ラムの大通り

愛猫フォーンを相手に映画のお話。
主に劇場公開前の新作映画についておしゃべりしています。

『エール!』

2015-08-08 13:35:36 | 新作映画



(原題:La famille Belier)

たとえば観てから何十年も後にある映画のタイトルを耳にして
「あっ、それぼくも観たよ。よかったなあ」と
記憶の底から手繰り寄せてくることがある。
そしてぼくの場合、いまそれが #1日1本オススメ映画 に。
昨日試写で観た『エール!』はまさにそういうタイプの映画だった。
10月31日公開。


----へぇ~っ。
昨日、観たばかりというのに
もうブログに…。
「うん。
このペースだと『ジュラシック・ワールド』
『ミッション:インポッシブル/ローグ・ネイション』
喋らないままになりそう…。
でも、こういう
下手するとあまり話題にならない可能性もあって、
でもぼくとしては惹かれた映画くらいは
記録に残しておこうと…」

----それが
最初に呟いていた
記憶の底に眠っている映画…ってことだニャ。
「うん。
うまいこと要約してくれてありがとう(笑)。
この映画『エール!』は、その設定がまずうまい。
ヒロインの高校生ポーラ(ルアンダ・エメラ)は
父親、母親、それに弟と
彼女を除く全員が耳が聞こえない家庭に生まれ育っている。
そんな中、ポーラは手話で家族と会話し、
周りの人にその言葉を伝えている」

----ニャるほど。
「ポーラの性格はとても明るく、
家族もみんな前向き。
家は酪農を営み、
青空市場にそこでできたチーズを売りに行ったりもしている。
父親に至っては
障害をものともせず
村長選挙に打って出ようとしているんだ」

----へぇ~っ。
でも、いくら明るくても普通の高校生と同じ、
悩みくらいはあるんじゃニャいの?
男の子のこととか、進学とか…。
「そうなんだ。
ドラマはそこから動きだしていく。
前から気になっていた男の子がコーラスの授業を取ると知ったポーラは、
自分もも同じ授業を…。
そこで彼女の歌声を聴いた音楽教師はビックリ。
あまりの美声に、
パリの音楽学校のオーディションを受けることを進めるが…」

---う~ん。
普通のお話になってきたニャあ。
「いやいや、そんなことはないよ。
ここにはいくつもの仕掛けがある。
ひとつはポーラの才能の目覚めが“歌”だということ。
しかしその声は家族に伝わることはなく、
どれだけ彼女がうまいのかが
実感として分からない。
そしてもうひとつ。
娘がパリに行ってしまうということは、
外への媒介となる人を失うわけで、
ただでさえ、
親にとってはつらく寂しい子供の一人立ちが、
より現実的な問題として一家に降りかかってくる。
ポーラもそのことは十分に分かっている。
だからこそ悩むし、
音楽教師による個人レッスンも、こっそりと受けている。
だけど親はその“秘密”さえも
ボーフレンドができたんだろう?くらいにしか予想していない」

----ニャるほど。
「さて、
ぼくがうまいなあと感心したのは、
さっきのふたつの障壁。
ポーラの声の素晴らしさが家族には分からない
ポーラの旅立ちの思いが伝われない。
これをいずれも“歌”に乗せて乗り越えていること
もちろん、ストーリーの流れの中でね」

----う~ん。
でも、できすぎたお話だニャあ。
ちょっと現実離れしているような…。
「確かにそれはあるね。
でも、この映画のオープニングを観たら
なるほどと思うよ。
のどかな緑の村の中の酪農家を
俯瞰でとらえた映像。
ちょっとソフトフォーカス気味の映像は、
さあ、これからファンタジーが始まりますよ…
と言っているかのよう。
ヒロイン役のルアンダ・エメラもだけど、
父親役フランソワ・ダミアン、母親役カリン・ヴィアール
聴覚障害ではない。
その分、少しアクトオーバー気味。
でも、それがこの映画の楽しさという意味で
いい方にplusしているんだ。
そう、ちょっとミュージカルのような趣もあったね」



フォーンの一言「ミシェル・サドゥというシンガーソングライターの歌が使われているらしいのニャ」身を乗り出す

「オーディションで伴奏のピアニストが
彼の曲を弾けなかったことからも
その歌手のポジションが分かる度


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