(原題:桃姐)
----『桃(タオ)さんのしあわせ』?
また、
のどかと言うか、地味というか…。
「タイトルだけ聞いたらね。
でも、その内容は、けっこうつらいものがある。
主人公の桃さん(ディニー・イップ)は、
60年間、ある裕福な家族にメイドとして仕えてきた女性。
大家族だった雇い主の一家のほとんどは、
世界各地に移住しており、
いまは、ひとり香港にとどまり
映画プロデューサーとして活躍する長男のロジャー(アンディ・ラウ)の世話をするだけ。
掃除、洗濯を欠かさず、部屋の中には埃ひとつない。
その一方、食わず嫌いのロジャーには
手の込んだ料理を提供している。
しかしそんなある日、桃さんは脳卒中に倒れてしまう。
桃さんは、それを機にメイドの仕事を辞め、
老人ホームに入ることを決める。
ロジャーは、
それまで空気のような存在だった桃さんの大切さを初めて思い知り、
一緒に外に出かけ、散歩をしたり、外食をしたり…。
まるで母子のような生活を送るが…」
----ふうむ。日本でもありそうな話だニャ。
「そういうこと。
ある意味、よくある話。
ただ、それでもなおこの映画が異彩を放つのは、
昨年のヴェネチア国際映画祭で主演女優賞を取った
ディニー・イップの名演。
自分よりも上の年齢の人が多い
老人ホームに足を踏み入れたときの心細さ…。
会話もおぼつかない人、なにかというと金をせびる人、
自分に対して挑発的な言葉を投げかける人…」
----うわあっ。それは嫌だニャあ。
その桃さんと言う人、それまで一家族としか
付き合いないワケだから、あわせていくの大変だ。
「だよね。
この映画の素晴らしいところは、
その桃さんの不安、あきらめなど
さまざまな想い、その心の内を
大きく開いた目の奥にじっと湛えているところにある。
観ているうちに、いつしか
ディニー・イップという女優であることを忘れ、
桃さん本人にしか見えなくなってくるんだ」
----う~ん。
でも、人生の晩年を描いた映画ってつらいから、
あまり観たくないニャあ。
「それも分かる。
ただ、この映画は、
その<人間ドラマ>に加え、
彼女の目を通して
いまの中国(香港)社会が描かれているのも特徴のひとつ。
この老人ホームだって、
彼女は、ロジャーというお金持ちの後ろ盾があったから入れたわけで、
実はもっと詐欺まがいのところもあるらしい。
あと、この作品が映画ファンにとって嬉しいのは
サモ・ハンやツイ・ハークといった香港の監督たちが
本人の役で出演しているところ。
製作費をめぐる駆け引きなど、
とても興味深く観ることができる。
アンディ・ラウの口からは、
自分と同じく<四大天王>として一時代を築いた
アーロン・クォックの名も飛び出すしね。
完成披露試写会での
あるエピソードなんて、
思わず噴き出してしまうよ」
フォーンの一言「ラストがいいらしいのニャ」
※アン・ホイ監督らしい熟練の語り口だ度


人気blogランキングもよろしく
☆「CINEMA INDEX」☆「ラムの大通り」タイトル索引
(他のタイトルはこちらをクリック→)

----『桃(タオ)さんのしあわせ』?
また、
のどかと言うか、地味というか…。
「タイトルだけ聞いたらね。
でも、その内容は、けっこうつらいものがある。
主人公の桃さん(ディニー・イップ)は、
60年間、ある裕福な家族にメイドとして仕えてきた女性。
大家族だった雇い主の一家のほとんどは、
世界各地に移住しており、
いまは、ひとり香港にとどまり
映画プロデューサーとして活躍する長男のロジャー(アンディ・ラウ)の世話をするだけ。
掃除、洗濯を欠かさず、部屋の中には埃ひとつない。
その一方、食わず嫌いのロジャーには
手の込んだ料理を提供している。
しかしそんなある日、桃さんは脳卒中に倒れてしまう。
桃さんは、それを機にメイドの仕事を辞め、
老人ホームに入ることを決める。
ロジャーは、
それまで空気のような存在だった桃さんの大切さを初めて思い知り、
一緒に外に出かけ、散歩をしたり、外食をしたり…。
まるで母子のような生活を送るが…」
----ふうむ。日本でもありそうな話だニャ。
「そういうこと。
ある意味、よくある話。
ただ、それでもなおこの映画が異彩を放つのは、
昨年のヴェネチア国際映画祭で主演女優賞を取った
ディニー・イップの名演。
自分よりも上の年齢の人が多い
老人ホームに足を踏み入れたときの心細さ…。
会話もおぼつかない人、なにかというと金をせびる人、
自分に対して挑発的な言葉を投げかける人…」
----うわあっ。それは嫌だニャあ。
その桃さんと言う人、それまで一家族としか
付き合いないワケだから、あわせていくの大変だ。
「だよね。
この映画の素晴らしいところは、
その桃さんの不安、あきらめなど
さまざまな想い、その心の内を
大きく開いた目の奥にじっと湛えているところにある。
観ているうちに、いつしか
ディニー・イップという女優であることを忘れ、
桃さん本人にしか見えなくなってくるんだ」
----う~ん。
でも、人生の晩年を描いた映画ってつらいから、
あまり観たくないニャあ。
「それも分かる。
ただ、この映画は、
その<人間ドラマ>に加え、
彼女の目を通して
いまの中国(香港)社会が描かれているのも特徴のひとつ。
この老人ホームだって、
彼女は、ロジャーというお金持ちの後ろ盾があったから入れたわけで、
実はもっと詐欺まがいのところもあるらしい。
あと、この作品が映画ファンにとって嬉しいのは
サモ・ハンやツイ・ハークといった香港の監督たちが
本人の役で出演しているところ。
製作費をめぐる駆け引きなど、
とても興味深く観ることができる。
アンディ・ラウの口からは、
自分と同じく<四大天王>として一時代を築いた
アーロン・クォックの名も飛び出すしね。
完成披露試写会での
あるエピソードなんて、
思わず噴き出してしまうよ」
フォーンの一言「ラストがいいらしいのニャ」

※アン・ホイ監督らしい熟練の語り口だ度



人気blogランキングもよろしく

☆「CINEMA INDEX」☆「ラムの大通り」タイトル索引
(他のタイトルはこちらをクリック→)

この演技力は本当に凄いですわ。
この、「どこにでもいる」感。
“役者”の凄味を感じました。