あぁ、生きた証

日記、献血放浪記、気がついたり考えたりしたこと、地元清水エスパルスについて書いてます。

台風18号の影響で煙突倒壊した相模原の銭湯 継続か廃業か、苦悩

2017-09-20 | 政治・経済・社会・ニュース
「 並木湯の入り口には「しばらく休業いたします」と書かれた紙が張り出されていた

 年齢的にも経営を続けるか、廃業するか悩んでいます-。
台風18号の影響で高さ約20メートルの煙突が倒れた相模原市中央区並木の銭湯「並木湯」。
まきを燃料に使ってじっくりと加熱していることが利用客に評判で1日平均約60人が訪れていた。
一人で切り盛りしてきた出口輝江さん(75)は、けが人がなかったことに安堵(あんど)しながらも、
突然の出来事に苦悩していた。

 リーン、リーン。無人の脱衣所に置かれた水槽で飼育しているスズムシの声が響いていた。
げた箱は木製の札が鍵、男湯の壁面には富士山の絵が裾野を広げる。昭和の時代を思い出させる昔ながらの銭湯だった。

 「内部の設備だけなら、あと何年かは続けることができると考えていたんですけどね」と出口さんは語る。

 市緊急対策課によると、煙突が傾いたのは18日午前1時50分ごろ。
市消防局の観測では、直前の市内の最大風速は27・4メートルだった。
出口さんは午前0時すぎに就寝後、近所の人からの「煙突が傾いている」という電話連絡で初めて気付いた。
煙突はその後、隣接するアパートの屋根に接触し、同日午前11時半ごろ撤去。住民が一時避難した。

 1980年に開業。煙突も同じ歳月を重ね37年になる。経営してきた夫(83)は高齢のため、
最近では出口さんが切り盛りしてきた。大人470円。毎週金曜日の定休日以外、ほとんど休まず営業してきた。

 8月下旬から雨漏り、トイレの漏水と立て続けに修理を済ませた直後の煙突倒壊だった。
自らの年齢を踏まえると高額と予想される設備投資はためらいがある。
だが、19日も常連の男性客が「まきで営業している銭湯はここしかないんだから」
「やめないでくれ、カンパするから」と相次いで声を掛けてくれた。そんな声を聞くと、気持ちは揺れる。
「慣れた仕事だから続けたいけど、(年齢的に)先が見えていますからね」と結論は出せない。

 併設するコインランドリーで洗濯していた男性(65)は「午後3時の開店に合わせ4~5人が並び、
夕方になると仕事帰りの職人たちが汗を流しに訪れる。みんな楽しみにしていますよ」と話した。」
                                 (「神奈川新聞」より引用)




住宅街にそびえる煙突の光景は、銭湯がないところに住んでいる人からは想像しにくい部分があるのかと思う。

銭湯がある地域といえば、家風呂のない住宅が多いところ。
今新築の家でわざわざ風呂無しで建設するケースはまずないと思われるので、自ずとこれらの家は古い。
またそれを支えていきた風呂屋も結構な年月営業している。

顧客が毎年右肩上がりになりにくい業種でもあるので、どう考えてもものすごく儲かる仕事ではないが、
ないと困る人が一定人数いるのも事実。
(しかも風呂なので、困り方がハンパない。無いわけにはいかない感じだし)


いわば、この一定人数+アルファで経営を支えているようなものだが、この状況下ではあまり設備投資には
手が回らないのかなと思われる。

しかし、老朽化そして後継者問題というのは付いて回るもので(風呂屋に限ったことではないが)、
廃業を余儀なくされるケースはよくある話である。


どうしても時代の移り変わりとともになくなってしまうものがある。
確かに慣れ親しんだものだと無くならないで欲しいと思うのだろうが、当事者は色んな事情を抱えているので
やたらと存続を願うのもこれまた外野の無責任な発言であるとも言えよう。

難しいところである。
コメント
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