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日々の恐怖 10月28日 ヘルパー(2)

2016-10-28 18:52:06 | B,日々の恐怖




  日々の恐怖 10月28日 ヘルパー(2)




 もう一度、大きな声で、

「 すいませ~~~ん!」

って声かけたけど、返事なし。
どうしようって思った。
 鍵は開いてるけど、誰も出てこないし、テレビの音はしないけど、水は出てるみたいだし。
私はヘルパーだし、入っていいってことになってる人間だけど、今日は初めて一人で来たわけだし。
 前回同行のときはおばあちゃんが居間から返事してくれて、お出迎えなくても先輩ヘルパーと上がったお宅だったんだけど、なんて言うか出迎えのない他人の家に、許可なく無断で入るのってすごい躊躇した。
 よっぽど会社に電話しようと思ったけど、鍵は開いてるし。
意を決して、

「 上がりますね、お邪魔します。」

って入った。
 真っ直ぐ居間に向かったけど、おばあちゃんはいない。
どうしようって立ちすくんだ。
 近所に回覧板でも置きに行ったのかもしれない。
主のいない家を勝手に歩き回るのも気が引けたけど、台所の水を出しっぱなしにしておくのも何だし、止めた。

“ 困ったな・・・。
このまま居間で、おばあちゃん戻ってくるの待つのもな・・・・。”

と思った。
 やけに長い数分、その場所でキョロキョロと立ちすくんでいたけど、おばあちゃんがいないのはわかったし、水も止めたし、なら車の中でおばあちゃんが帰ってくるの待つかなって。
 戻ろうと回れ右したとき、居間の向こう側から、

“ ガタッ。”

って物を置くような音が聞こえた。
 居間の向こうは寝室。

“ もしかしたら、具合が悪くてベッドで寝てるのかな?”












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