ちいチャン物語

きまぐれブログ。
絵のない絵本のような、小さい物語です。

ちいチャン物語322「ペスと歯医者さんの予約を取りに」

2020年06月30日 17時53分47秒 | 日記
歯医者さんの順番を取りに行く為に、
暗い朝の道を、ちいチャンは、自転車に乗って、
犬のぺスと一緒に、ビュンビュン!
ちいチャンの町は、信号も無く、ビルもありません。
通る車も無く、
灯りは、まだ輝いている星と月。
そして、波打ち際で光るプランクトンです。
自転車のかごには、懐中電灯が入っています。
ちいチャンは小学生で、
夜に自転車に乗る事も無いので、
自転車に電気は付いていません。
それでも、ちいチャンは、
ぺスが側にいるので、安心です。
平らな道が過ぎ、山道にさしかかりました。
頑張って、頑張って、こげる内は自転車に乗り、
途中からは、自転車を押して歩きます。
歩き始めると、ぺスが突然、木の生い茂っている山の中に入って行き、
ちいチャンの側からいなくなりました。
でも、ぺスは、ちいチャンが、
「ペス――!ペス――!」
と、呼ぶと、いちもくさんに走って来ます。



             続く
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ちいチャン物語321「歯医者さんの予約を取りに」

2020年06月29日 18時49分04秒 | 日記
「自転車で、順番を取りに行きなさい。」
と、おばあちゃんが言った翌日、
ちいチャンは、朝の5時に、おばあちゃんに起こされました。
顔を洗って、用意をし、自転車を出しました。
おばあちゃんは、家の庭の奥にいる犬のぺスのくさりを外し、
ちいチャンに、
「ぺスを連れて行きなさい。」
と、言いました。
朝5時の外は、真っ暗で、
山をひとつ超えて行かなければいけないので。
ちいチャンは、しっぽを振って飛び跳ねているぺスを見て、
ホッとしました。
「ぺス!行くよ!」
ちいチャンは、自転車をこぎ始めました。
ぺスは、ちいチャンの自転車の速さに合わせて、走ります。
ぺスと、ちいチャン、山ひとつ向こうの歯医者さんへ、
順番を取りに、走ります。

                                            続く
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ちいチャン物語320「歯医者さんの予約」

2020年06月28日 19時08分17秒 | 日記
始めて歯医者さんに行った日から、
ちいチャンは、歯医者さんに治療に通わなければいけなくなりました。
歯医者さんの治療には、順番がある様で、
診察券を、箱に入れ、早い順から治療をする様でした。
この歯医者さんは、朝早くから受付けをしています。
ちいチャンの海辺の町の人達は、とても早起きなので、
朝の7時や8時に診察券を入れたら、
ちいチャンは、午前中の学校の授業に間に合わなくなってしまいます。
バスで行けば、そんな日々になってしまいます。
そこで、おばあちゃんは、ちいチャンに、
「早起きをして、自転車で順番を取りに行きなさい。」
と、言いました。



               続く
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ちいチャン物語319「初めての歯医者さん」

2020年06月27日 19時36分31秒 | 日記
ちいチャンは、歯がズキズキズキズキ。
歯に詰めた、焦げ茶色の丸い薬は、
形がある内は、痛みはなくなるのですが、
溶けてなくなってくると、
またズキズキズキズキ痛くなります。
何日か、そんな事を繰り返している内に、
おばあちゃんは、
ちいチャンを歯医者さんに連れていく事にしました。
ちいチャンの町には、歯医者さんは無く、
バスに乗って、ひと山超えて行かなければなりません。
ちいチャンは、歯医者さんを知りません。
おばあちゃんに連れられて、行った場所は、
機械や金属の治療器具が並んでいて、ドキドキする場所でした。
ちいチャンの治療の前に、同じくらいの年の子供が、治療を受けていました。
その子は、治療が始まると、口を大きく開けたまま、
大声で泣き始めました。
ちいチャンは、それを見て、
歯医者さんは、恐い場所なのだと思いました。
そして、
ちいチャンの番が来て、治療が始まった時、
痛いとか、痛くないとか、そんな事を感じる前に、
ちいチャンは、恐さで、泣いてしまいました。


               続く
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ちいチャン物語318「歯にあいた黒い穴」

2020年06月26日 19時18分37秒 | 日記
ある日、ちいチャンは、
歯がズキズキズキズキと痛くなりました。
歯に、黒い穴があいている様なのです。
ちいチャンは、おばあちゃんに、
「おばあちゃん、歯が痛い。」
と、言いました。
おばあちゃんは、ちいチャンの歯を見ると、
薬箱から、茶色の瓶に入った、
焦げ茶色の、小さな丸い薬を取り出して、
そして、それを、
ちいチャンの穴のあいた歯に、埋め込みました。
「はい、ちいチャン噛んで。」
と、おばあちゃんが言うので、ちいチャンは、
「い。」
と、噛みました。
なんだか、とても臭いです。
おばあちゃんは、この薬を、
ちいチャンがお腹を壊した時にも、
飲ませたりします。


             続く
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ちいチャン物語316「馬の足」

2020年06月24日 19時29分04秒 | 日記
馬は、足に、U字型の金属(蹄鉄)が付いています。
時々、その金属(蹄鉄)をはずして、新しくしたり、
爪を切ったりする様なのですが、
ちいチャンは、
(本当の馬の足って、どうなっててるのだろう?)
と、思います。
U字型の金属(蹄鉄)が無い足は、
フニャフニャで、フニョフニョなのかな、と思います。
だから、
蹄鉄の無い野性の馬は、
走る時に、足が痛くないのかなぁ、と、
心配になるちいチャンでした。

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ちいチャン物語314「琴姫」

2020年06月23日 18時49分01秒 | 日記
ちいチャンの家にある、白黒のテレビでは、
毎週、
ちいチャンの好きな、
「琴姫七変化」を映し出します。
「琴姫」は、
ちいチャンの中のヒーローです。
ちいチャンは、いつも、
(琴姫になりたいなぁ。)
と、思います。
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ちいチャン物語313「清潔検査」

2020年06月22日 18時59分41秒 | 日記
学校では、抜き打ち的に、
休み明けの月曜日に、
「清潔検査」というものがあります。
ハンカチ、チリ紙はきちんと持っているか、
爪は切っているか調べる検査です。
その日も、急に清潔検査をする事になりました。
いつもは、保険の先生がやるのですが、
この日は、生活指導の先生でした。
生活指導の先生は、いつも青竹を手に持って、
廊下をバシッ!バシッ!と叩いて歩きます。
全校生徒から、恐い先生と、一目おかれています。
生徒達は、廊下に一列に並べられ、
生活指導の先生が、一人づつ検査をして行きます。
ハンカチとチリ紙を見せ、両手を前に出さなければいけません。
爪がまっ黒だったり、ハンカチをもっていない生徒は、
バシッ!と、ほっぺたを叩かれています。
ちいチャンは、列の後の方でしたが、
身体ががくがく震えていました。
この日のちいチャンの爪は、
切られてなくて、伸びていたのです。
(どうしよう、ほっぺた叩かれる!恐い!)
心臓が、どぎときどき。
切羽詰まったちいチャンは、
歯で、爪を噛み切る事にしました。
運良く?ちいチャンには、爪を噛むクセがあり、
時には、爪を歯で切る事があります。
でも、10本の爪全部を、噛み切った事はありません。
でも、今は、やらなくちゃ!
生活指導の先生が、ビンタをしながら近づいて来る中、
ちいチャンは、恐怖しながら爪を噛み噛み噛み。
爪は、歯で噛み切ると、先端がギザギザギザになります。
ちいチャンは、
恐る恐る両手を前に出しました。
生活指導の先生は、恐い顔もせず、
ビンタもしないで通り過ぎて行きました。
ちいチャンは、
崩れ落ちるかと思うほどの、緊張感から解き放たれて、
放心状態で、立っていました。

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ちいチャン物語312「二日酔いの先生」

2020年06月21日 18時47分30秒 | 日記
ちいチャンのクラスの担任の先生は、
髪を五分刈りにしています。
男の先生です。
先生は、時々、
サングラスをかけて、教室に入って来ます。
前の日の夜に、
少しお酒を飲み過ぎたようなのです。
だから、
先生は、チョットお酒臭いです。
そんな日の先生の授業は、
教科書の問題をさせられます。
教科書の、〇〇ページの問題をするように、
と、言われます。
そして先生は、教卓に片肘を付き、
みんなを見渡すかの様に座ります。
しばらくして、クラスのみんなは耳打ちで、
ひそひそひそと話し始めます。
「先生、たぶん寝てるよ。」
「誰か、手を振ってみろよ。」
「先生、全然動かないよ。」
サングラスの奥の目は、開いているのか閉じているのか。
授業の終わりのチャイムが鳴ると、
先生は、まるで今まで起きて見ていたかの様に、
ゆっくりと立ち上がり、
終わりの言葉を言うと、
教科書を持って、去って行きました。
休み時間、クラスでは、やっぱりひそひそひそ。
「寝てたんじゃない?」
「寝てたよね?」
「オレ、手上げたけど気づかなかったぞ。」


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ちいチャン物語311「ずいずいずっころばし」

2020年06月20日 19時49分32秒 | 日記
“ずいずいずっころばし、ごまみそずい。
茶壺におわれて、どっぴんしゃん。
抜けた~ら、どんどこしょ。
俵のネズミが米くってチュウ、チュウチュウチュウ。
おっとさんが呼んでも、おっかさんが呼んでも、
行きいっこな~し~よ。
井戸のまわりでお茶碗欠いたのだ~れ。“
ちいチャンは、お友達と、
「ずいずいずっころばし」で遊んでいます。
両手をグーにして、人差し指と親指側を上にします。
オニ役の人は、自分の人差し指で、
歌に合わせて、みんなの指の穴をつっついてまわります。
歌が終わった時に、オニにつっつかれた人は、
つっつかれた方の手を、引っ込めなければいけません。
そうして、
一番最初に、両手ともオニにつっつかれた人が、
今度はオニ役になります。
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ちいチャン物語310「ガス湯沸かし器」

2020年06月19日 19時07分48秒 | 日記
ちいチャンの家には、
台所に、“ガス湯沸かし器”があります。
でも、少し古いです。
時々、火がつかない事があります。
おばあちゃんは、
何度も、つけたり消したりを繰り返します。
その内、
湯沸かし器も、お目覚めの様で、
ボッ!と火が付きます。
だけど、
湯沸かし器の機嫌の悪い時は、
湯沸かし器の全体で火を噴いて、
着火する時があります。
火が付く一瞬の時だけなのですが、
なんだか少し、危ないです。
ちいチャンの家の湯沸かし器は、
寝起きは、とても不機嫌の様です。
おばあちゃんも、少し、困っています。
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ちいチャン物語309「ストーブ」

2020年06月18日 19時11分46秒 | 日記
ちいチャンの家には、
マッチで火を付けるストーブがあります。
ストーブのノズルをぐるぐると回し、芯を出し、
その芯に火を付けます。
芯は、布の様な物で出来ていて、それに灯油が染みています。
おばあちゃんは、おばあちゃんなので、
少し、目が悪いです。
おばあちゃんは、芯を、いっぱいいっぱいに出し、
マッチで火を付けます。
火は、一気に芯をひと回りして、発火します。
でも、
モクモクモクモクと、黒い煙が出ます。
おばあちゃんは、急いで芯を低くして、
金属のフタみたいな物をかぶせます。
なんだか少し、危ないです。
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ちいチャン物語308「初めてのカレーライス作り」

2020年06月16日 18時50分46秒 | 日記
ちいチャンは、学校の調理実習で、
「カレーライス」を習いました。
バター、小麦粉、カレー粉で、
ルーから作る「カレーライス」です。
家ではいつも、
おばあちゃんがカレーライスを作ります。
だから、
ちいチャンは、カレーライスの作り方を知りません。
班ごとに、数人ずつのグループになり、
野菜を切ります、炒めます。
出来上がりは、班によって失敗もあります。
ゆるゆるのカレーライスになってしまったり、
ご飯が、「めっこご飯」になってしまった班もあります。
ちいチャンの班は、「味がしな~い」班でした。
でも、ちいチャンは、
(おはあちゃんに、カレーライスを作ってあげよう!)
と、思いました。
数日後、
ちいチャンは、ひとりでカレーライスに挑みます。
ジャガイモと、ニンジンと、タマネギと材料を揃えます。
おばあちゃんは、なんだかソワソワしています。
野菜を切っている時は、おばあちゃんは何も言いません。
でも、
フライパンや鍋に火が入り、作り始めると、
おばあちゃんは、
ああだこうだ、ああだこうだ、とうるさいです。
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ちいチャン物語307「防波堤のモーターボート」

2020年06月15日 19時34分52秒 | 日記
漁師さんのモーターボートは、桟橋にくくり付けられ、
チャポン、チャポンと揺れています。
そして、防波堤の砂浜にも、
まるで波で打ち上げられたかの様に、
モーターボートが何船か、
木の丸たんぼうで、止めてあります。
夏、海水浴の時、
子ども達は、この防波堤の砂浜に止めてある船に、
バスタオルやらサンダルやら、浮き袋などを置き、
裸足で海にかけて行きます。
海は広く、
でも、遠くの海面からも、
自分が置いたバスタオルやサンダルの船が分かります。
思いっきり!元気に!泳いで!遊んで!
そして、
船からバスタオルを取り、サンダルを履き、
浮き袋を抱えて帰ります。
防波堤の砂浜のモーターボートは、
まるで、子ども達の“ロッカールーム”です。
モーターボートは、いつも同じ場所に同じ船が止めてあり、
イタズラをしたり、壊したりする子供もいないので、
笑顔で、海辺で泳ぎ遊ぶ子ども達を見つめています。

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ちいチャン物語306「教育指導の先生」

2020年06月14日 19時19分29秒 | 日記
中学校には、
恐い男の先生が何人かいます。
教育指導の先生は、
廊下を歩く時、
片手に青竹を持っていて、
廊下を、バシッ!バシッ!と、
叩きながら歩きます。
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