ラムの大通り

愛猫フォーンを相手に映画のお話。
主に劇場公開前の新作映画についておしゃべりしています。

『サイドウェイズ』

2009-08-19 23:26:07 | 新作映画
----あれっ。数年前に『サイドウェイ』っていう
アカデミー賞を賑わせた映画があったけど、
これってそれとタイトルがそっくり。
「うん。これは第77回アカデミー賞で脚色賞を受賞した
あの『サイドウェイ』の日本リメイク」

----ということは、お話も同じってこと?
「じゃあ、まずは4年前に話した
『サイドウェイ』のストーリーをこちらにコピペ。
主人公は離婚のショックから立ち直れないでいる作家志望の男マイルス。
ワイン通の彼は、結婚を目前に控えた友人ジャックと連れだって
カリフォルニアのワイナリーへとワイン・ツアーに出かける。
ところがジャックは少し落ち目とはいえ現役の俳優。
女の子をナンパすることしか頭にない。
そんなふたりの前に、ワイン好きな女性マヤが現れて...。

このマイルスにあたるのが
バツ一の売れないシナリオライター・道雄(小日向文世)。
一方、ジャックにあたるのが大介(生瀬勝久 )。
彼はTVで忍者を演じたこともある元人気俳優。
マヤは麻有子(鈴木京香)。
道雄は、かつて彼女の家庭教師をしていたという設定に変えられている。
つまり一種の“青春プレイバック”(笑)。
そして大介がナンパするのがミナ(菊池凛子)」

----へぇ~っ。オモシロいキャスティング。
これって山梨かどこかでロケしたの?
「ぼくも、このリメイク話が起こる前、
もし日本で撮るなら山梨かな?と予想したことがあるけど、
やはり日本では無理。
土地的に狭いし、第一ワインを飲んで運転…はそれだけでありえない、
結果は、オリジナルと同じカリフォルニアに現地ロケ。
(ただしオリジナルはサンタバーバラ、こちらはナパ)
監督をはじめスタッフも現地、つまりハリウッドの人たちなんだ。
音楽は日系5世のジェイク・シマブクロ
そしてそれ以外の挿入曲は
渡辺貞夫の『California Shower』、ケニー・ロギンスの『デンジャー・ゾーン』、
ジョニー・ナッシュの『アイ・キャン・シー・クリアリー・ナウ』etc…。
そしてエンドクレジットに流れるのは
シンディ・ローパーの『タイム・アフター・タイム』…と、80年代テイスト満載」

----いまの日本はどこを見回しても不況一色。
こういう、リッチなお話を描くには
80年代テイストでも借りなくてはということかニャあ。
「もしかしたら、
そういうことなのかも知れないね。
ダメ中年それぞれの悩みにスポットを与えていて、
物語自体はとてもオモシロいけど、
いまの時代にはそぐわない気がしないでもないからね。
おそらく企画段階では、
日本をここまでの閉塞感が覆うとは
だれも予想だにしてなかったのでは…?
まあ、だからこそ、こういう形での一週間ワイン・ツアーというのは
逆に観る側の憧れを誘う部分でもあるわけだけど…」

----ニャんとも回りくどい言い方(笑)。
そういう中でオリジナルの魅力は生かされてたのかニャ?
「これも前回をコピペすると、
陽光を受けて一面に広がるブドウ畑、草の上のランチ、ワイナリーでの試飲。
こういう基本は抑えられていた。
あと、細かい笑いやクライマックスも基本的にはオリジナルを踏襲。
生瀬勝久はトーマス・ヘイデン・チャーチのオールヌードに対抗して(?)、SMルック。
あっ、彼が足をあげて車のトランクを閉めるシーンは見モノ。
試写室では『わっ』と驚きの声が上がっていたよ。
一方の小日向文世もポール・ジアマッティ同様、酔いつぶれて、
ワインをガブ飲み。
池に飛び込み大騒ぎ。
けっこう楽しめたね。
思うに、この映画、
オリジナル版がアカデミー脚色賞をとるほどのよくできたお話だけに、
実力のある俳優が演じれば、
それだけで成功率の方は高いということかも。
ただ本心を言うと、冒頭、
主人公のモノローグによる状況説明のナレーションが延々始まったときは、
どうなるかと思ったのも確か」

----ふうん。ところで結末はオリジナルと同じなのかニャ?
「いや。
道雄が日本からきたということを考慮に入れて、
ワン・エピソードが追加。
ここもなかなかうまい。
オリジナル版を観ている人は、一瞬、あれっ?となると思うよ」



         (byえいwithフォーン)

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6 コメント

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オリジナル見ました~。 (Ageha)
2009-10-22 09:32:58
結婚式を指折り数えてる花嫁の立場なら
ザケンなコラーな、ナンパツアーなんですが
中年男のロードムービーとしてはかなり面白い作品でした。


頭の具合が微妙に似てる?マイルスと小日向さん。(笑)

鈴木京香さんとは
重力ピエロに続いてカップルですね。
生瀬さんは「トリック」や「やさぐれぱんだ」で
散々笑わせてくれたから楽しみです~☆


返信する
■Agehaさん (えい)
2009-10-24 20:08:04
こんばんは。

まあ、許してやってください。
(ぼくにはできませんが…)

このキャスティング、なかなかよかったと思いますよ。
ただ、アフレコだったのか、
台詞が映像から浮き上がって見えたのが残念。
返信する
面白かったです~ (Ageha)
2009-11-03 22:03:55
上映中はお静かに。
でも、みんなで笑えばコワくない?
…ってくらいみんな笑ってた気がします。
マイケルに続いて
えらい年齢層が高い気がしたんですが
さすがミニシアターは
映画慣れしてるひとばっかだったのか
明るくなるまで誰も立たなかったし。(笑)

最後のエピソードは引っ張り過ぎだったかな~
ムスタングが去ってくとこまででも良かったような。

「日本人を使って」サイドウェイを撮った…という狙い通りの雰囲気になったんとちゃいますか?
これはこれのよさがあって好きです。
返信する
■Agehaさん (えい)
2009-11-04 22:56:31
こんばんは。
場内、そんなに受けていましたか!?
ぼくも最後のエピソードは蛇足だと思います。
こういうところは本家は上手い。
バシッと切っちゃいますもの。
潔いですね。
返信する
ナパ (rambler)
2009-11-10 00:48:22
えいさん、今晩は。
2004年の私の個人的なNO1映画をリメイクするとは何と大胆な。で、この元SIDEWAYSの舞台は同じカリフォルニアでも、サンフランシスコ郊外のナパではなく、ロスアンゼルから北1時間のサンタバーバラなのです。ナパほど有名ではない分、渋くて優れたワイナリーが隠れている場所。

 日本人にはなじみがあるナパに場所を移しちゃった分、渋みが落ちているようでちょっと見るのが怖い・・・

返信する
■rambrerさん (えい)
2009-11-10 01:16:07
こんばんは。

あ~あ、やっちゃったって感じです。
さっそく修正いたします。

そういう細かい土地柄の違いも
映画の違いに出ているのだとしたら、
これは大きなミステイクでした。
ほんとうにご指摘ありがとうございます。
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