栞子(剛力彩芽)が大輔(AKIRA)を店員として使っている3つの理由。
★本に関わった人の気持ちを大事にする人だから
大輔にとって大切なのは、<本>よりも<人>なんですね。
この作品は本をめぐる人間模様を描く作品だから、どうしても本に関わる人が出てくるが、大輔は<本のことで悩んでいる人>や<トラブルに遭っている人>を放っておくことが出来ず、熱く突っ走る。
ここが<本>は大切にするが、<人>に対する想像力がない滝野蓮杖(柏原収史)とは大きく違うところ。
栞子は大輔のそんな所を信頼し、同時に惹かれている。
★大輔が自分を信頼していてくれるから
栞子が「たんぽぽ娘」を盗んだと疑われた時、大輔はこう反論する。
「篠川さんだから! 篠川さんは絶対にそんなことをしません!」
これって最高の信頼の言葉!
どんな理屈もこの言葉の前には撃退される。
栞子も言われてうれしかっただろう。
一方、栞子も滝野に「どうして本を読めない大輔を雇っているんだ?」と聞かれた時、こう答えていた。
「うまく言えないですけど、五浦さんだからだと思います」
五浦さんだから……!
ふたりとも同じことを言ってる!
何だかんだ言って、ふたりの心はしっかり通じ合っているじゃん!
★本の話を聴いてくれるから
ラスト、栞子は大輔に「『たんぽぽ娘』の話の続きを聞かせて下さい」と頼まれ、話し始める。
これも栞子にとって心地いいこと。
大輔が本の話を栞子から聞くというシーンは何度か見られたが、大好きな本のことを楽しそうに聴いてくれる人間って、そうそういない。
大輔が本を読めないことが逆にプラスに働いている。
というより、本に限らず、<自分の話を真剣に聴いてくれる人>がいるのって、すごく大切なこと。
そんな人を得ただけで、その人の人生は成功なのだと思う。
というわけで、栞子が大輔を店員として使っている理由を書いてきましたが、これって完全に恋愛物語ですよね。
ふたりの心の動きを、うまくミステリに溶け込ませている。
作劇としては、喫茶店の藤波(鈴木浩介)が面白い。
藤波って、ストーリーの進行を止める役割なんですね。
今回も大輔が「棒」について語り始めるのを、独自の推理を語り始めることで止めた。
ここで藤波が止めずに大輔が語っていたら、栞子はすぐに真相に気づいてしまっただろう。
これでは1時間番組にはならない。
また、視聴者も「棒っていったい何なんだ?」「続きを聞かせろ」と欲求不満になり、引き続き見たくなる。
ドラマでは、こういう溜めというかモヤモヤとした部分が大切なんですね。
伏線の張り方も上手い。
市場の男が大輔に何気なく言った「昨日も来てたよね」が重要なキイワードになっている。
あとはディティール。
前回の藤子不二雄のコミックスがちゃんと棚に並んでいた。
こういうふうにディテールがしっかりしていると楽しくなる。
★本に関わった人の気持ちを大事にする人だから
大輔にとって大切なのは、<本>よりも<人>なんですね。
この作品は本をめぐる人間模様を描く作品だから、どうしても本に関わる人が出てくるが、大輔は<本のことで悩んでいる人>や<トラブルに遭っている人>を放っておくことが出来ず、熱く突っ走る。
ここが<本>は大切にするが、<人>に対する想像力がない滝野蓮杖(柏原収史)とは大きく違うところ。
栞子は大輔のそんな所を信頼し、同時に惹かれている。
★大輔が自分を信頼していてくれるから
栞子が「たんぽぽ娘」を盗んだと疑われた時、大輔はこう反論する。
「篠川さんだから! 篠川さんは絶対にそんなことをしません!」
これって最高の信頼の言葉!
どんな理屈もこの言葉の前には撃退される。
栞子も言われてうれしかっただろう。
一方、栞子も滝野に「どうして本を読めない大輔を雇っているんだ?」と聞かれた時、こう答えていた。
「うまく言えないですけど、五浦さんだからだと思います」
五浦さんだから……!
ふたりとも同じことを言ってる!
何だかんだ言って、ふたりの心はしっかり通じ合っているじゃん!
★本の話を聴いてくれるから
ラスト、栞子は大輔に「『たんぽぽ娘』の話の続きを聞かせて下さい」と頼まれ、話し始める。
これも栞子にとって心地いいこと。
大輔が本の話を栞子から聞くというシーンは何度か見られたが、大好きな本のことを楽しそうに聴いてくれる人間って、そうそういない。
大輔が本を読めないことが逆にプラスに働いている。
というより、本に限らず、<自分の話を真剣に聴いてくれる人>がいるのって、すごく大切なこと。
そんな人を得ただけで、その人の人生は成功なのだと思う。
というわけで、栞子が大輔を店員として使っている理由を書いてきましたが、これって完全に恋愛物語ですよね。
ふたりの心の動きを、うまくミステリに溶け込ませている。
作劇としては、喫茶店の藤波(鈴木浩介)が面白い。
藤波って、ストーリーの進行を止める役割なんですね。
今回も大輔が「棒」について語り始めるのを、独自の推理を語り始めることで止めた。
ここで藤波が止めずに大輔が語っていたら、栞子はすぐに真相に気づいてしまっただろう。
これでは1時間番組にはならない。
また、視聴者も「棒っていったい何なんだ?」「続きを聞かせろ」と欲求不満になり、引き続き見たくなる。
ドラマでは、こういう溜めというかモヤモヤとした部分が大切なんですね。
伏線の張り方も上手い。
市場の男が大輔に何気なく言った「昨日も来てたよね」が重要なキイワードになっている。
あとはディティール。
前回の藤子不二雄のコミックスがちゃんと棚に並んでいた。
こういうふうにディテールがしっかりしていると楽しくなる。
脚本が今回と確か第3回が岡田道尚さん。よく知らなかったんですが、「ライアーゲーム」の人で、メイン監督の松山さんとも親しいそうです。
前回、ストーカー、イカサマ、万引き、裏取引と、まるで古書の世界やビブリオマニアの世界を、世間とは価値観が真逆の、アウトローの世界のように描いていて心配でしたが、今回も万引きの話でした。そして第3話と同じ、岡田さんが脚本を担当したというわけでもないんでしょうが、「夫婦の純愛」の話でしたね。
お話的にはよくできてました。
まあ、原作通りですが、まず、古書市場のシステムが面白いし、
それを元古書店主が利用して犯罪をするという原作の発送もユニークなので充分見られる作品に仕上がってました。
最後に大輔が、栞子の抱いていた父の「たんぽぽ娘」のイメージを、「母を懐かしんで」と読み替えてあげるのもよかったですね。
いつもありがとうございます。
古書市場のシステム、面白かったですね。
古書の世界にふさわしく(?)、封筒に競り値を入れたり、名札が名簿に記載しただけでもらえるなど、実にアナログ。
アナログだから成立した事件とも言えますよね。
また、こういうわれわれのよく知らない世界を描いてくれるのも楽しいです。
>最後に大輔が、栞子の抱いていた父の「たんぽぽ娘」のイメージを、「母を懐かしんで」と読み替えてあげるのもよかったですね。
確かに。
こうして栞子の中にあった<頑なな心>も少しずつ氷解していってるんでしょうね。