飛来飛去 ~風の吹くまま~

中国・遼寧省瀋陽在住歴十数年。
最近ネタぎれ気味ですが、何気ない、でも誰かに話したい日々の発見を綴ります。

久しぶりに...

2009年11月30日 | 日本語教師のつぶやき
いや~、充実した時間を過ごすことができました。


週末、またちょっと頼まれて、2日間だけ能力試験の対策授業をやってきたのですが、そこの学生達はみんな某一流大学の学生さん。

皆さん、見るからに“賢そう”なお顔をしていらっしゃいます。

以前の記事に書いたように、最近はずっととんでもないクラスで授業をしていたので、「学生が違うと、こうも違うものか」と、感動しっぱなしでした。


まず、教室に入った時、誰も私語をしていない!

机に着くと、かばんからさっと勉強道具を取り出し、ノートを開く。

そのノートも、これまたキッチリまとめられているのです。

日本で昨年「東大生のノート」が話題になっていましたが、やはり本当だなと改めて思いました。


初級の学生と聞いていたし、日本人の先生に教わるのは初めてということだったので、どれぐらいできるか心配していたのですが、単語や文法もしっかり入っていて、こちらが説明しようと準備していたことも、学生の方からちゃんと答えが返ってきました。

それでいて、初めて習うことには「おぅ~」とか「あぁ~」とか、ちゃんと「わかった」というリアクションをとってくれるし、ポイントもすばやくメモします。


間の休憩時間も「休んでいいんですよ」と言っても、ほとんどの人が席に着いたまま!
単語を覚えたり、友達と問題の答えを確認したり...
また、積極的な学生は、手を挙げて私に質問したり、習った言葉で会話を試してみようとしたり...

なんなんだ~!この違いは?!


全部当たり前といえば、当たり前なのですが、こういう学生と触れ合う機会が少なかった私には衝撃的でした。


先天的なものもあるのかもしれませんが、この人達は「有名大学の学生だから、勉強ができる」わけではなく、ずっとこのようにコツコツ勉強する習慣が身についているから、レベルの高い大学に入れたんだと思います。


まあ、個人的には、あまり賢すぎる学生よりは“性格のかわいいおバカ”な学生の方が好きなんですが、最近はあまりにも態度のひどい学生を相手にしていて、すっかりやる気がなくなっていたので、本当にいい刺激になりました。

やっぱり、ちゃんと勉強する学生と勉強がしたいんです、先生だって。


授業がうまくいっている、学生がどんどん上手になっていると思っている先生方。
それは先生がいいんじゃなくて、学生がいいんです!

あ~、これからもこういう学生と勉強したいな~。

冬のお昼

2009年11月14日 | 中国・瀋陽 暮らしの中から


こんな雪の日は、お昼ご飯もあんまり遠出したくない。


近くの吉野家にでも行くか!と、重い腰を上げる。


いつもの牛丼単品にするか、味噌汁のセットにするか、ちっちゃい選択で迷いながら店に着くと、新メニューの看板が...

「烏冬」


吉野家で「うどん」?

日本の吉野家ではおそらく無いであろうメニューに引かれ、うどんを食べることにした。

メニュー写真のうどんは完全に日本だけれど、実物はどうだろうか?



こちらが吉野家の牛肉うどん。

肉はもちろん、牛丼と同じ、甘辛い味付け。玉ねぎも入っている。

麺は日本の冷凍うどん。こしがあって、ツルっとしている。
具のなるととちくわは中国産で、食感がいまひとつ。

だしは、牛肉に味が付いているせいか、私にとっては、ちょっと醤油濃い目だったけど、まあまあのお味。


温かいうどんを食べて、身も心もほっかほか。

一般的な中国の牛肉面と比べると、麺の量も少ないし、お値段も3倍ぐらいするけど、うどん大好きなので、これから冬の定番になるかも。

日本語教師の嘆き

2009年11月13日 | 日本語教師のつぶやき
あんまりボヤキは書きたくないんだけど...


試験対策のために、週1回教えに行っていた日本語クラスの学生たち。

彼らは来年4月に日本に留学する。
つまり、4月からは、私が日本で関わっていたような日本語学校の学生になるわけだ。

私が日本で教師をしていた時、中には、授業中に寝たり、おしゃべりをしたりする不真面目な学生もいた。

でも、それは、日本へ来て親から解放され、浮かれた気分になっているのか、或いは、アルバイト等、日本での慣れない生活に疲れて、だらけているからだろうと思っていた。

少なくとも、国にいた時は、アルバイトをしなくても生活できるのだから、今よりも勉強に専念できていただろう。
せめて、日本行きの切符を手にするまでは、もうちょっと努力していたのだろう...そう信じていた。

しかし、中国に来て、日本に行く前の学生を目の当たりにして、やっぱり、勉強しない人は元から勉強しないんだということが分かった。


私が教室に入り、問題のプリントを配り、聴解のCDをかけたその時点で...

机につっぷして寝る。新聞を広げだす。PSPゲームで遊ぶ。携帯をいじる。恋人といちゃつくetc.

試験まであと数日とはとても思えない光景...

たとえ私の教え方に問題があるとしても、“試験対策”の授業なんだから、とりあえず、自分で問題を解いてもらわないことには始まらない!

これが少人数だったら、まだ我慢できるんだけど、十数人いるクラスで、真面目なのが2、3人。残りがこんな調子だから、さすがの私もやる気が無くなる。


携帯をいじっている学生に注意をすると、「すみません」という感じで軽く頭を下げる。
そして、携帯を机の下に持って行き、“一応”隠れて、携帯をいじり続ける。
それじゃ、「先生に携帯ちょうだい」と手を出すと、今度はポケットに携帯を入れる。
反省したかと思いきや、またもや1分も経たないうちに、携帯を机の上に出して触り続ける。

ここまで来ると、ほんとに赤ちゃんのおしゃぶりと一緒で、携帯触ってないと落ち着かない“依存症”。

またまた私が注意すると、今度は「用事があります」と中国語で言う。
「それなら、外でどうぞ」と私が言うと、「いえ、先生の話、聞いてますから」



反抗するわけでもなく、反省の色もなく、「何か怒られてるみたいだけど、そんなに悪いことなの?」という態度。

将来就職して、会議中にメールして、部長にもおんなじ事を言うのかね?こいつ!
髪型だけは、会うたび“グレードアップ”していくのに、中身の方は...


1週間に1回、たった50分しかない貴重な授業時間。
注意している暇があったら、1問でも多く、問題をやってあげたい。

勉強しようと思う人が1人でもいる以上、しょうがないけど、勉強しない人達は無視して、こちらも何とか気持ちをつなぎ止め、授業を続けるしかない。


いわゆる、“お勉強ができない”ということを問題にしているのではない。
人それぞれ、能力も違うし、向き不向きもある。

「何度やっても覚えられない」とか、「勉強したけど忘れちゃった」ということは、私自身もそうだし、「一緒にがんばろう」と思える。

問題は、勉強が好きじゃないにも関わらず、このように教室に座らされ、授業時間をただぼーっと過ごし、そして、日本へ送られ、日本語学校でも2年間寝て暮らし、どうして日本にいるのかも分からない人達が確実に存在することである。

勉強が嫌なら、日本語なんか習いに来ないで、別の道を探せばいい。

でも、“格差社会”の中国で、都会のそこそこ裕福な家に育った子供が、体を使った仕事を選ぶというのも無理なのかもしれない。

それはそれで可愛そうなことだが...


中国で日本語を教えている日本人の教師は、大体、大学とか優秀な高校で教えているので、そういう人達から聞く中国の学生像は、「日本の学生より勉強熱心で、真面目で、素朴で、かわいい」というもので、すこぶる評判が良い。

しかし、大学に入れた人とそうでない人の“質”はものすごく差がある。
(先ほど言ったように、“学力”ではなく、物事に取り組む姿勢や好奇心を持つ差である。)

そして、日本へやってくる大多数は、後者の「そうでない人」達。

そういう人達が、日本へ行くことで、経済的にもいろんな人達が“恩恵”を受けているわけで、事実、私も彼らの学費から支払われる給料で生活してきたわけだけど...

やっぱり、覇気の無い学生達を目の前にすると、空しくなってくる。

「お前ら、全員、日本へ行くな~!」って叫びたいくらい。

叫んだところで、みんな日本へ行くことは決まってるんだけど...はぁ~


せめて、事件・事故を起こさず、巻き込まれず、無事に生きてくれと祈るばかりだ。

もちろん、一生懸命頑張っている人達もたくさんいる。
彼らが日本でチャンスを掴み、羽ばたいてくれることも祈っている。

気になる看板

2009年11月10日 | ことばのお話


「中英人寿」





この看板を見ると、どうしても「中田英寿」(元サッカー選手)に見えてしまう...


わたしだけ?


実は、「国」と「国」が共同出資した保険会社なんだけどね。


人間の脳って、不思議...



ちょっと前、ネットでこんな記事を見た。

詳しく知りたい方はこちら
(※変なサイトではありません。ご心配なく。)

エスカレーターの謎

2009年11月09日 | 中国・瀋陽 暮らしの中から
東京では、エスカレーターに乗る時、左側に立ち、右を空ける。
大阪では、反対に、右側に立ち、左を空ける。

日本でよく話題になるエスカレーターのマナーだ。

「瀋陽ではどうか?」と言うと...正直、今まで気にしたことが無かった。

というのも、瀋陽にはまだ地下鉄が無く、エスカレーターを利用するのは、デパートやスーパーに行った時しかない。

デパートやスーパーは、いつも込んでいるので、エスカレーターも当然、人がいっぱいで、おまけに、みんなカートを持っている。


ある日、近所のスーパーに行くと、エスカレーターの乗り口にこんな表示があった。




「そうか、瀋陽では大阪と同じなんだ」と思って、右側に立った。




しかし、前を見ると、右に立っている人、左に立っている人、真ん中に立っている人、誰も表示を守っていない。




「やっぱりなぁ~」と、誰もルールを守っていない状況に苦笑...

でも、ふと、あることに気がついた。

人を押しのけ、エスカレーターを駆け上がって行く人が誰もいないのだ


最近では、ずいぶん“行列”が習慣化してきたとはいえ、バスに乗る時も、レジでお金を払う時も、隙あらば、後ろから押したり、割り込んだりと、“我先に精神”のこちらの人達。

赤信号でも、車が走っていてもお構いなしに、道路だって横切って行く。

その“せっかち極まりない”人達が、エスカレーターでは微動だにせず、みんな大人しく乗っているのだ。


不思議に思った私は、それから、いろんなエスカレーターをチェックしてみたのだが、やはり、日本のように、エスカレーターの端をすり抜けて、走って行く人は、ほとんど見なかった。

これは一体どういうことだろう?

前述のように、人が多すぎて、身動き取れないことが多いという理由もあるだろう。

しかし、人が少ない時や短めのエレベーターでも駆け上がって行く人はいない。


私の勝手な推測だが、こちらの人にとって、エスカレーターは“乗り物”という認識なんじゃないかなー?

「歩きたければ、階段を使えばいい。なんで歩かなくてもいい便利な物に乗っているのに、歩かなきゃいけないの?」ってことなのかも。


十数年前、今のように大きなスーパーが中国になかった頃。

中国のデパートには、上りのエスカレーターはあったが、下りのエスカレーターは無かった。(今でも当時からある古いデパートはそうである。)

エスカレーターの乗り口には、エレベーターガールならぬ、“エスカレーターガール”がいて、「いらっしゃいませ」みたいな言葉を書いたたすきを掛けて、無愛想に立っていた記憶がある。

中国に限らず、エスカレーターが出来たばかりの頃は、皆ちょっとしたアトラクション気分でエスカレーターに乗っていたのではないだろうか?


今の人達が、別に珍しがってエスカレーターに乗っているとは思えないが、何となく昔の習慣が身に付いているのかなー。

忙しいビジネスマンの多い北京や上海に行けば、また違う様子が見られるかもしれないが...


ところで、先日、日本のテレビ番組で、エスカレーターは右に立つか、左に立つかという話をしていた時、お笑い芸人の土田くんがこう言っていた。

「エスカレーターは真ん中に立つのが正しい!」

彼のお父さんはエスカレーター等の取り付けの仕事をしているそうで、片側に立つと板がゆがむし、また、走ったりするのもエスカレーターに負担がかかり、壊れやすくなるということだった。

最近では、「走らないように」と注意したり、一人しか乗れない幅の狭いエスカレーターも増えているらしい。

ということは、瀋陽の人達のエスカレーターの乗り方は正しい!


来年か再来年、瀋陽の地下鉄ができた時、どうなるか?
今後も観察を続けたい。

暖房あれこれ

2009年11月05日 | 中国・瀋陽 暮らしの中から
寒波も去り、寒さも一段落。
今日も最高気温が15度を超え、あさっては20度だって。


さて、今年も11月1日から暖気(暖房)が入った。



部屋にはこのような管があり、石炭を燃やし、お湯を沸かして、管にお湯を通し、建物全体を暖める。

各部屋はもちろん、お風呂場にもあるので、家中どこでも暖かく、福岡の家より快適だ。


しかーし、この暖気、ちゃんと機能すれば、もちろん最高なのだが、何かとトラブルも多く、悩みの種にもなってしまう。

このシーズン、新聞でも暖気の苦情・相談が紙面をにぎわす。





一気に気温が下がった先週末。
31日の夜からうちの暖気も暖かくなり、ほっと幸せ気分で眠りに就いた。

しかし、次の日の朝、管を触ると、なんと、冷たい...

「まだ温度が安定していないのかな?」と思い、部屋もそんなに我慢できないほどではなかったので、様子を見ることにした。

ところが、夕方帰ってきて確かめてみても、やっぱり冷たいまま

11月になっても、まだ外の気温が高い時は、暖気の温度を下げることもあるが、その日はこの冬一番の冷え込み。「今日暖房入れないでどうするの?」という寒さだ。
布団に入っても、布団が冷たくてたまらない。

でも、まあ、夜なので、管理会社に電話もできないし、仕方なく、明日まで待つことにした。

次の日の朝、起きて管を触ると...温かかった。

なんで、昨晩は冷たかったの?
もしかして、昼は温かくて、夜は冷たいの?

そう思いながら、職場へと向かった。


職場に着くと、先に来ていた同僚はコートを羽織っている。

案の定、暖気は冷たい。

この職場のあるビルはまだ新しいのだが、昨年も暖気の状態がよくなかった。
管の中に空気が溜まっていると、お湯の循環が悪く、温まらないので、ビルの管理会社の人を呼んで、管の空気を抜いてもらったが、やっぱり暖かくならない。

問い合わせると、うちのビルは、午後4時から午前8時までは暖房を入れているが、昼間は暖房を切っていると言う。

「それって、ひどくない?」

高い暖房費を払っているのに、一日の半分しか暖房を入れないなんて...
しかも、このビルにはオフィスが多く入っているので、昼間にここにいる人の方が多いのだ。

さらに、暖房供給会社に苦情の電話をしたところ、規定の最低室温18度(オフィスは16度)を下回っていたら、暖房を入れるようにできるが...と、何とも頼りない返事しか無い。

しかも、もし人を呼んで、測定してもらって、最低室温より高かったら、私達が費用を払わなければならないそうだ。
(そうしないと、みんな簡単に管理会社の人を呼んで、大変なのかもしれないが)

たくさん服を着ていれば、たまらない寒さではないが、暖かいはずのものが、暖かくないというのは、やっぱり納得できない。


職場の暖気は、昼つめたく、夜あたたかい。
家の暖気は、昼あたたかく、夜つめたい。

ということは...私は、一日中、暖気の恩恵にあずかれないってこと


そう思いながら家に帰ったのだが、おかげさまで、その日から夜も温かくなった。

うちの暖気は新しいタイプで、今まで管の空気の抜き方が分からなかったのだが、職場のを見てやり方が分かったので、ますます温かくなった。
(昨年はどうしようもないと言われ、あきらめてたんだけど、早くやればよかった)


暖気の前の場所は、一番の特等席。

その特等席は、愛しの唐辛子ちゃんが占領している。



早く大きくな~れ!



私も暖気の管に寄りかかり、温かさを堪能しながら、ほっこりした気分でいると...

ドン、ドン、ドン、ドンと、激しくドアを叩く音。

現れたのは町内会長のような人で、どうやら暖気のお金を多く払い過ぎているので、明日みんなで集まって、抗議するらしい。

まだまだ暖気の“煩悩”は続く...