2013年10月13日 16時38分58秒 | 日記

稲刈りが終わった頃、おばあちゃんは何処からか、ワラをもらって
来ます。
庭に居るペスの犬小屋の中に、ふかふかに敷きつめます。
ペスは嬉しくて、小屋の中へ入ったり出たりを繰り返しています。
翌日ペスは、犬小屋の中からワラを引っ張り出しては、口にくわえ
て首を振り、ガルル、ガルルと遊んでワラをまき散らかします。
おばあちゃんは、ペスが散らかしたワラを、また小屋の中へ入れて
あげます。
冬になると、おばあちゃんは、使わなくなった毛布をペスの小屋の
中に入れてあげます。
ペスは、暖かくなった小屋の中へ、入ったり出たりしています。
翌日ペスは、毛布を口にくわえて引っ張り出し、ガルル、ガルルと
じゃれています。
夕方、おばあちゃんは、ペスが外に出した毛布を、また、小屋の中
に入れてあげます。
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ちいチャン物語(73)『テレビの中のその人』

2013年10月12日 18時26分40秒 | 日記

ある日、ちいチャンはテレビの中で、奇麗な男の人を見ました。
テレビの中のその人は、優雅な物腰、話し方で、色が白く細く、
対談相手に話す手指の動きは、男の人とは思えない動きでした。
ちいチャンの海辺の町には、真っ黒に日に焼けた、たくましい海
の男達ばかりだったので、ちいチャンは、物腰の柔らかい男の人
を見たのは初めてでした。
人間という人種の中で、また違う人種に出会ったような、衝撃的
な瞬間でした。
(こんなに奇麗な男の人もいるのね。)
ちいチャンは、テレビの中は世界が違う、と、思いました。
ちいチャンが大きくなってから、テレビに出て来たその人は、少
し女の人になっていました。
長い髪に、ロングドレスを着ていました。







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ちいチャン物語(72)英語バージョン『スーパーお手玉おばあちゃん編』

2013年10月11日 20時19分58秒 | 日記

“Super grandma by beanbag”

Grandma taught how to play beanbag for Chii.

Then she could play two beanbags by her hands.

And then she could play two beanbags by her one hand.

Soon she could play three beanbags by her hands.

But grandma could play four beanbags by her hands.

She was great !

※日本語バージョンは、ちいチャン物語(65)『お手玉スーパーおばあちゃん』に、あります。

 

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ちいチャン物語(71)『お風呂の焚き口で焼いも』

2013年10月10日 16時05分29秒 | 日記

焼きいもを作る時、おばあちゃんは、お風呂の焚き口で作ります。
ちいチャンの家のお風呂は、新聞紙を種火にして薪で沸かすので、
焼きいもを作るのには、いい場所の様です。
いい具合に燃えている薪の中に、サツマイモをもぐり込ませます。
お風呂が沸く頃には、焼きいもが出来ています。
おばあちゃんは、たき口の近くに置いてある鉄の棒で、焼けたい
もを取り出します。
そして、焼けたいもを新聞紙に乗せました。
真っ黒にこげている所を取り除いて、ポフッとふたつに折ると、
ほかほかの湯気と一緒に、ほくほくの芋が出て来ました。
ちいチャンは、マーガリンをチョット付けて食べます。
おじいちゃんは、何も付けずに食べます。
おばあちゃんは、どちらでも食べます。
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ちいチャン物語(70)『栗のイガの中の同居人』

2013年10月09日 17時42分38秒 | 日記

川沿いを、山に向かって歩いて行くと、道端に栗の木がありました。
栗のイガが、パックリと口を開けて落ちています。
口を開けたイガの中には、栗が3個入っています。
大きな栗が2個入っているものもあります。
見上げると、栗の木には、栗のイガが沢山付いています。
大きく口を開けて、中がからっぽのイガもあります。
ちいチャンは、栗の木に下に落ちているイガを、棒でつついて道までころがし
ます。
イガを両足の靴ではさみ、靴底でズリズリとイガの口を広げます。
すると、ポロッと栗が転がりだします。
青いイガが落ちていました。
青いイガは、口を開いているのは少なくて、靴底でズリズリしてもイガだけが
取れ、床屋に行ったばかりの坊主頭みたいになります。
それでも一生懸命ズリズリして開けてみれば、中の栗は青かったりします。
男の子たちは、栗の木を揺さぶったり、長く太い棒で叩き落とします。
男の子たちは、拾うよりも落とす方が好きで、大きな栗の実が数個手に持てれ
ば満足でした。
女の子たちは、沢山栗の実が採れた時には、スカートをエプロンにして、包ん
で持って帰ります。
栗の実は、生の物でも茹でた物でも、皮を剥いている時に、ニョロっと虫が顔
を出す時があります。
(キャー!)
ちいチャンは、声にならない悲鳴をあげます。


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ちいチャン物語(69)『庭の金木犀(きんもくせい)』

2013年10月08日 16時26分57秒 | 日記

ちいチャンの家の庭に、「金木犀(きんもくせい)」の木がありました。
家の門の所に1本と、庭のずっと奥に1本の、合わせて2本の「金木犀」の木です。
屋根に届く高さの「金木犀」の木は、秋になるとオレンジ色の花を咲かせます。
外から帰って来ると、門の少し手前の辺りから、ふわ~っと、「金木犀」の花の香り
がして来ます。
ちいチャンは、
(いい匂いだなぁ。)
と、思います。
金木犀の香りに気が付いて、花をながめます。
金木犀の香りが消えて、小さく落ちた花をながめます。
金木犀の香りがただよう花咲く期間は、短いでした。
ちいチャンが、大きくなって故郷を思い出す時、そこには「潮の香り」と「庭の金木
犀」がありました。
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ちいチャン物語(68)『物置の上の小さな部屋』

2013年10月07日 13時46分22秒 | 日記

ちいチャンの家の物置は、家の中にありました。
台所と続いていて、ひとつの部屋になっています。
床は、コンクリートです。
漬物の樽や重石、クワなどの作業用品、味噌などが入っています。
その物置の天井上に、部屋がありました。
その部屋は、台所の方からハシゴを掛けて上ります。
普段はその部屋は、何にも使われていません。
ちいチャンは、台所から見える物置の上の、小さな扉がいつも気に
なっていました。
(入ってみたいなぁ、見てみたいなぁ。)
でも、ひとりでハシゴを掛けて上るのは危ないと思いました。
ある日、
そんなちいチャンを見て、おばあちゃんが、
「上ってみるかい?」
と、ハシゴを掛けてくれました。
おばあちゃんが、ハシゴをしっかりと支えてくれているので、安心
して上れました。
小さい扉を開けて部屋に入ると、隠れ家にしたくなる様な小さな部
屋でした。
小さな窓が部屋を明るく照らしています。
布団が2~3枚くらい敷ける様な広さでした。
でも、天井までの高さが無く、小さいちいチャンでも、頭が天井に
ぶつかってしまいます。
ちいチャンは、
(天井が低すぎて、この部屋では遊べないなぁ。)
と、思いました。
ハシゴを下りると、おばあちゃんが、
「この部屋は、昔いた女中さんの部屋だったそうだよ。」
と、言いました。


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ちいチャン物語(67)『おばあちゃん式ご飯の温め方』

2013年10月06日 18時13分34秒 | 日記

ご飯は、電気釜で炊きます。
電気釜は、炊くだけで他の機能は何も付いていませんでした。
保温機能も無く、電子レンジもありません。
おばあちゃんは、毎日きちんと、ご飯がなくなる量を炊きます。
でも時々はやっぱり、ご飯が少し残ってしまいます。
ちいチャンは、冷たいご飯は好きでしたが、おばあちゃんは好き
ではないようでした。
ご飯が炊きあがると、おばあちゃんは、電気釜の蓋を開けて、残
っていた冷たいご飯を釜の端の方に入れ、パタンと蓋をしました。
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