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平成エンタメ研究所

最近は政治ブログのようになって来ました。世を憂う日々。悪くなっていく社会にひと言。

あさが来た 第29回~あさと再会した時の、はつのせりふがすごい!

2015年10月30日 | 大河ドラマ・時代劇

「あかん、加野屋の若旦那様ともあろうお方のお着物が、あないな縫い目ではあきまへんな」

 はつ(宮あおい)があさ(波瑠)に再会した時のせりふだ。
 上手いですね。
「こないな姿、見せたくなかった」でも「放っておいてほしい」でもない。
 もし、これらのせりふを言っていたら、はつが普通の、安っぽい女性になってしまう。
 だから、正解は冒頭のせりふ。
 ボロは着ていても、はつは常にあさに注意する、尊敬すべきお姉ちゃんでなければならないのだ。
 そして、凛として美しい。
 これであさにも、はつが今の境遇にへこたれていないこともわかる。
 実に上手いせりふだと思います。

 この着物の縫い目の件は、話を発展させることにも使われていた。
 前半は、新次郎(玉木宏)の浮気疑惑。
 あさは、見事な着物の縫い目が自分が縫ったものでないことに気がついて、「どこぞのおなごはんに縫うてもろたものだす?」と問いただし、三味線の師匠の美和(野々すみ花)との関係を疑う。
 そこで、後半。
 何と縫ったのは、はつだったのだ。
 そして、あさは、新次郎が縫い物の仕事をしばしば持って来て、はつの家の家計を助けていたことを知る。
 <浮気疑惑の夫>から<姉のことを気遣っていた新次郎>へ。
 見事なストーリー・テリングです。

 その他、あさとはつの会話で、はつの姑・菊(萬田久子)がすっかり元気をなくしてしまったこと、あさが京都の実家の両親に、はつの無事を伝える手紙を書くことも描かれた。
 石炭で走る鉄の車の当時の人の驚きや、びっくりぽんなカッパ→ビッグなカンパニー(笑)の話も!
 実に密度の高い15分です。

 脚本、かくあるべし。
 何の工夫もなく、ダラダラとストーリーを進行させる今の大河ドラマの脚本家は見習ってほしい。


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