ラムの大通り

愛猫フォーンを相手に映画のお話。
主に劇場公開前の新作映画についておしゃべりしています。

『アバンチュールはパリで』

2009-09-13 18:01:55 | 新作映画
(英題:Night and Day)

-----あらら、これってフランス映画かと思ってた。
違うんだ!?
「うん。韓国映画。
監督はホン・サンス。
彼は“韓国のゴダール”とか“エリック・ロメールの師弟”とか言われているらしい」

----それってヌーヴェル・ヴァーグっぽいってことなのかニャあ。
「まあ、何を持ってヌーヴェル・ヴァーグというかは
人それぞれだと思うけど、
ぼくはフランソワ・トリュフォーの残り香は感じたな。
主人公は妻をソウルに残し、
単身パリを訪れた画家のソンナム(キム・ヨンホ)。
その理由というのが、
マリファナを吸ったことがバレ、
警察に摘発されることを恐れたから。
パリの日々を怠惰に過ごすソンナム。
そんなある日、彼は街かどでひとりの女性から挨拶される。
ところがソンナムにはその女性に見覚えがない。
このミステリアスな出だしがまずいい。
覚えてない!?冗談でしょ!と怒る女性。
でも、ほんとうに彼には彼女が誰か分からない」

----それは誰だったの?
「10年前に別れた恋人、ミンソン。
ようやくソンナムも彼女を思い出し、
ふたりはカフェでワインを飲みながら昔話に話を咲かせる。
そこに偶然通りかかり、ミンソンに挨拶するのが
この映画のヒロイン、ユンジュン(パク・ウネ)。
このユンジュンが
果たしてこれまでこんなヒロインがあった?と言いたくなるほどに、
同性に評判が悪い。
このミンソンといい、
後に出てくるユンジュンの同室のヒョンジュ(ソ・ミンジョン )といい、
いずれも口をそろえてユンジュンのことを『お金にケチ』と言う。
さて、そんなユンジュンだが、
男であるソンナムにとっては、女性で可愛くさえあれば、それでOK!
お金のことなど問題ではない」

----ニャるほど。
デートではお金を払うのは男というのが相場だし…。
そこでソンナムはユンジュンにアプローチしていくって話だね。
しかし、逃亡していながら、なんて男だ。
「でも、昔の恋人ミンソンの方から
ホテルにソンナムを誘ったときには、
『一瞬の欲望で、心の平和を失ってはいけない』と、
彼女を押しとどめてもいる。
なのに、ユンジュンに対してはそうなれない。
というのも、ユンジュンがあまりにも奔放。
気があるようでなさそうで、
自分を誘っているのか、そうでないのか、
正体をはっきり見せないから…。
このあたりが観ていてスリリングなんだね。
男から見ればお預けを喰らっている感じだけど、
それも男の身勝手な考えかもしれない。
男なんて、結局はその女の体が欲しいだけ。
この映画は、そう言っているようにも見える」

----う~ん。どっちかはっきり分からニャいの?
「うん。分からない。
ていうか、“男には女の気持ちは分かるはずはない”。
監督はそのことを前提に置いた作り方をしている。
というのも、この映画は最初から最後まで男目線で語られるんだ。
それも日記体という形でね」

----そうか。
恋した男は盲目。
そして、その女をどうにかして手に入れたい。
確かに、トリュフォーの映画にはそういうの多かったよね。
「でしょう。
キム・ヨンホのがっしりとした体つきとは真逆だけど、
ぼくの目にはジャン=ピエール・レオーがかぶさって見えたな」



フォーンの一言「それは、一種の駆け引きというヤツだニャ」ぱっちり


※でも、それが無意識なのか、計算した上でのことか、
ぼくにも分からない度


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