飛来飛去 ~風の吹くまま~

中国・遼寧省瀋陽在住歴十数年。
最近ネタぎれ気味ですが、何気ない、でも誰かに話したい日々の発見を綴ります。

預金が引き出せない!

2018年10月19日 | 中国・瀋陽 暮らしの中から

9月中旬、定期預金が満期になったので、手続きをしに銀行へ行った。

窓口でいつものように、定期を引き出し、再び預けようと、行員に依頼した。

すると、行員がかちゃかちゃ、かちゃかちゃ、キーボードを叩く操作がなかなか終わらない。

パスポートのコピー等、一連の処理は終わっていたのだが、何か手こずっている様子だ。

すると、一枚の紙を渡してきた。

「ここに納税番号を書いてください」

 

納税番号?

 

「日本国籍なら、日本の納税番号があるはずです。それを書いてください」

「そんなの知りません。私はずっと瀋陽に住んでいて、瀋陽で仕事をしていますから」

「とにかく、この番号を入力しないと、システムの操作ができないのです」

 

仕方がないので、その日は定期に預けることができず、満期になったお金を普通預金の口座に入れることにした。

 

2週間後、もう一つ満期になる定期預金があったので、また銀行に行った。

前回の時は、満期の日を数日過ぎてから銀行に行ったが、この日は満期当日に行くことにした。

満期当日なら、いつもパスポートの提示等をせずに、再預金の手続きが出来ていたからだ。

 

銀行に行くと、この前と同じ行員さんで、私の顔を見るなり、「あっ、納税番号は?」と聞いてきた。

私が「日本の納税番号は無い」と言い張ると、一応、手続きを始めてくれた。

しかし、今度は、お金を引き出すこともできないと言う。

前回は、定期預金を引き出すことはできたので、もし、入金できないなら、ダンナにとりあえず預けようかと思っていた。

 

定期預金を預けることも引き出すことも出来ない...

 

どうすることも出来ないので、納税番号とやらを手に入れるしかない!

インターネットで中国に住む人のブログを調べると、日本のマイナンバーで対応できた人もいることが分かった。

中国では1~2年前から外国人の口座開設が厳しくなり、「納税番号」も求められるとのこと。

しかし、私が口座を作ったのは10年も前の話だったので、今まで特に問題なくやってきた。

そもそも、日本のマイナンバーが発行されたのは2015年で、私はその時点で日本に住民票がなかったため、マイナンバーを取得していない。

もし、マイナンバーが必要なら、日本に戻った際に住民票を戻して、取得するしかない。

 

しかし、私は日本では税金を払っておらず、中国で収入を得て、僅かだが、所得税も引かれている。

中国の納税番号があるのではないか?

日本人の友人に相談したところ、中国で税金を納めていれば、外国人でも「W」で始まる18桁の番号があるとのこと。

 

早速、国慶節の休み明け、職場に問い合わせてみた。

そうしたら、職場の財務課では、個人の番号は分からないので、区の税務局に行って問合わせて欲しいと言われた。

言われた場所に行き、パスポート番号を提示して照会してもらったが、私の名前は出てこない。

もしかして、古いパスポート番号かもと思い、調べてもらったが、やっぱり出てこない。

私の納税番号は無いのか?それとも、税金を納めていないのか?

 

また、職場の財務課に改めて聞きに行った。

しかし、財務課の人が言うには、きちんと毎月納税しており、それを税務局に報告しているとのこと。

この前行った税務局は出張所のような所だったので、次は、別の場所の税務局に行ってみた。

けれども、やっぱり私の番号は出てこない。

職場の納税番号から検索してもらっても、出てこない。

数人のアメリカ人の登録はされていたが、外国人教師の人数はそんなものではないはず。

 

職場の財務課←→区の税務局を何度か往復し、もうダメかと思いながら、もう一度税務局に行ってみると、なんと、私のパスポート番号を告げただけで、あっさりと番号が出てきた!

結局は、税務局のパソコンシステムに問題があったらしい...

今までの苦労は何だったの?!

 

とにかく、無事に中国の納税番号をゲットし、建設銀行へ赴く。

窓口の人は、「これは何の手続き?」と、初めは不思議そうにしていたが、パソコンにあれこれ私の情報を入力し、そこそこ時間はかかったものの、無事に登録ができた。

そして、私の定期預金も無事に引き出すことができた。

 

 

ちなみに、その後、中国銀行にも口座があるので、念の為に、納税番号を登録しておこうと窓口へ行った。

すると、窓口の行員さんは「そんな話、聞いたことがない」と言う。

事前にダンナが同じ支店の人に話を聞いて、納税番号を登録する申請書ももらっていたので、「規則が変わって、納税番号を登録しないと取引できないのでは?」と尋ねてみたが、「いや、そんなことはない」と行員さんも譲らない。

瀋陽では外国人が少ないので、このような対応に慣れていないだけなのでは?とも思ったが、他のベテラン行員さんもみんな知らないと言う。

埒が明かないので、100元を1年間の定期に入れてみることに。

もし、納税番号の登録が必要なら、操作の途中でエラーが出るはずだ。

 

100元と通帳を渡し、手続きをしてみると......あっさりと入金完了!

建設銀行のオンラインシステムでは、納税番号を入れないと手続きができなかったが、中国銀行ではそのようなことはなかった。(現時点では)

銀行によって、システムが違うらしい。

あと、普通預金のATMの取引等も、特に何の申請もなく、今までどおりできている。

 

今回の納税番号登録の件は、中国どうこうということではなく、海外の口座に預金を移し、脱税したりする人がいるので、世界的に管理が厳しくなっているそうだ。

それだけでなく、中国国内では、携帯電話を買う際の実名登録をはじめ、新幹線の切符を買ったり、観光地の入場券を買ったり、あらゆる場面で身分証の提示、本人確認が厳格化されている。

もちろん、犯罪を防ぐという意味では必要なことだし、良いことだと思うが、今までスムーズに出来ていたことが出来なくなったり、中国の身分証を持っていない外国人には不便なことも増えている。

今後、中国に来る(住む)予定のある方は、このような状況をよく把握しておいた方がいいと思う。

(まあ、規則はしょっちゅう変わるし、地方によって、人によっても対応が違うけど) 

そして、一度窓口で断られても、何度かチャレンジしたら、うまくいくこともあるので、諦めずにあれこれ手を尽くしてみるのも良いかもしれない。


最新の画像もっと見る

コメントを投稿