ブログ「教育の広場」(第2マキペディア)

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「天タマ」第22号

2006年10月05日 | 教科通信「天タマ」
「天タマ」第22号(1999年11月08日発行)

           市立看護専門学校 哲学の教科通信

 今年は「先生と生徒は対等か」ということから始めました。これ
は親子、看護婦と患者、上司と部下の関係にも関係しているという
ことになりました。又、下の立場だけから考えるのではなく、上の
立場からも考える必要があるということでした。又、それはその関
係を取り巻く大小の状況とも関係させて考えなければならないとい
うことでした。

 これらを踏まえて、今後は当面、両者の関係を公正なものにして
いく様々な方法を考えてみます。まず4日には「生徒による授業評
価」を取り上げました。

      生徒による授業評価の経験

──本校でも一部の授業で行われている。授業の内容、先生の態度
、声の大きさなどについて生徒が評価するものであった。最初は1
~5にマルを付けて評価するのだが、最後に記述もある。先生の熱
意が感じられた。

──実習のあとには、今回の実習での担当教官の熱意や指導のあり
方はどうだったのかというアンケートを書きました。私は、初め書
くのがイヤだったけど、しっかりそのアンケートを書いたら、今後
先生たちが考え直して授業や実習に臨んでくれると思い、書ける所
はしっかり書くようにしました。

──中学高校と通っていた塾ではこのようなアンケートが定期的に
、しかも先生一人ずつ、細部にわたって生徒が評価するということ
を行っていました。そして、授業が分かりにくい先生や、生徒が嫌
いな先生は、すぐにとばされたりして、先生がどんどん代わってい
ました。このように先生を代えることが正しいのかは疑問でした。

──小学校の頃、先生への通信簿を書いて交換したことが一度だけ
ある。わたくしはその先生が好きで、オール「よくできました」だ
った。授業評価は両者の信頼関係を築くのに役立つから導入すべき
である。

──私は中高一貫校だったが、そこでは生徒ではなく、親に子供の
話を聞いてもらい、学校への意見を出してもらうというものがあっ
た。匿名で。私の家にも高3の時、そのアンケートをやってもらい
たいという依頼がありました。両親にも、なんでこんな回りくどい
やり方をしているのだろうという意見もありました。なんで直接生
徒に聞かないのか、考えていました。

──私は中高一貫校だったが、毎年ではないが、全校で、先生方や
学校の方針についてのアンケートを行い、無記名だったので正直に
書けた。

──教師側の希望で行われるのだと思ってきたが、生徒側の希望で
も可能であることが分かった。生徒側にも自分に合った教育、好き
な先生を選ぶ権利があってもいいのではないかと思った。私の知り
合いの大学生は、人気のある教師の授業を受けようと希望を出した
が、抽選で外れた。生徒側の選ぶ権利も重要だ。

──授業は先生と生徒が協力してつくっていくものだと思うので、
先生が生徒に授業態度のことで注意したりすることが出来るのなら
、生徒も先生に要望が言えてもいいと思います。

──教師は自分の中でだけ考えた授業を行うのではなく、生徒の反
応、反響を取り入れつつ、毎回、授業のやり方を変えたり、生徒の
意見から日々改善することが大切だと思う。

──高校の時、担任の先生に「○○先生は分かりずらいです」と訴
えても、「ああ、しょうがないねぇ。でもがんばってみて」としか
言わなかった。授業の評価を先生に訴えても、生徒の意見を受け入
れてくれる制度が学校になければ、意味がない。

      その問題点と提案

──評価を求めても賛否両論になる。先生はどうするのかな。
──小学校での導入は早すぎる。中学高校では行うべきだ。
──中学では内申点を気にして思ったことが言えないことが考えら
れる。

──小中高は決められた授業で決められた先生なので、授業評価ま
でやらなくても、意見があった時にはいつでも意見を出せるような
方法をとればよいのではないだろうか。

──アンケートより生徒の受講態度が評価になると思う。つまらな
い授業は生徒は聞いていない。分かりやすく教えてくれると真剣に
聞く。知的好奇心をくすぐるような授業は拍手したくなる。先生達
はそこからも感じてくれるといいと思う。

──本校でのそれもそうだが、たいてい、授業の最後にアンケート
をとるため〔改善点があっても〕私たちの授業では直してもらえな
い。授業の中頃にやってほしい。

 ★ 1時間ごとという意見もありました。

──先生が本当に直してくれるのか分からない。制度からみて直せ
る限度もあると思う。

──アンケートをしたら結果を公表し、改革案を発表してもらいた
い。

──アンケートをとる授業は大体よい授業で、本当に考えてほしい
授業ほどアンケートを取らない。

──匿名で評価表を出すのは、先生の悪い所など言いにくいことも
素直に書けるので、場合によってはいいと思う。

──アンケートを生徒が集計するのもいいと思う。最終的には先生
と生徒の信頼関係の問題だと思う。

──先生でも生徒でもない所がアンケートをとって、それを生かす
ことが大切だろう。

──生徒が本心でアンケートを書いているかが問題。
──好き嫌いの感情の入ってしまうのが問題。
──授業そのものではなく、先生の人間性についての評価になって
しまう恐れがある。

──私は授業評価に何の関心も持っていなかった。めんどくさいだ
けだったように思う。導入するなら、授業評価の意味を〔生徒に〕
理解してもらう必要があると思う。

──学校が塾みたいになる危険がある。学校で何かしたり、相談相
手になったりがおろそかになるとか。

──問題は生徒に先生がこびる事にならないかという事だ。

 ★ 予備校などでは、講師が生徒の受講態度を注意しなくなると
いう噂も聞きます。

──評価はやりすぎがよくない。度を越すと、その評価を活用する
どころか、それにより傷つき自信をなくすこともあると思う。

      病院や学校での 360度評価

──学校や病院での 360度評価は意味があるが、自分が上司、同僚
、部下(あるいは生徒)から評価を受けること自体、大変なストレ
スとなり、多忙で神経を細かく使う仕事には負担になりすぎないだ
ろうか。元々、人間とは欠点があり、それを理解して共同で仕事に
あたっていくのだから、チーム力を高めるという点についての評価
をするなど、内容が問題ではないか。

──病院に導入するのは面白い。患者、婦長、先輩看護婦、同僚か
ら、みんなに評価されていると思えば自然と緊張感を持って仕事が
出来る。悪い事を書いたら可哀相だとか、失礼かなとか考えないよ
うに、様々な工夫をし、評価することの意味をみんなが理解するこ
とが大切である。

──評価の対象となる人が評価者を選ぶのはなんだか変だ。その人
にかかわるすべての人に評価されるべきだ。上・下・横の人間関係
全てから評価してもらうのはよいと思う。

──部下からの評価が大切。部下だからこそ気づける悪い所もある
と思う。

──特に、医師や看護婦に患者さんからの評価を与えるべきだと思
う。

──自分が評価されるのは怖い。

      その他

──哲学の授業は深く物事を考えることが目的なのに、カンファレ
ンスの内容が少し多いように感じる。

 ★ 私も授業が進んできて、少し混乱してきているように感じて
います。いろいろと考えた結果、今回はレポートを「その他」だけ
にして、講師の話す時間を増やすことにしました。それが皆さんと
の対話で「全体カンファレンス」になれば嬉しいです。また、「天
タマ」も今回は「生徒による授業評価」関連の問題に絞り、その他
のことは次の号に回すように編集しました。

──「天タマ」に載るみんなの意見の内容が濃く、そしてハイレベ
ルになってきたように思います。自分の考えをしっかり持つことが
出来るようになり、大人になっていくのだと思います。

──もう何回か哲学の授業を受けてきて、自分の考えることが増え
てきたように思う。

──今回の「天タマ」で、話し合うというのは馴れ合いでもなけれ
ば感情的対立でもない。自分の意見も冷静に言い、相手の意見もき
ちんと聞く。その中で本当の事はどうなのかと、一緒に考えていく
ことである、ということが書かれていた。これを読み、本当にそう
だなと感じた。

 私はすぐ感情的になってしまうことがある。特に父親の考えをい
つも素直に聞くことができないように思う。又、一方的に自分の意
見を言ってしまうことが多いように思う。自分なりに気をつけよう
とはしているが、なかなか直すことができないでいる。どうしてか
と考えてみると、私はしっかりと自分の考えを持っておらず、その
ため自分に自信がないのだと思う。そして、相手の意見をきちんと
聞くという心のゆとりがないからだと思う。

 哲学の授業を通して、自分の考えをもっと深め、自分の考えとし
て冷静に言えるようになれたらいいと思った。

 ★ 事柄(内容)について話すだけでなく、話し合いのあり方自
体(形式)をテーマにして話し合うことが出来るといいと思います
。親しい間柄ではこれが難しいのですが。哲学が形式的な学問だと
いうことは、こういう反省をしながら考えていく学問だからです。
この授業でも、匿名希望の意味について反省したのがその一例で
す。

──「天タマ」の中で、否定的とか批判的という言葉が出てきてい
た。みんな違う考えを持っているのだから、意見が合わないのは当
たり前だと思う。たまたま意見が合うと気が合うと感じ、意見が違
うと否定的・批判的な人と思う。そういうことはよくあると思う。
それで今回の「天タマ」で「先生に否定的にとられてしまった」と
いう意見がで出てきたのでは、と私は思った。

──「天タマ」21号を読んで悲しくなりました。私のレポートが載
っていて、「匿名希望で書くのはイケナイ事なのでしょうか?」と
いう私の言葉について、先生が「といった反発気味の意見もありま
したが」と書いてあったことがショックでした。私は先生に反発な
んて絶対そんな気持ちはないし、それはイケナイ事なのか、知りた
かったので、ただ問いかけただけだったのに。

 ★ なぜ反発と取られたのかというと次の2つの理由があると思
います。第1に、課題は生徒が自分で考えるもので先生に質問して
いいものではありません。自分で考えるべきことを質問した点で教
師と生徒の境界線を越えていると思います(もう1人同じ間違いが
ありました)。

 第2に、イケナイか否は問題になっていないのに「イケナイ事で
しょうか?」と発想したことです。微妙な問題をすべて「良いか悪
いか」に還元して、人が少しでも疑問を投げかけると「悪い?」と
反問する人がいます。これは貧しい考え方で、これでは進歩しない
と思います。あなたが反発したのではないことは分かりましたが、
こういう「誤解」が生じたのはあなたの言葉に原因があったと思い
ます。

──直立歩行のはじまりが人間の病気のはじまりというのは面白い
と思った。納得したいような気はするけれど、愛犬が心臓病が原因
で肺水腫で昨年亡くなっているため、その考えにまだ納得できな
い。

 ★ 飼い犬は野性動物ではありません。「犬が亡くなる」はおか
しい。

──私も東洋医学に興味があります。先生も、話をするとき、すご
くニコニコしていた。病は気から、ですね。私も自分の不調の時の
症状をプラス方向に考えるようにして、自分を支えています。

──うちの母は薬があまり好きではない。カゼを引いても「人間に
は自然治癒力があるのだから」と言われ、野菜を食べさせられる。
しかし、薬の効果や副作用をしっかり理解して使うのは全然問題な
いと、私は思う。

 ★ カゼに効く薬はありません。体を休めて野菜を食べるのは最
高だと思います。立派なお母さんをもったことを誇りに思ってくだ
さい。

──「ミシマの泉」に行ったことあります。いろいろなお風呂があ
って楽しめるし、健康にもよさそうだし、個人的にも好きです。と
ころで先生はあそこの「人間洗濯機」に入りましたか?

 ★ 「ミシマの泉」ではぜひ温冷浴をして下さい。「人間洗濯機
」のように動きの激しいものは老人には向かないと思います。

 スーパー銭湯でなく「日帰り温泉」みたいなのについてみると、
ここ2~3年、このあたりにも随分いろいろと出来ましたね。八扇
乃湯、大東温泉、和ぎの湯、川根のふれあいの泉、湯谷温泉のゆー
ゆーありいな、とかです。私は脚に故障が出るようになってから、
ゆーゆーありいなのプールによく泳ぎに行っています。温泉なので
水が温かいのがいいです。家から40分で行けます。