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平成エンタメ研究所

最近は政治ブログのようになって来ました。世を憂う日々。悪くなっていく社会にひと言。

薔薇のない花屋 その3

2008年03月25日 | 恋愛ドラマ
 もし裏切られたとしても俺は信じる。

 舜(玉山鉄二)とは正反対の生き方をしてきた英治(香取慎吾)。
 舜はトゲを持つ薔薇。
 誰も信じない。傷つけられる前に傷つけるというのが自分を守る手段。
 英治は信じ続ける。
 どんなに裏切られても与え続ける。
 相手に何も求めない。
 それはどんなに送っても応えてくれない一方的なビデオレターを送る彼女(本仮屋ユイカ)と同じ他人への対し方。
 美桜(竹内結子)はそんな英治のことを「誰の手も離さない人」と言う。
 人は裏切られ傷つけられたら、その人の手を離してしまう。
 だが英治は決して離さなかった。与え続けた。

 直哉(松田翔太)には借金から抜け出すためのお金。
 安西(三浦友和)には孫。愛を注ぐ存在。
 菱田さん(池内淳子)には居場所。
 舜からは借金した。舜が自分の所に戻って来やすい様に。

 こんな生き方の結果、英治が得たものは美桜、雫(八木優希)を始めとする沢山の人たち。
 英治の誕生日。
 たくさんの人が祝ってくれて英治は居心地悪い。
 英治は幸せに慣れていないのだ。

 作品は英治という生き方を描いた作品だった。
 人を信じて与え続ければ「それでも人生は素晴らしい」と言える様になる。
 そんなテーマを描いた作品。
 果たして普通の人に英治の様な生き方ができるかどうか疑問だが、少なくとも英治はメチャクチャ強い人間だ。

 作品としては不思議な作品でしたね。
 頭巾を被ったり、目が見えないふりをしたり。
 一方的なビデオレターも、美桜が「お花屋さん」と呼び続けることも。
 意図はわかるのだけれど違和感。
 同じテーマを描くのにもっと違った文体があってもよかった感じもする。
 僕としては最後まで入り込めない作品だった。

※追記
 喜多善男の中の言葉に「他人を赦し自らを赦せば解放される」というものがあったが、それはまさに英治の生き方でもある。
 英治は他人はいくらでも許すことのできる人間だったが、自分はなかなか許せない人間だった。
 何かを求めたり、幸せになってはいけないという想いが常に英治にはある。
 そんな英治が「愛してる」と美桜を求め、自分は幸せになっていいと自分を許した時、幸福が生まれた。



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