ラムの大通り

愛猫フォーンを相手に映画のお話。
主に劇場公開前の新作映画についておしゃべりしています。

『フライト』

2012-12-09 19:27:40 | 新作映画
(原題:Flight)


----この映画って
デンゼル・ワシントンが主演。
確か、パイロットのお話だよね?
「そう、
あの“ハドソン川の奇跡”を思い起こさせる内容」

----ということは、
コントロールを失った旅客機を無事、
不時着陸に成功するというお話かニャ?
「そうだね。
ただ、死者はいなく、
乗員・乗客の全員救出されたあの事故と違い、
こちらはスタッフも含み、数名が犠牲になっている。
それと、興味深いのは
そのデンゼル・ワシントン扮するウィトカー機長が
マスコミの前に姿を現さないこと」

----それはまたなぜ?
「実は彼はアルコール依存症…というより中毒に近く、
前日もほとんど食べずに飲み、
規約質乗務員のトリーナ(ナディーン・ヴェラスケス)とベッドイン。
そういうこともあって、
家族の信頼もなく、
これは昨今のアメリカ映画によくあることだけど、
妻とは別れ、
愛する息子も妻の方に引き取られている。
それにも懲りずウィトカーは
今回のフライトの間もウイスキーの小瓶を空けて熟睡。
ところがそこに機体トラブル。
起こされた彼は、
背面飛行という
サーカスのような離れ業で緊急着陸に成功。
多くの人命を救いはしたが…
と、こういう設定なんだ」

----ニャるほど、
それは難しいニャあ。
そのことがバレたら免許取り上げどころか
逮捕も免れニャい。
「うん。
そこに、莫大な賠償金の問題も絡んでくる。
航空会社は会社の責任ではなく
パイロット個人の問題にしたいことは自明の理だしね。
自分に非がないわけではないことを知っている彼は
会社が用意した弁護士ラング(ドン・チードル)への疑念を抱えたまま、
泥酔の事実を知っている副操縦士たちの口止めに向かう。
そしてついに、
彼の運命を決める公聴会の日がやってくる…」

----ドキドキしてきた…。
「うん。
実際の映画はこんなものじゃない。
公聴会を前に
ウィトカーは禁酒を貫くことができるのか?
アカデミー賞はこれまでにも
『リービング・ラスベガス』のニコラス・ケイジのように
アルコール依存症など
ハンディキャップを抱える主人公の演技には
賞を授与することが多い。
その事実を差っぴいても
今回のデンゼル・ワシントンの演技は見モノ。
主演男優賞を受賞した『トレーニング デイ』も“悪”の警官を演じていたけど、
彼はこういう役がほんと巧いね。
そうそう、最後になったけど監督はロバート・ゼメキス
最近は『ポーラー・エクスプレス』『ベオウルフー呪われし勇者ー』『Disney's クリスマス・キャロル』など
モーション・キャプチャーを使ったCG映画を相次いで発表。
そんな彼の実写作品は、
なんと『キャスト・アウェイ』以来12年ぶり。
それがデジタルではなくフィルム作品だったことが
実に感慨深い」

----それ、どうして分かったの?
「だって、
エンドクレジット中に立ちあがった人の頭の影が
スクリーンに映っていたもの、
あ、そうそう。
この映画でジョン・グッドマンがウィトカーの友人を好演。
『アルゴ』『人生の特等席』 などとの併せ技で助演男優賞をあげたくなる怪演だったよ」


フォーンの一言「テーマは“真の正義”とは何か?なのニャ」複雑だニャ
※このラストは救われる度

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4 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
こんばんは (ノラネコ)
2013-03-18 23:55:45
酒飲みとしては全く他人事とは思えない話で、しかも私も昔依存症気味になった時期がありますので、「やめなきゃいけないと分かってるけど、やめられない」気持ち、などはリアルに理解でしました(苦笑
ゼメキス12年ぶりの実写がこのような燻し銀のドラマなのに驚かされましたが、彼は飛行機を墜落させるのが好きですね。
返信する
■ノラネコさん (えい)
2013-03-20 17:00:20
そう、これゼメキスなんですよね。
彼の代名詞とも言える『BTTF』、
そしてここしばらく
彼が孤高の地を歩んでいる
パフォーマンス・キャプチャーによるアニメ。
ファンタジーの色合いが濃い彼が
ここまできっちりとドラマを作り込んでいるのが驚き。
でも観ている間は、そんなこと忘れてしまうんですけども(笑)。
返信する
こんばんわ。 (ペトロニウス)
2013-03-21 23:40:42
ご無沙汰しております。前回の席で、映画がもっと見たいと感化され、頑張ってみております。私もこの作品は、最後に、自分の汚い部分を告発されているような、強い感慨を感じました。私も、ノラネコさんではないですが、かなり一時期酒ばかりでしたので、こえーと、ちょっと震えました。

そういえば、お薦めの、ラムの大通りや、冒険者たち、幻の市街戦と、近くのレンタルにはなく、いま頑張って探している最中です!。すぐは見つからないでしょうが、トライ中です!。
返信する
■ペトロニウスさん (えい)
2013-03-31 22:02:18
こんばんは。
ぼくは、酒は、一度肝臓を壊して以来、
そこそこにしていますが、
そのことがなかったら、この映画のようになっていたかも。

おススメした映画、
なかなか身近なところでは探しにくいかも。
『冒険者たち』は奇特な方がYouTubeに
アップされてはいますが…。
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