以前にも紹介したが、うちの大学の食堂は、なかなか充実している。
だから、春節をはさんだ冬休みの間は、ずっと食堂が閉まっていて寂しかった。
朝の豆乳ひとつ取っても、外まで買いに行くのは不便だし、値段も高い。
3月、新学期が始まり、「やっと食堂のご飯が食べられる」と思って食堂に行ってみると...
「現金支払い禁止!」の赤い横断幕が!
「えっ!どういうこと?」と思い、お知らせの貼り紙をよく見ると、今後は学校の食堂カードだけの支払いで、現金で買うことはできないらしい。
実は、学生や先生、職員達はみんなチャージ式のカードを持っていて、食堂でそれを「ピッ」とスキャンさせてご飯を食べる。
しかし、その場で現金での支払いも可能なので、私はあえてカードを持つことも無く、普通の飲食店のようにお金を払っていた。
でも、今後カードだけになったら、私はどうなるの?
しかも、現金での支払いに応じた店は罰金もあるらしい。
「私もカードが欲しいな」と思い、とりあえず、外国人教師担当の事務所に尋ねてみた。
副所長がいなかったので、事務のお姉さんに伝言。...しかし、一向に返事が来ない。
こんなことはよくあるので、またもう一度、お願いに向かう。
「今、外国人教師のカードをどうするか検討中だから」
そう言われると、しつこく催促するのもあんまりなので、しばらく待つことにした。
事務所の人には「お金で払っても大丈夫だよ」と言われたが、「もし私のせいで、お店の人が罰金を取られたらどうしよう」と思うと、食堂に行きづらい。
いちいち「現金でもいいですか?」と聞くのも、なんか嫌だし...
それから、しばらく経ったが、やはり事務所からは何の連絡も無かった。
お昼に食堂へ行かない私を見て、同僚の先生達が気遣ってくれ、私の知らないところで、だいぶ動いてもくれたようだ。
しかし、いつになったらカードができるのか?誰も分からない。
そして、1ヶ月以上も経った先週のこと。
一人の学生が私のところへ来て、「先生、食堂のカードを作りたいですか?」と聞いてきた。
「ええ、もちろん!」
その学生は私に申し込みの場所や方法を教えてくれた。
でも、どうして学生がそんなこと知ってるの?どうして学生経由で教えてもらわなきゃいけないの?
どうやら同僚の先生がいろいろ調べてくれて、学生に伝言を頼んだようだったのだが、それよりも当の事務所が動くことじゃないの?(忙しいのは分かるけど)
学生にお礼を言って、次の日、私は自分でカードの申し込み事務所に行った。
窓口の人はすぐに申込書をくれた。しかし、そこには管轄部署の印鑑が必要だ。
申込書の書き方も分からないので、私は外事所に行くことにした。
申込書の記入はすぐできたが、担当の人がいないので、また、午後出直すことに...
夕方、担当者と連絡がつき、印鑑は無事にもらうことができたが、カードの申し込み窓口はもう閉まっている...
カードの申し込みひとつで一体何日がかりなのか?
翌日、また窓口に行くと、担当者の人は、さっさっさっと手続きをしてくれ、預かり金の領収書と一枚のカードをポンとくれた。
以前の話では、カードに写真を付けたり、手続きが面倒くさいと聞いていたのだが、私のカードは「臨時カード」と言う物だったので、写真はもちろん、特別の審査も無く、すぐに手続きできた。
「申込書書くだけで、こんなに簡単なら、もっと早くできるでしょ~?!」
1ヶ月も引っ張る事でも無さそうだし...所長が忙しくても、事務員でも誰でもできるでしょ!
事務所の人に聞くと、他の外国人教師は誰もカードの申し込みをしていないのだとか。
アメリカ人が要求したら、すぐ動いてくれるのかな?気弱な日本人ひとりの力では足りないの?
中国では、何でも自分で積極的に行動しなければ、何も変わらない。
そのことはよく分かってるんだけど、やっぱり小心者のわたし...なかなか何度もは言えないし、ましてはキレることもできないし。
こんなとこで、ひっそりつぶやくだけ。
やっと食堂のカードを手にすることができた。
しかし、まだ今日はこのカードを使うことはできない。お金が入っていないからだ。
チャージの時間は午前中だけ!もう~!!!(時間外はATMでもできるが)