料理教室で以前に取り上げた
Nancy Singlton Hachisuさんの新作がアメリカで昨年発売されました。
タイトルは"Preserving The Japanese Way、なんと日本の保存食の作り方・使い方を詳しく紹介する内容です。
前作は"Japanese Farm Food"で日本の農家の料理がテーマでしたが、新作は副題のとおり日本の保存食の「塩漬け、発酵、漬物の伝統を現代のキッチンに向けて」紹介するものです。
世界的に話題になった前作以上に、日本の多様な保存食を海外に伝えるすばらしい本ですが、保存食から遠ざかりつつある私たち日本人にとってちょっと考えさせられる内容でもあります。
ナンシーさんの新作をテーマにした料理教室は昨年に第1回を行いましたが、都合でブログには未掲載だったので以下にご紹介します。
・ミズナの塩もみ(「第1章 塩・風・太陽」より)
ミズナを塩もみしてキンカンを添えるシンプルな料理。この時はキンカンのシーズンには少し早かったのでゆずの皮を散らしました。
・カボチャのみそ漬け(「第2章 みそ」より)
これもシンプルな味噌漬けですが、カボチャというのがとてもユニークで歯ごたえが楽しい料理です。
・鮭のみそ漬け
ナンシーさんの本では魚介の味噌漬けとしてイカが紹介されていましたが、この鮭の味噌漬けはオリジナルのレシピ。鮭に直接味噌を塗り付けるのではなく、味噌床を作ってから漬けこむのでマイルドで上品な仕上がりです。
以上のほかに参考としてナンシーさんの手作り味噌のレシピを紹介しました。
今このレシピを参考に2種類の豆(大豆とひよこ豆)で味噌を仕込んでいて、夏以降に出来上がる予定です。
出来上がったらまたご紹介します。
☆ ☆ ☆
ミズナの塩もみ
材料
ミズナ 1束(約200-250g)
塩 7g
キンカン 2個
作り方
①ミズナは固い葉や茶色くなった葉は取り除き、ボウルにはった水に浸す。ざるに取り水気を良く切る。
②ミズナに塩を良くもみこみ、ボウルに入れてフタないし皿で上から重しをする。表面まで水が上がるまで1時間程度置く。さらミズナを絞るようにして余分な水分を切る。
③キンカンを半分に切り種を取り除き、千切りにして絞ったミズナに和える。ミズナを4cm程度の長さに切り、皿に盛る。
(参考)食用菊やタンポポの葉なども良い。ただし、この場合キンカンは除き、少量の赤トウガラシなどを振る。長期間漬ける場合には塩を野菜の重量の5%に増やす。
☆ ☆ ☆
カボチャのみそ漬け
材料
塩 大さじ1
カボチャ 中1/2個(約600g)
みそ 250g
七味唐辛子
作り方
①中ぐらいの大きさの鍋に3/4の水を入れ、塩を加えて沸騰させる。
②カボチャの種とワタを取り除き、皮をむいて1cm程度の厚さに切る。1分間ほど熱湯でゆで、冷水に取って冷まし、キッチンタオルなどで水気をふき取る。
③カボチャの周りにみそを広げ、七味唐辛子を振る。これをプラスチックの袋に入れて冷蔵庫に数週間置くが、開始から1週間程度で味見をする。カボチャが十分柔らかくなったら食べ頃。食べる前にみそをていねいにふき取る。みその風味が強すぎるようなら、みそをすべてそぎ落としてプラスティックの袋に入れる。みそは再利用できる。
(参考)ゆずの千切り、メイヤーレモンのピールをみそ床に混ぜるか、食べる際に散らしても良い。
☆ ☆ ☆
鮭のみそ漬け
材料
鮭の切り身 5枚
塩 6g(小さじ1/2
酒 80ml
みそ 150g
砂糖 大さじ1
作り方
①鮭に塩を振り冷蔵庫に30分-1時間程度置く。鮭から出てきた水分はペーパータオルなどで良くふき取る。
②みそ床を作る。みそ、酒、砂糖を合わせよく混ぜる。
③鮭の漬け込みは、直接鮭にみそ床が接しないようにサラシを用いる。容器の底にみそ床を薄く敷き、サラシを広げその上に鮭を置く。さらに鮭の上にサラシを広げ、みそ床を敷く。これを繰り返し、最後にみそ床を敷く。
④これを冷蔵庫に保存し、3日後位から食べることが可能。鮭をみそ床から取り出し直接グリルする。