石仏散歩

現代人の多くに無視される石仏たち。その石仏を愛でる少数派の、これは独り言です。

130 上野公園の石造物(2)

2017-07-15 05:58:36 | 公園

◇清水観音堂

清水観音堂について、私の知識は皆無。

以下は、説明版の丸写しです。

清水観音堂(国指定重要文化財) 台東区上野公園1番29号

清水観音堂は、寛永寺を開創した天海が京都清水寺を模して寛永八年(1631)に創建した。当初現在地より100メートル余り北方の摺鉢山上にあったが、元禄7年(1694)、この地へ移築し、現在に至っている。堂宇は桁行5間、梁間4間、単層入母屋造り、木瓦葺、とくに不忍池に臨む正面の舞台造りは、江戸時代より浮世絵に描かれるなど著名な光景である。

下が、歌川広重が描いた「上野清水堂不忍ノ池」。

現在は、浮世絵のような懸崖造りではないので、下からの光景はややイメージが違う。

しかし、舞台からの眺望は一部往時のまま生きている。

真下にまっすぐ伸びる道は、不忍池弁天堂への参道。

一見弁天堂だと見えづらいのは、両側の樹木で湖面が見えないため。

写真の左、輪っかになった松の木枝は、広重の絵にもある。

静物ではなく、生物の姿で江戸時代の文化を伝えるのは、希少事例ではないか。

 近年老朽化が目立ち、平成2年より全面的な解体・修復工事を実施、平成8年5月に完成した。この間、移築年代を元禄9年とする定説をくつがえす元禄7年の胸札が発見されるなど、さまざまな事実が明らかとなっている。
 本尊は千手観音座像で、京都清水寺より奉安したみの。秘仏で平常は厨子内に安置するが毎年2月初午の日にのみ開扉され、多くの参詣者が訪れる。
 脇本陣の子育観音は、子供に関するさまざまな願いをもつ人々の信仰を集め、願い事が成就した際には、身代わりの人形を奉納する。毎年9月25日には奉納された人形を供養する行事がある。                    平成10年3月 台東区教育委員会

堂裏にある「人形供養碑」は、説明板にあるように、願いがかなって奉納された人形群を秋のお彼岸の終わり、荼毘に付し、回向供養するその記念碑。

人形供養碑の背後にある灯籠は、寛永寺灯籠。

寛永寺の徳川家霊廟の周囲には、全国諸藩主から寄進された灯籠が林立していた。

いろいろな事由で、寄進灯籠は放出され、上野の山にはわずかしか残っていないが、そのうちの数基が清水観音堂境内に立っている。

下の灯籠の「常憲院殿」は、五代綱吉公の「戒名」。

また、下の「浚明院殿」は、十代家治の戒名です。

ほかに4人の徳川将軍が眠り、それぞれの寄進灯籠がある。

清水観音堂裏には、句碑が3基ある。

1基は「秋色桜」の句碑。

つるべ井戸があり、その傍らに句碑がある。

「秋色」は、江戸時代の女流俳人・菊后亭秋色を指す。

石碑には、彼女が詠んだ句とともに、その句が人口に膾炙した経緯が刻されている。

石碑の中央にやや大きめに

井戸はたの 桜あふなし 酒の酔

そしてその句の右下に

「此句菊后亭秋色の書とす。その筆致却って野菊庵秋色に似たり。真偽宜しく後者に俟つべきなり。 狩野享吉識」

さらに句の左には

「上野清水観音堂のうしろ、井の端に桜あり。元禄の昔、小網町菓子屋の娘お秋といふ者、十三歳の頃、花見に来り、この桜を見て井戸はたの句を詠み、この句輪王寺宮の御聴に達し、特に御感あらせられし由、人口に膾炙す。秋色桜の名を得たり。お秋は俳諧を其角に学び、菊后亭秋色と号し、享保十年四月十九日享年五十余にしてみまかりぬ。されと秋色桜世々植え継がれて流風邪余韻今に匂へり。茲に聊かその由緒を石に寿して樹側に建つ。
                       昭和十五年十月 聴鶯荘主人 建之

私が清水堂を訪れたのは4月の末、残念ながら花は散っていた。

ネットで見つけた「秋色桜」の写真を載せておきます。

2基目は、秋色桜碑からちょっと離れて立つ「翠影句碑」。

自然石に「鶴の檻 さくら吹雪の 中にあり 翠影」と刻されている。

傍らの説明板によれば、松本翠影(1891-1978)は、千葉県出身の俳人。話芸にも秀で、その方面での活躍も顕著。郷里流山には「まつかさのからからと秋気澄みにけり」の句碑がある。この碑は、昭和42年、喜寿を祝して知友が建立したもの

更にもう1基は、清水堂の道路を挟んで反対側の柵の中にあって、近寄れないが、柵越しに

惜春賦 寒心斎」と読める。

花三日 みころはきのふ 阿喜みやげ

説明板がないので、「寒心斎」が何者かは不明。

 

 

 

 

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