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イムジン川 水清く 静かに流れゆき
鳥は 川よぎり 自由に飛び交うよ
南の故郷へ 何故に還れぬ
イムジンの流れよ 答えておくれ
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いつ、僕は、この曲を知ったのだろう。
きっと大学生の頃、うたごえ運動にかかわっていた頃に違いない。
大隈講堂・時計台の前で、アコーデオンを弾く
長い黒髪の女学生を囲んで、合唱していた群れがあった。
たしか、「カチューシャ」、とか、「灯」、とか、
「ボルガの舟歌」とか、「ウラルのグミの木」 を歌っていた。
その、黒髪の女学生と、合唱の歌声、に魅かれて、
僕は、その群れのすぐ近くで、聴きほれていた。
合唱が終わって、黒髪の子が、僕に近寄ってきて、
≪一緒に歌いませんか≫ と言った。
僕は、その群れの一員になった。
何と、”うたごえ運動サークル” であった。
後で知ったのだが、このサークルは、
ロシア民謡、反戦歌、革命歌 などを歌う、
政治的色彩の濃い、民主青年同盟の歌声部門でした。
多少違和感を感じながらも、
2年間、合唱する楽しさや、喜びを知りました。
きっと、そこで、「イムジン川」を歌ったのが、最初らしい。
○
僕は、小中高と、歌うことは、
僕の生活の中には、皆無だった。
たしか、音楽の通信簿は、
いつも、5・4・3・2・1の2 か 3、だった。
が、23才だった大学5年生の時、
この≪歌声≫に触れて、生まれて初めて、
「歌う声」に心の琴線が揺れたのでした。
2年間、この、うたごえ運動に参加しました。
7年かかって、やっと大学を卒業したのでした。
○
今から68年前、朝鮮半島は、同じ民族が、
北と南―共産主義国と資本主義国―に分かれて
戦争になった。
イデオロギーの戦いだった。
北は、中国・ロシア、南は、国連軍とアメリカ が支援。
3年後、38度線、で、北と南 が 分断された。
北は、朝鮮民主主義人民共和国、南は、大韓民国 に。
僕は、5才から8才の時。
あれから、65年たった今、僕は、73才。
○
昨日、金正恩、北朝鮮労働党委員長 と
文在寅、韓国大統領が会談をした。
僕が、生きているうちに、南北朝鮮が、和平に向かう機会は、
まず、無いだろう、と、思っていた。のだが・・・・・・・・、
イヤー、すごいことが起きた。びっくりいたしました。
〇
18才の時、テレビ画面で、
「ケネデイ大統領暗殺」が報じられた。
23才の頃、
ベトナム戦争の、「少女が裸姿で、泥にまみれて、
逃げ惑う写真」を見た。
べトナムに平和を、のベ平連デモに参加した。
50代になって、
ゴルバチョフ首相が、
ソビエト連邦を崩壊させた。
また、東西ベルリンの壁が、壊され、
東西ドイツが統一された。
この、歴史的出来事と、同じくらい、
今、僕は、びっくりしている。
でも、嬉しい限り、だ。
〇
強面で、強い口調で、演説する姿や顔しか、
テレビで見ていなかった
金正恩委員長、若干30才代。
笑顔。自分の言葉で語る。屈託のないしぐさ。
新しい、若き指導者、の素顔の一面をTV画面で見た。
ヒットラーのような、不気味さや、恐さ、異常さ、を
恐れていたけども、
そうでもなさそうで、ほっとした僕がいる。
きっと、帝王学を、叔父や父親や、から、
よく学んだのかもしれない。
「ロケットボーイ」「小僧」などと、
揶揄していたトランプ大統領が、
いっぺん、「立派な青年」と、褒めている。
トランプ大統領は、柔軟に、人や物を見ることができる人
なのかもしれない、と今思える。
これからの世界の動向に、目が離せない。
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朝鮮半島の、38度線を、一本の川が南から北へ、
流れている。
「イムジン川」だ。
韓国に発し、境界線を突っ切って、
北朝鮮に流れゆく川、だ。
イムジン川は、韓国にも、北朝鮮にも、流れている。
同じ民族が、分断された哀しみ、を歌った曲が
♪「イムジン川」。
僕が、ギター弾き語りで、歌う譜面を紹介します。
〇
僕は、うたごえ運動に参加していた頃、
大学の大隈講堂で、上映された映画を見ました。
それは、金日成が、革命を成功させ、
朝鮮民主主義共和国を建国した
まあ、オルグ映画でした。
僕は、あんなに意気情熱に燃えている同世代の北朝鮮の
人々の姿に、感動しました。すごいなあ!と。
当時、左翼系学生たちの、あこがれは、
ベトナムのホーチンミン、であり、
中国の毛沢東、であり、
北朝鮮の金日成、でした。
また、インドのガンジーや、
アメリカのマーチン・ルーサー・キング
などでした。
僕も、うたごえ運動に係わるようになったり、
学園闘争に係わったりして、
左翼的思想に触れました。
アメリカ帝国主義、独占資本主義粉砕!
なんていうスローガンが、学生会館には、
べたべた貼ってありました。
が、ノンポリ学生でした。
○
大学を卒業して、英語の教師になり、
たまたまミションスクールに務めました。
聖書やキリスト教に接しました。
アメリカの教会を視察にも行きました。
また、自費で、夏休みに、
イギリスに英会話研修に行きました。
学生時代に、ぼんやり憧れた社会主義国、
ではない、最たる資本主義国。
実際に、短期間でしたが、生活してみて、
そこでの人々と触れ合ってみて
わかったことは、人は、イデオロギー、
つまり、社会体制ではなく、
あくまでも、その人なのだ、ということでした。
個人として、一人一人の人に向き合えば、
みな、喜怒哀楽があり、家族があり、友がいて
恋人がいる。そこを、まず見なければいけない。
ふと、つい最近、読む機会に恵まれた、
ロシアの作家、ドストエフスキー
が、社会体制転覆より、まず、人の心、を変えることが先だ、
と書いていたのに出逢いました。
「白痴」「罪と罰」「カラマーゾフの兄弟」
ダイジェスト版で読んだだけですが、びっくりいたしました。
まずは、「人」。
人々が集まって、社会を作る。
どんな社会を作るかは、
その人々が、自分たちで決めることだ。
そうだ、今日は、僕が住んでいる町の、
町内会総会、だ。
まずは、町の人々と、意見交流をすることだ。
教師を辞めて、17年目。
一平のペンとギターで、
自分の足元で、
人々とかかわってゆこう。
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PS。 僕の、 「イムジン川」♪ のギター弾語り
を、≪音一平Facebook ≫ と ≪YouTube≫ に
投稿します。お聞きくださいませ。