日々の恐怖 10月1日 実話ですか?
東京在住のKさんから話を二つ聞きました。
(1)、
『 小6の時、S鉄道T駅のホームで知らない男の人に、
「 あと少しここで待っていてごらん。
人が電車に飛び込むのが見れるから。」
と言われたが、ゲームを買いにいく途中だったので断った。
ゲームを買い駅に戻ったら、ざわめきと駅員の泣きそうな顔。
切符を買いホームに下りたら、血まみれのサンダルが視界にはいった。
「 子供は見ちゃ駄目。」
と知らないおばさんに手を引かれ、バスで帰るようにと小銭をもらった。
家に帰って、女の人が飛び込んだと聞いた。』
(2)、
『 二十歳の時、Y駅のビルでバイトしていた時に、その男の人に似た人に会った。
「 これから、このビルの屋上から女の人飛び降りるよ。
途中の喫茶店の屋根に引っかかるから、休憩時間に行ってごらん。」
バイトの後輩に話をしたら、
「 気のせいですよ。
休憩時間変わりますよ。」
と言ってくれたので、変えてもらった。
ところが、後輩がいつまでたっても帰ってこない。
副店長に呼ばれたので行くと、
「 今日、バイト通しな。」
と言われた。
本当に女性が飛び降りて喫茶店の屋根に引っかかったそうだ。
「 あいつ見たから、帰らせた。
俺も見たが、帰るわけにはいかない。
それと、今後その男から何を聞いても行くな。」
すごい剣幕で怒られた。
居づらくなってバイトはやめることなってしまった。
なんでそんなに自分に見せたかったのか。
見せてどうしたかったんだろう。』
『 実話ですか?』
『 実話です。
飛び込みと飛び降りはK新聞にも載りました。
その男は50代の小柄な人の良さそうな人でした。
考えるほどに、自分でもおかしな話だと思います。』
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