ブログ「教育の広場」(第2マキペディア)

 2008年10月から「第2マキペディア」として続けることにしました。

「天タマ」第25号

2006年10月09日 | 教科通信「天タマ」
「天タマ」第25号(1999年11月22日発行)

           市立看護専門学校 哲学の教科通信

 18日はオンブズマン(オンブズパースン)制度を詳しく検討しま
した。

 講師の話の要旨は次の通りです。

 (1) 日本社会は今後の進むべき道を決めかねているが、いずれに
せよ行政改革は最重要な課題である。

 (2) 政権交代の見通しの小さい日本では政治主導の行政改革は難
しく、情報公開とオンブズマンの力しか期待できるものはない。

 (3) 都道府県レベルの情報公開条例は数年前からあるが、国家レ
ベルの法律は出来たばかりでまだ施行されていない。静岡県の情報
公開度はオンブズマンによって「番外」と評価されている、開示請
求に対して費用を要求されるためである。

 (4) 都道府県レベルの情報公開条例を使って市民オンブズマンが
公務員による公金の不正使用を追及してきた。静岡県では「預かり
金」問題である。

 (5) 公文書開示請求の実際について、講師の経験(県立大学教員
のアルバイト及び県立大学での他大学教員のアルバイトの実態の資
料請求)を説明した。

 全体として、皆さん大いに興味をもってくれたようです。私が情
報公開を請求したこと、あるいは「生徒に説明するには自分で経験
しなければならない」として実行したことに感心して下さる意見が
多数ありました。次は裁判の経験をお話しましょう。乞ご期待。

 恋愛のタイプに関する心理テストは今年も好評でした。こういう
テストをすること自体が意外だった人、テストの結果が意外だった
人とか、いろいろだったようです。

      情報公開条例とオンブズマン

──情報公開を請求するにあたってお金がかかるなんて知らなかっ
た。情報公開は義務なのにどうしてお金がかかるのか、不思議だ。
他の県ではお金がかからないのに、静岡ではなぜかかるのか、疑問
だ。

──情報公開によって接待費について県が市民に非難される前後(
多分4年くらい前)に私はホテルの和食料理屋でバイトをしていま
した。非難される前年、年末や年度末には県庁の忘新年会や歓送迎
会の予約が沢山入っていました。支払いのことはよく知らなかった
のですが、県の公務員はお金があるんだなと、よく思っていました。

 その接待費や食費の問題が出た年から県庁の自粛が始まって、私
のバイト先は予算を確保できなくなりました。県庁の公務員が税金
を使ってそういう事をするのは許せないけれど、それによって企業
も恩恵を受けていたのだと、すごく実感できたのを思い出します。

 県立大学の語学の先生の件も、私は大学の先生と外部の講師とに
英語と独語を習っていました。大学の教授の独語の先生はつかまえ
るのが大変でした。他の教授(文系の)で授業以外ではあまり見た
ことのない先生や部屋の電気がついていたのを見たことのない先生
などもいました。今考えると、彼らはアルバイトに行っていたので
しょうか。私は食品栄養科学部だったので、教授は大体部屋にいま
した。でも、アルバイトはしていたかもしれません。

      大学と大学教員と大学生

──他大学の先生がアルバイトにきて、その学校の先生よりもレベ
ルの高い授業をしていたのならば、私はそれでいいと思った。しか
も、毎回同じ先生ではあまり面白くなく、違う先生に教わることで
ある程度雰囲気も変わって、その方がいいと思った。

 ★ 自分の学校の授業のほかにアルバイトしたら忙しくて十分な
準備ができないと思います(教科通信などとても出せません)。そ
れなのにその学校の先生の授業よりレベルが高いとすると、その学
校の先生はよほどひどい授業をしていることになります。これを是
正する方が本当なのではないですか。

──私は家庭教師のアルバイトを去年からしているのですが、去年
は「お金をかせぐためにバイトをする」という思いが強かったため
、5人の生徒を持っていました。そのため、1人1人の生徒に合っ
た教えが出来ませんでした。頼まれたことも、どの生徒に頼まれた
のかも忘れることがあったりして、いい加減だったと自分でも思い
ました。

 幸い、みんな第1希望の高校へ進学できましたが、私は反省して
、今年からは1人の生徒だけで週2回で持つようにしました。バイ
ト料は減ったけれど、今はその生徒のために一生懸命に教えること
ができています。暇なときは無料で教えることもしています。1人
の生徒(人)の人生の一部を任されているのだから、いい加減にす
ることはできないことを改めて感じました。

──学校の先生の質が小、中、高校、大学と上にいくほど落ちてく
るというのは、私もそう思う。小中学校の先生の方が高校の先生よ
りはるかに親身になって生徒に接してくれた気がする。

 でも今の学校の先生は、その小中学校の先生以上に質は良いと思
う。なぜなら、それぞれの授業でアンケートを配付したりして、授
業をよりよいものにしようと努力してくれたり、疑問に思って分か
らない所は、聞きにいくと、納得するように説明してくれたり、生
徒一人一人とまめに面接を行ってくれたりするからです。

──私の友達も同じ高校を出て、心理学を勉強するんだと言って張
り切って大学に行きました。しかし授業の内容は求めていたものと
違ったらしく、今では授業へも単位を落とさない程度出席し、心理
学を学ぶという目的も忘れて、バイトに励んでいます。この生徒側
よりも大学の授業に問題があることをもっと指摘するべきだと思い
ました。

        心理テスト

──心理テスト、楽しかったです。先生はどのタイプでしたか。先
生の恋愛についても聞いてみたいです。よかったら、また聞かせて
下さい。

──私は心理テストが大好きで、よくやっている。結果を本気にと
らえるわけではないが、やることそのものが楽しいのである。結果
は、自分の思っていた通りなら信じるし、違うと信じないというよ
うに、都合よくとらえている。でも、最近は、自分が違うと思う結
果が出ても、「もしかしたら自分の新しい一面かも」と思うように
なった。(中略)しかし心理テストの結果は結果としてとらえ、や
はり今まで通り自分らしく生きていきたいと、いつも思う。心理テ
ストは楽しんでいきたい。

        その他

──「天タマ」第24号で、先生の知識が朝日新聞をよく読むことに
あると書いてあってびっくりした。なぜなら、私の父親も同じこと
を言っていたからです。私の家は、父の子供の頃から約40年、朝日
新聞を取っているそうです。そして、父は新聞をすみからすみまで
全部読んでいます。

 私は中学生くらいの時、この新聞は難しすぎて読めない、スポー
ツ欄が少ないと、よく文句をつけていました。けれど、高校生ぐら
いになって新聞をしっかり読み、分からないことは父に教えてもら
っているうちに、この新聞がとても楽しくなってきました。はっき
り言って、今でもよく分からないものが多いです。でも、いろいろ
な小さな記事を読んでいると、こんなことがあったのかと感心して
しまいます。(中略)分からないことを勉強しながら、もっと新聞
を読んで、私もいろいろな知識をつけたいと思います。

 ★ 朝日新聞も最近はレベルが低下していると思いますが、これ
より良い新聞がないので仕方ないと思います。これからは情報のあ
ふれる時代になりますが、それに振り回されないようにしたいもの
です。そのためには、自分にとっての基本的な情報源を決めてそれ
を中心にし、補助的に他のものを使うということではないでしょう
か。

 朝日新聞を手掛かりにして他の情報に接触することも含めると、
朝日新聞はその基本になりえると思います。又、こちらから意見を
出していくことも大切だと思います。朝日新聞もNHKも、私の投
書に対しては「もっともだけれど」と言いながら、へんな理屈を付
けて、採用しませんが。
 

 第1回のアンケート「より良い授業のために」をとりました。

 授業自体が皆さんの意見を聞く授業のため、又毎回の「その他」
で問題点は出されているので、改めて扱う必要性も少なかったよう
に思いました。そこで、纏め方としては、講師の問題提起を中心に
することにしました。

 2番のカンファレンスのテーマの数とレポートのテーマの数も、
絞る方向で既に改めていますが、今後もそのようにします。

 3番の休憩では、和敬塾、心理テスト、愛のうたなどが好評だっ
たようです。休憩は不必要とする意見と、休憩が授業の延長みたい
だという意見が、それぞれ一つありました。

 4番の休み時間に「天タマ」を読むことは、構わないという意見
が過半数でしたが、休み時間と授業は分けるべきだという意見、委
員会などがあって読めないこともあるなどの事情も分かりました。
今後は「授業の最初の10分までに読みおえる」ということに変えま
す。木曜日の当番は12時50分に来てください(5分遅らせます)。

 5番の講師の態度が公正かは、ほとんどが「公正」ということで
したが、これは論じたいテーマです。まず、クレームを挙げます。

──私は一番最初の当番をやりました。授業中に、毎時間御用聞き
にくるように言われました。その後に先生が言ったこと(今日は2
回なので来なくていい)を聞いていなかったので、その授業の終わ
りに「後で昼休みに行きますか」と私は先生に聞きました。すると
先生は、昼休みのみんなのいる廊下で、「さっき来なくていいって
言ったじゃないか」とどなりました。私は確認のつもりでもあった
し、最初だし、しっかりしないとと思って聞いたのに、とてもショ
ックでした。みんなの前で怒鳴られて、すごく恥ずかしかったです
。不公正ということとはちょっと違いますが、もう少し人の気持ち
を考えた発言をお願いします。

 ★ 1度話したことをきちんと聞いていなかったことは悪い。し
かし、その時の注意の仕方が問題である、ということだと思います
。「怒鳴った」と取られるのは私の声が大きいからだと思います。
これは私の耳が少し遠いことからくるのです。私は「怒る」ことは
ほとんどありません。しかし、それはともかく、私の発言の仕方が
世間的常識をこえていたかとなると、そんな事はないと思います。
それに私の場合、「授業要綱」を配って説明しているので、ただ口
で説明しているだけではないので、聞き漏らしは一層悪いこととな
ると思います。看護婦になると、1度でしっかり聞いておかなけれ
ばならないことは沢山出てくるのではないでしょうか。

 1度言ったどころか授業でテーマとして取り上げて長々と論じた
「アンケートの匿名について」理解していなくて、今回、「このア
ンケートはなぜ記名なのですか」と質問してきた人が2人います。
これは授業が分かっていない証拠ですから、成績にひびきます。

──少し意見を押しつけている部分もあるかなと思ったりしました
が、はっきりしていて気持ちがいい部分もあります。公正かどうか
分かりません。

 ★ 私に対する反発(この筆者は反発していない)の原因の大部
分は、毎年、この理由のようです。私としては、これは仕方ないと
思っています。大学教授は「プロフェッサー」の訳語として作られ
ましたが、これが実に誤訳なのです。本当は、教授(教え授ける人
)ということではなくて、「前に(プロ)持ち出す(フェロー)人
」という意味です。つまり、自分の主義や考えをはっきりと主張す
る人のことです。

 私はただ「プロフェロー」しているだけです。日本にはそういう
本当の「プロフェッサー」が少ないので、私が「個性的」に見える
だけだと思います。皆さんは、自分の主義主張のない先生を軽蔑す
るような人間になって下さい。

 生徒に発言の機会を十分に与えないとしたら、それはまた別問題
ですから、その時はそれを指摘してください。

 次のような意見もありました。

──公正だと思います。しかし、指摘する時の言い方(書き方)が
私たちには理解しにくい部分があり、誤解が生まれてしまったと思
う。

 ★ 人間関係に誤解は当たり前ですが、その程度がひどい場合は
やはりどこかに、どちらかに問題があるのだと思います。大部分の
人が理解しているのに、一部の人が理解していないとかだと、やは
り理解力に問題があることになると思います。

 一番の問題は、公正と評価してくれた人達がその根拠をほとんど
挙げていないことだと思います。根拠を挙げている例としては、「
生徒の意見によく対応している」くらいでした。みなさんは今まで
に「こういうのは不公正だ」という経験がないのでしょうか。私は
先生に嫌われつづけてきましたから、一杯あります。それで自分は
そういう事はしたくないと思っています。

 「天タマ」へのレポートの掲載の仕方などは大切な問題だと思い
ます。授業の趣旨に合ったものを載せるのが基本でしょうが、1度
も載らない人を出すのは拙いと思います。また、批判的な意見、疑
問を出す意見は努めて載せるようにしているのですが、そういう事
は気づかなかったのでしょうか。

 また、皆さんは「生徒が悪い場合には先生は怒ってもいい」と思
っているようですが、私は「先生は怒るべきではない」あるいは「
怒る必要がない」と考えています。この点については、18日の授業
で寝てしまった生徒がいたのに、「看護過程で疲れているから」と
容認したことを「相手の気持ちを思いやる態度」と見た人もいるよ
うです。

 一般的に言うと、判断の根拠を考えるようにして欲しいし、この
授業について言うなら、いろいろな面について「なぜこうしている
のか」と考えてほしいと思います。

 6番の家族や友達との授業についての会話も随分話した方だと思
いますが、まだ少ないと思います。家族と真面目な話をするいいチ
ャンスだと思います。「家族や父母との会話が増えた」という人も
数人います。冬休みにはぜひ「天タマ」をみせて、意見を聞いてみ
て下さい。文集の提出は1月ですし、2回目のアンケートの提出も
1月にしましょう。

 出ていたものを掲載します。

──休憩の取り方がビデオを観るとかで変わってるねと言われた。

──父にトップについて聞いたら、「難しいことを考えてるんだな
」と感心していた。「いつの間にかいろいろな事を考えて、親はな
くとも子は育っていくんだなあ」と言っていた。父と初めて真剣に
まじめに話したと思う。いつもは照れくさくて話せなかったように
思う。

──看護婦の勉強に哲学があるんだね、と母。

──家族に話したら、みんな興味深く聞いてくれた。母が「天タマ
」を読んでみたいと言っていた。

──学校ではこんな事学んでいるのね、と言っていた。
 ★ 親は子供の学校での様子を知りたいのです。

──話し合う授業は考えを深められるのでいい、と言っていた。

──哲学の授業は歴史上の人物の考え方、それに対する自分の道を
考えるんじゃないの、と言っていた。

──友達は、考えることが多いから大変だね、と言っていた。

──(トップで8割決まるについて)トップはその分、責任が重い
、と言っていた。

──私の司会の体験に対し、先生は「会議の進行についてきちんと
義務教育で教えていない」と指摘され、夫に話したら、「それはそ
の通りだ」と言っていました。

──みんな、授業を受けてみたいそうです。

──アンケートの匿名について話した。その人が名前を出したくな
ければ出さなくていいのでは、と言っていた。

──物事を深く根拠をもって考えることに対してやや抵抗があるら
しい。

 ★ その他、「しゃっくりはつぼによってピッタリ止まりました
」という報告がありました。万歳!

 レポートへの感想がなくなったので寂しいという意見が2つあり
ました。