平成エンタメ研究所

最近は政治ブログのようになって来ました。世を憂う日々。悪くなっていく社会にひと言。

相棒 「最後の砦」

2008年12月04日 | 推理・サスペンスドラマ
 「最後の砦」

★葛藤
 今回は特によく出来たお話でした。
 というのは登場人物みんなが葛藤しているから。

 取調監督官・下柳(鈴木浩介)は27万人の警察官を守るために隠蔽してくれと言われる。
 結果、下柳は苦しみ自殺。
 亀山(寺脇康文)は自殺まで追いつめてしまった自分たちの捜査に悩む。

 そして極めつけは今回の主役・野村警部補(金山一彦)。
 自分の過失で死なせてしまった無実の人・辻。
 それだけでも十分に悩む要素があるが上層部からは下柳同様隠蔽を指示される。
 だがその下柳(鈴木浩介)が拳銃自殺。
 それに伴い、右京(水谷豊)からは「人を拘束して尋問する権力を持つ警察官。大きな権限を持つ者は大きな責任を伴う。あなたは変わるべきです」と言われる。
 野村は変わろうと思い罪を公にしようと思うが、自分の正義を信じている病気の母から電話。
 おまけに辻の直接の死因は自分ではなく取り調べ前にバイク事故で頭を打ったことであることがわかる。

 この野村の葛藤はすごい。
 罪の隠蔽か?公にすることか?
 隠蔽すれば母親を安心させられる。警察の威信も保たれる。
 それに辻が死んだ直接の原因は自分でない。
 だが公にすることは大きな権限を持つ警察官として当然のこと。
 自分のせいで苦しんで自殺した下柳のためにも公にしたい。
 これだけ葛藤の材料が用意されると、視聴者も自分が同じ立場だったらどうするか迷ってしまう。
 野村に感情移入してしまう。

 この点で警察官として自分を厳しく律することの出来る右京さんは亀山の言うとおり「強い」ですね。

★脇役も
 その他の脇役もいい味を出している。
 捜査一課の伊丹は自分たちのやっていた裏づけ捜査の結果を待たずに発表されたことを怒る。→現場刑事のプライド。
 監察官の大河内(神保悟志)は厳格な官僚としてあくまで公正に正しいことをしようとする。同時にそれの政治利用も考えている。
 小野田(岸部一徳)は大きな問題にしない事なかれ主義に対して「だって警察はいつもそうでしょう」(笑)。
 米沢さん(六角精児)は相変わらず飄々として右京たちに協力するし。
 みんないい仕事をしています。

※追記
 「相棒」終了と共にFNS歌謡祭で水谷豊さんが登場。
 「カリフォルニアコレクション」を歌い、矢島美容室とも絡み。
 5分前に観ていた右京さんと水谷さんのギャップが面白かった。



コメント    この記事についてブログを書く
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 田母神発言を考える その2 | トップ | スラムダンク 名セリフ 1... »

コメントを投稿

推理・サスペンスドラマ」カテゴリの最新記事