平成エンタメ研究所

最近は政治ブログのようになって来ました。世を憂う日々。悪くなっていく社会にひと言。

僕の歩く道 第6回

2006年11月15日 | その他ドラマ
★輝明の自立
 支えであった都古(香里奈)が失われて、輝明(草なぎ剛)の心は動揺する。
 当初は「結婚」の意味がわからず漠然と不安を抱いていた輝明だったが、都古が別の生活を送っているのを見て、不安が受け入れがたい現実に変わる。
 輝明は動物園の仕事を休む。
 都古に1日2通の手紙を出す。

 この物語は輝明の自立の物語だ。
 「僕の歩く道」、つまり輝明がひとりで歩いていけるようになる物語だ。
 今回は都古が失われた。
 そのことで足元がふらつく輝明だったが、「テルは動物園の飼育係です。動物を一生懸命お世話してください。約束です」という手紙を都古からもらって、自分を取り戻す。
 『以前ほど近い距離ではないけれど、都古は失われたわけではない。自分をちゃんと見ていてくれる』
 そう理解したことで心の安定を取り戻す。
 「テルは動物園の飼育係です」
 都古のメッセージは輝明に自分を取り戻させた。
 「約束です」と書くことで、都古は輝明と今でも繋がっていることを表現した。
 「約束」とは人どうしの繋がりだからだ。
 また、「手紙」という手段も輝明と都古の間には別の意味があるのだろう。
 輝明が3行の手紙を書くようになった理由、それがいずれ明らかにされるかもしれない。
 あるいは「手紙」という距離感。
 それは今の輝明と都古の距離にふさわしいものなのかもしれない。

 さて、輝明の自立の物語であるこの作品。
 もうひとりの心の支えである母・里江(長山藍子)が今回人間ドッグに行った。
 輝明が自立するとしたら、里江は何らかの形でいなくならなくてはならない。
 人間ドッグはその前触れか?

★泣くということ
 今回は輝明と都古の物語と共に古賀(小日向文世)の物語も描いた。
 古賀には自閉症の子供がいたが、その姿を見るのが嫌で仕事を理由に逃げていた。結果、妻と子は失われ古賀は悔恨の中で生きている。
 そして輝明とのやりとりの中で泣く。
 「いつ戻ってくるのかな」と輝明がつぶやくのを聞いて泣く。
 泣くという行為は、ある意味解放・救いである。
 心の中で張りつめていたもの、もやもやしていたものが解消される。
 泣くことで古賀は少しの間救われる。
 輝明は古賀の事情を知っているわけでもなく、古賀と向き合っているわけでもない。
 しかし素直に発した輝明の一言が古賀の心を解放した。
 どんな人間でも、人はそこにいるだけで意味がある。
 この物語のもうひとつのテーマをここで表現した。


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