飛来飛去 ~風の吹くまま~

中国・遼寧省瀋陽在住歴十数年。
最近ネタぎれ気味ですが、何気ない、でも誰かに話したい日々の発見を綴ります。

無印良品・1号店

2009年08月12日 | 中国・瀋陽 暮らしの中から
瀋陽に「無印良品」1号店がオープンしました。



先日、地元紙でその記事を見つけ、早速、行って来ました。

場所は、中街の東の端。
新瑪特(ニューマート)、蘇寧電器の東側にある「大悦城」というファッションビルの中です。


中街は古くからの商業街で、東西に伸びた歩行者天国に沿って、洋服、靴等の店が並び、デパートやショッピングモールもある所です。

が、大型スーパーの新瑪特が一番端っこだと思っていた私は、その先は薄暗くて、ごちゃごちゃしたイメージしかなく、今まで行くことはありませんでした。

その場所がすっかり開発され、道も舗装されて、見違えるような商業施設になっていました。
日本にあるショッピングモールと何ら変わりも無く、おしゃれで、綺麗な建物です。


「大悦城」はまだ新しいビルのようで、中に入ると、オープンしていないショップもありました。

日本ではあり得ないと思いますが、こちらではよくあることです。

「ほんとに今日オープンするの?」という造りかけの状態でとりあえず客を入れ、ぼちぼちとテナントが埋まり、次第にオープンしていくというデパートやスーパーを今までいくつも見たことがあります。


それはさておき、いざ「無印良品」のショップに足を踏み入れると、そこは、正に“日本”。

置いてある品物も、レイアウトも何もかも日本そのままでした。
(品物はほとんど中国製ですが...)



因みに、お値段も日本とほぼ同じ。日本語で書いてあるそのままのタグの上に、人民元の値段のシールが貼ってあるのですが、今のレートを考えると、日本円より若干お高め。

お店の面積はそんなに広くないのですが、1階は衣類、2階は雑貨売り場となっています。

何より“日本”を感じるのは、洋服の色合い

ピンクにしてもブルーにしても、こちらではあまりお目にかかれない、淡く、曖昧な感じの色使いが、たまらなく心をくすぐられます。


自ら外国に行っておいて、日本の物を求めるのはどうかと思う方もいるかもしれませんが、こちらでの生活も長くなると、やはり日本が恋しくなることがあるのです。

瀋陽も今では山のように店があり、あふれんばかりの品物が並んでいます。

でも、上海や北京と違って、「こんな物欲しいな」という日本では簡単に手に入る物がすぐには買えなかったりするので、無印が出来たことは、それはそれは画期的で、嬉しいことです。

店内をうろうろするだけで、癒されるし、そこに日本の店があるだけで、安心感が違います。

「大悦城」のもう一つの建物にはユニクロも入るようです。
看板はもう出ていましたが、昨日はまだシャッターがしまっていました。

ユニクロの価格なら、瀋陽でも全然高くないと思います。

問題は、無印もそうだけど、そのシンプルさが受け入れられるかなーってこと。

こちらの人は、鮮やかな色や派手なデザインを好む人が多いような気がするので。
私の感覚で言うと、「これ余計だな...」というデザインが“かわいい”らしいです。

気に入っていたお店が次に行くと無くなっていたり、置いてある物がすっかり変わってたり、というのもよくあります。

できるだけ長くお店続いて欲しいなー。

私はどちらかというと、中街より太原街の方が馴染みがあって、よく出かけていたんですが、これからは「大悦城」にも頻繁に出没するかも?


街がきれいになっていくのは、とっても嬉しいけど、それと同時に、古いものがどんどん壊されていっている瀋陽。

中街の辺りも、そこに何があったのか思い出せないほど変わっていて、現代的なビルと瓦礫の山が混在しています。

綺麗なビルの片隅で、綺麗な服を着た若者が、串焼きにかぶりついている姿が、正に今の瀋陽なのかもしれません。

扉をたたく人

2009年08月03日 | 大好き!コブクロ&エンタメ
夏の夜長(?)は映画鑑賞。

プロ野球のナイターが無い日は、夜が長く感じられるので、たいてい映画を見ます。


昨日は『扉をたたく人(原題:The Visitor)』を見ました。

インターネットの記事(日本の)で紹介してあるのを見て、良さそうだったので。


妻に先立たれ、仕事にも趣味にも熱中できず、無気力な日々を過ごす初老の大学教授が、会議のため訪れたニューヨークで、シリア人の青年と出会ったことから展開されるヒューマンドラマ。

派手なアクションや過激なシーンは無いものの、登場人物の何気ない表情やしぐさから、その心模様が垣間見られる....

わたしはこんな映画が大好きです。


国とは? 民族とは? 自由とは? 真の幸せとは?


様々なことを考えさせられる映画でしたが、アメリカの移民問題も大きなテーマの1つで、自分自身、中国で思うようにビザが取れなかったり、また、私の大切な人達が日本に入国させてもらえなかったりという“壁”を肌で体験している分、胸にぐっとくるシーンもありました。

また、「自分らしく生きるってどういうこと?」と殻に閉じこもってしまいそうな心を自然に開放してくれるような、そんな温かい空気感も漂っています。

重いテーマを扱ってはいますが、つらいばかりじゃなくて、思わず微笑んでしまう場面もあり、テンポも良くて、おすすめです。


福岡では、現在、KBCシネマで上映中。
(残りわずかかもしれないので、お早めに)

その他の地域でも、現在、上映中の所やこれから公開される所もあるので、是非見てくださいね。

くわしくはコチラ  『扉をたたく人』公式サイト


現在日本で公開中の映画がどうして中国で見られるかって?

それが中国です!

中国の映画なんか、劇場で上映されるが早いか、街角でDVDが売られ、動画サイトにアップされる国ですから。

日本の映画はDVDが出るのが遅いので、すぐにとはいきませんが、アメリカ映画なら、「これ見たいなー」というのは、大体、動画サイトを探せば、出てきます。


もちろん、素晴らしい作品には敬意を表して、きちんとお金を払って鑑賞させてもらうというのが私の考えですが。

日本でチャンスがあれば、もう一度、劇場に足を運んで、今度は日本語字幕で楽しみたい...そう思える作品『扉をたたく人』でした。
(邦題も素晴らしい!)