クイーン・ハーベストの庭で

信州の農園で果物や野菜を作り、ガーデニングに熱中するクイーン・ハーベストの快適田舎生活の日記。

東京でクイーン・ハーベストの製品を販売します

2016-02-19 | ジャム&プリザーブス
2月20日から約1週間クイーン・ハーベストの製品を都内で販売します。
場所は東中野のギャラリー「間・Kosumi」です。

今がシーズンの柑橘類を使った数種類のマーマレード、キウイやリンゴを使ったジャムやマスタード、ドライフルーツなど多数取り揃え、ご試食も可能です。
また、同時期にクイーン・ハーベストと同じ東御市在住の造形作家・松本冬美さんの素敵な印展も開催しています。




ナンシーさんの新作に学ぶ保存食の作り方・使い方(第3回)

2016-02-18 | クッキングスクール
ナンシーさんの新作から保存食の作り方・使い方を学ぶ第3回目は麹です。

第1回の味噌の回では、手作り味噌を仕込んだ事を書きましたが、その際には種麹を手に入れ米麹から自作しました。その米麹を利用して塩麹と醤油麹を手作りしました。

今回はこの塩麹と醤油麹を使った料理です(以下の料理はすべて、第6章 「麹・酒粕・糠」より)。



・玉ねぎの塩麹漬け
玉ねぎのスライスを塩麹に漬け込むだけのシンプルな料理ですが、塩麹の旨みがストレートに伝わる料理です。

・アボカドの塩麹ドレッシング
塩麹にレモン汁とオイルを加えて混ぜるだけの簡単ドレッシングですが、アボガド以外にはトマト、キュウリ、ブロッコリーなどいろいろなサラダ野菜によく合う料理です。

・豚肉の塩麹漬け
これも豚肉を塩麹に付けて焼くだけの簡単レシピです。今回はロースを使いましたが、脂の多いバラ肉や肩ロースでもサッパリと頂けます。

・サバ(ブリ)のしょう油麹漬け
オリジナルはブリですが、醤油麹の旨みが加わってお安いサバでも十分おいしく頂けます。

・大根と野沢菜の混ぜご飯
今回のご飯は大根の皮と野沢菜を炒め煮にして炊きたてのご飯に混ぜ込むだけ。
最近の我が家のお気に入りの混ぜご飯です。

☆  ☆  ☆

塩麹の作り方

材料
米麹 300g
塩 50g

作り方
①米麹と塩を混ぜ、浸る程度に水(200m程度)を加える。プラスティックの容器に入れ1週間から10日程度室温で保存する。その間1日1回かき混ぜる。
参考)しょう油麹は、塩麹300gにしょう油200mlを加え、塩麹と同様に室温で保存する。

☆  ☆  ☆

玉ねぎの塩麹漬け

材料
玉ねぎ 1個
塩麹 大さじ1-1.5

作り方
①玉ねぎを薄くスライスし、フリーザーバッグに入れる。
②塩麹を加えて軽く揉み、空気を出してフリーザーバッグの口を閉め、冷蔵庫で30分以上寝かせる。

☆  ☆  ☆

アボカドの塩麹ドレッシング

材料
アボカド 大1個
塩麹 大さじ1
レモン汁 小さじ2
サラダ油 大さじ2
チャイブ 大さじ1(みじん切り)

作り方
①アボカドは半分に切って種と皮を取り除き、1cm角に切り分ける。
②塩麹、レモン汁、サラダ油を良く混ぜる。
③アボカドをさらに盛り、チャイブを散らして塩麹ドレッシングをかける。

☆  ☆  ☆

豚肉の塩麹漬け

材料
豚肉(肩ロース、ロースなどお好みの部位) 4枚
塩麹 60ml

作り方
①フリーザーバッグに豚肉と塩麹を入れてもむ。冷蔵庫に数時間ないしはそれ以上寝かせる。
②豚肉は塩麹をふき取りフライパンで両面を良く焼く。

☆  ☆  ☆

ブリ(サバ)のしょう油麹漬け

材料
ブリ 4切れ
しょう油麹 40ml

作り方
①フリーザーバッグにブリと塩麹を入れてもむ。冷蔵庫に2時間程度寝かせる。
②ブリは塩麹をふき取りグリルで焼く。

☆  ☆  ☆

大根と野沢菜の混ぜご飯

材料
米 2合
塩 小さじ1
大根の皮・葉 200g
野沢菜お漬物 70g
油揚げ 1枚
ごま油 大さじ1+大さじ1
唐辛子 1本
砂糖 大さじ1
しょう油 大さじ2
チキンスープ 200ml

作り方
①米は通常の水の量で炊く。
②大根の皮は巾1cmの短冊切り、大根の葉と野沢菜は長さ1cmに切る。油揚げは縦1/2に切り、巾数ミリの細切りにする。
③フライパンにごま油大さじ1を熱し、唐辛子が香りが出るまで傷め、大根の皮・葉、野沢菜を加えて炒め、さらに油揚げ、砂糖、しょう油、スープを加えて煮る。煮汁がなくなるまで煮詰める。火を止めごま油を加えてかき混ぜる。
④米が炊き上がったら、③を加えて混ぜ合わせる。

スパイス香るリンゴジャム

2016-02-12 | ジャム&プリザーブス
おおよそ2週間ほど前のこと。
朝テレビを見ているとあの有名なクリスチャン・フェルベールさんが出演していてこれからジャムを作るとのこと。
生放送ですからどのような作り方をするのか楽しみにしていました。
でもまさかリンゴの皮剥きからジャムが完成まで放送時間の15分程度で仕上げるとはビックリです。



彼女のレシピの大半は公開されていると思いますが、その多くは完成に最低2日はかかります。
この番組のオリジナルという「魔法のリンゴ」のレシピは、材料がほぼ同じですからオリジナルは「アルザスフレーバーのリンゴ( Apple with Flavors of Alssace)」ジャムです。
でもこの2つのレシピの大きな違いは次の2点です。

・オリジナルはリンゴ、砂糖、オレンジ・レモンのゼストとジュース、スパイス類を混ぜ合わせて一晩冷蔵庫に保存します。
・翌日リンゴから出てきたたっぷりの果汁で煮ますが、この時、あらかじめ青リンゴから抽出して煮詰めた天然のペクチンである青リンゴのゼリーを加えてとろみを付けます。

ここで彼女がよく使う青リンゴゼリーは、リンゴを静かに煮て、圧力をかけずに濾したジュースをレモンと砂糖を加えて長時間に詰めゼリー化したもの。とても手間がかかります。
このゼリーはそのままでもとても美味しいのですが、古くから特にペクチンが少ない果物や果物の形を残して煮たい場合にはよく使われます。
ただ、大変手間がかかるのでリンゴや柑橘類から精製された粉末のペクチンが多く使われるようになりましたが、最近欧米の手作りジャムでは天然のペクチンが見直されつつあります。
クイーン・ハーベストでもこの青リンゴゼリーをイチゴ、桃、洋ナシなどのジャムによく使います。

先のテレビ番組だけを見るとフェルベールさんのジャムは、果物と様々なスパイスを組み合わせた短時間で作るフレッシュなジャムのように思われるかもしれませんが、実は彼女のジャムは大変時間をかけて丁寧に作る伝統的なジャムだといえると思います。
スパイスの使い方についても、番組で使ったスイートスパイスはケーキやクッキーなどにごく普通に使われますが、欧米ではジャムにもよく使われます。ネットで"spiced apple jam"と検索するとたくさんのレシピが出てきます。
クイーンハーベストの製品ではアップルバターにシナモン、オールスパイス、クローブ、ジンジャーを加えています。桃のジャム洋ナシのジャムには相性の良いバニラビーンズを加えています。

ちょうどリンゴジャムを作ろうとしていた矢先にこのようなテレビを見ましたので、それでは今回は、時間をかけて丁寧に作るスパイスや柑橘類の香りと青リンゴゼリーのコクと旨味の効いた「スパイスアップルジャム」ジャムを作りました。







ナンシーさんの新作に学ぶ保存食の作り方・使い方(第2回)

2016-02-11 | クッキングスクール
ナンシーさんの新作から保存食の作り方・使い方を学ぶ第2回目は醤油と酢です。

・ブロッコリーと長いものしょう油漬け(第3章 「しょう油」より)
ブロッコリーと長いもをそれぞれしょうゆ漬けにするシンプルで美味しい料理。漬け地は材料により変わります。



・カブと柿のナマス(第5章 「米酢・梅・柿」より)
カブと柿を合わせて甘酢で漬け込むさっぱりした料理。柿の甘みが程よいアクセントです。なお、酢はナンシーさんおすすめの「富士酢」(飯尾醸造)を使いました。



・豚の角煮、大根とネギ添え(第5章 「米酢・梅干・柿」より)
豚バラ肉をオカラを加えて下茹でしてから酒・しょう油・みりんそして酢を加えて煮込むとてもさっぱりした角煮です。下茹でにオカラを使うのは新潟の料理がヒント、酢を加えて煮込むのは上記の富士酢のレシピがヒントになったとのこと。また、肉と一緒に煮込む大根とネギがいいお味です。



☆  ☆  ☆

ブロッコリーのしょう油漬け

材料
ブロッコリー 1房(400g程度)
カツオだし 50ml
しょう油 80ml
赤唐辛子 2本(クラッシュ)
削り節

作り方
①ブロッコリーは一口大に切り分け、熱湯で2分程度湯で冷水で冷やす。
②だし、しょう油、唐辛子をボウルに入れてブロッコリーを加えて混ぜる。
③フタないしラップをして室温で30分程度置く。
④食べる際に、小皿に盛りかつお節を振る。(かつお節の代わりにゆずなどの柑橘類の皮を薄く削って散らすのも良い)
⑤保存は水気を切り冷蔵庫で数日可能。

☆  ☆  ☆


長イモのしょう油漬け

材料
長イモ 400g
しょう油 60ml
酒 大さじ3
赤唐辛子 1-2本
刻み海苔

作り方
①長イモは皮を剥き8mm角の棒状に切り分ける。
②フリーザーバッグに長イモを入れ、しょう油、酒、唐辛子を加えて袋の空気を抜き、冷蔵庫に数時間入れる。
③食べる際に、小皿に盛り刻み海苔を振る。(かつお節の代わりにゆずなどの柑橘類の皮を薄く削って散らすのも良い)
④保存は水気を切り冷蔵庫で保存する。

☆  ☆  ☆

カブと柿のナマス
材料
カブ 300g
カブの葉 大さじ1(細切り)
柿(富有柿) 1/2個
塩 小さじ1
甘酢(酢80mlと砂糖10gを混ぜる)

作り方
①カブを3mm程度に厚さに切る。柿は4等分して皮を剥き3mm程度の厚さに切る。
②カブと柿はカブの葉の細切りとともにボウルに入れて塩を振り10分程度置く。
③水気を手で絞り、フリーザーバッグに入れて甘酢を加え、袋の空気を抜き冷蔵庫で2時間程度置く。

☆  ☆  ☆

豚の角煮、大根とネギ添え

材料
豚バラ肉 450g
オカラ 150g
生姜 1片(細切り)
酒 350ml
しょう油 130ml
みりん 大さじ4.5
酢 大さじ3
大根 1/2本
ネギ 1本

作り方
①豚バラ肉は2.5cm角に切り分けて鍋に入れ、その上から肉を覆うようにオカラを乗せる。
②肉が浸るように水を加えて鍋を強火にかける。沸騰したら弱火にして1時間煮る。
③鍋を火から降ろして室温になるまで冷ます。
④肉からオカラを取り除き水で洗い、鍋に戻す。
⑤鍋に生姜、酒、しょう油、みりん、酢を加えて強火にかけ、沸騰したら弱火で15分程度煮る。
⑥大根は皮を剥いて2.5cm角に切り分ける。ネギは長さ2.5cmに切る。鍋に大根とねぎを加えて15分程度煮る。



ナンシーさんの新作に学ぶ保存食の作り方・使い方(第1回)

2016-02-10 | クッキングスクール
料理教室で以前に取り上げたNancy Singlton Hachisuさんの新作がアメリカで昨年発売されました。



タイトルは"Preserving The Japanese Way、なんと日本の保存食の作り方・使い方を詳しく紹介する内容です。
前作は"Japanese Farm Food"で日本の農家の料理がテーマでしたが、新作は副題のとおり日本の保存食の「塩漬け、発酵、漬物の伝統を現代のキッチンに向けて」紹介するものです。
世界的に話題になった前作以上に、日本の多様な保存食を海外に伝えるすばらしい本ですが、保存食から遠ざかりつつある私たち日本人にとってちょっと考えさせられる内容でもあります。

ナンシーさんの新作をテーマにした料理教室は昨年に第1回を行いましたが、都合でブログには未掲載だったので以下にご紹介します。



・ミズナの塩もみ(「第1章 塩・風・太陽」より)
ミズナを塩もみしてキンカンを添えるシンプルな料理。この時はキンカンのシーズンには少し早かったのでゆずの皮を散らしました。

・カボチャのみそ漬け(「第2章 みそ」より)
これもシンプルな味噌漬けですが、カボチャというのがとてもユニークで歯ごたえが楽しい料理です。

・鮭のみそ漬け
ナンシーさんの本では魚介の味噌漬けとしてイカが紹介されていましたが、この鮭の味噌漬けはオリジナルのレシピ。鮭に直接味噌を塗り付けるのではなく、味噌床を作ってから漬けこむのでマイルドで上品な仕上がりです。

以上のほかに参考としてナンシーさんの手作り味噌のレシピを紹介しました。
今このレシピを参考に2種類の豆(大豆とひよこ豆)で味噌を仕込んでいて、夏以降に出来上がる予定です。
出来上がったらまたご紹介します。

☆  ☆  ☆

ミズナの塩もみ

材料
ミズナ 1束(約200-250g)
塩 7g
キンカン 2個

作り方
①ミズナは固い葉や茶色くなった葉は取り除き、ボウルにはった水に浸す。ざるに取り水気を良く切る。
②ミズナに塩を良くもみこみ、ボウルに入れてフタないし皿で上から重しをする。表面まで水が上がるまで1時間程度置く。さらミズナを絞るようにして余分な水分を切る。
③キンカンを半分に切り種を取り除き、千切りにして絞ったミズナに和える。ミズナを4cm程度の長さに切り、皿に盛る。
(参考)食用菊やタンポポの葉なども良い。ただし、この場合キンカンは除き、少量の赤トウガラシなどを振る。長期間漬ける場合には塩を野菜の重量の5%に増やす。

☆  ☆  ☆

カボチャのみそ漬け

材料
塩 大さじ1
カボチャ 中1/2個(約600g)
みそ 250g
七味唐辛子

作り方
①中ぐらいの大きさの鍋に3/4の水を入れ、塩を加えて沸騰させる。
②カボチャの種とワタを取り除き、皮をむいて1cm程度の厚さに切る。1分間ほど熱湯でゆで、冷水に取って冷まし、キッチンタオルなどで水気をふき取る。
③カボチャの周りにみそを広げ、七味唐辛子を振る。これをプラスチックの袋に入れて冷蔵庫に数週間置くが、開始から1週間程度で味見をする。カボチャが十分柔らかくなったら食べ頃。食べる前にみそをていねいにふき取る。みその風味が強すぎるようなら、みそをすべてそぎ落としてプラスティックの袋に入れる。みそは再利用できる。
(参考)ゆずの千切り、メイヤーレモンのピールをみそ床に混ぜるか、食べる際に散らしても良い。

☆  ☆  ☆

鮭のみそ漬け

材料
鮭の切り身 5枚
塩 6g(小さじ1/2
酒 80ml
みそ 150g
砂糖 大さじ1

作り方
①鮭に塩を振り冷蔵庫に30分-1時間程度置く。鮭から出てきた水分はペーパータオルなどで良くふき取る。
②みそ床を作る。みそ、酒、砂糖を合わせよく混ぜる。
③鮭の漬け込みは、直接鮭にみそ床が接しないようにサラシを用いる。容器の底にみそ床を薄く敷き、サラシを広げその上に鮭を置く。さらに鮭の上にサラシを広げ、みそ床を敷く。これを繰り返し、最後にみそ床を敷く。
④これを冷蔵庫に保存し、3日後位から食べることが可能。鮭をみそ床から取り出し直接グリルする。