ラムの大通り

愛猫フォーンを相手に映画のお話。
主に劇場公開前の新作映画についておしゃべりしています。

『D-WARS ディー・ウォーズ』

2008-09-13 21:31:04 | 新作映画
(原題:D War)

----ニャに、この映画。
まったく聞いたことないけど……。
「う~ん。それはぼくも同じ。
でもこれが意外と有名な映画らしいんだ。
2007年度韓国観客動員数No.1。
NYタイムズ読者の検索映画でも
これまたNo.1なんだ」

----NYタイムズはわからニャいでもないけど、
なぜそこに“韓国”が出てくるの?
「普通、そう思うよね。
ところがこれ、実は韓国映画。
ぼくはまったく知らなかっただけに
最初に『Showbox』のロゴが出てきて
思わずのけぞったね。
だからといって主要登場人物は
ほとんどアメリカ人が演じているし、
物語の舞台もほとんどがロサンゼルス」

----その言い方だと、
韓国も舞台になってはいるんだニャ。
そもそもこの“D”ってニャによ。
「プレスには
DANGEROUS
DESTROYER
DAMAGE
DEFENCE
DESPAIR
なんて、もっともらしくあしらってあったけど、
これはDRAGONのことじゃないかと……」

----ドラゴン?えっ、これファンタジーなの?
「うん。
SFファンタジー・スペクタクル。
物語は、まともに喋ると
それだけで聞いている方も疲れちゃうから割愛。
なにせ、映画の中でも
突然、この物語の背景が語られ始めると、
それを聞かされている方が
『なに話してるの?』とツッコミを入れていたくらい。
それも一度ならず二度三度。
それほど、荒唐無稽なんだ」

----えっ、でもそれはないニャあ。
ちょっとだけ話して、お願い。
「じゃあ、少しだけ。
まず、その設定から。
500年に一度、世界滅亡の鍵を握る女性が現れ、
その彼女をめぐって二匹の巨大な蛇が正邪の戦いを繰り広げる。
映画は、16世紀初頭に韓国で繰り広げられた
その戦いの背景がまず説明される。
そして舞台は21世紀のロサンゼルス。
500年前に韓国でその女性とともに崖から身投げした男が、
それぞれイーサン(ジェイソン・ベア)と
サラ(アマンダ・ブルックス)として輪廻転生。
その出現を知った悪の一味は、
サラを狙う-------
こういうところかな」

----その蛇って『アナコンダ』みたいニャの?
「(笑)。いやいや、規模が遥かに違う。
画像を見せられないのが残念だけど、
とぐろを巻いて超高層ビルを包み込む。
通りという通りをその巨体で覆いつくす-----。
ちょっと、こういう映像は観たことがないね。
蛇がビルの中を覗くところなんて
まるで『キング・コング』
そうそう、この蛇はヘリもたたき落とす。
ついでに言えば、その悪の軍団が
ストーム・トルーパーそっくりで、
しかもトーントーンもどきに跨がっている(笑)。
そして圧巻なのがアルマジロを恐竜化したような
巨大クリーチャー。
なんと背中に2門の大砲を背負っているんだ。
このバトルシーンは、
『スター・ウォーズ/帝国の逆襲』が
氷の惑星ホスではなくて
現代のロスで繰り広げられているといった感じかな。
これはちょっと見モノだよ」

----つまり、その特撮の前には、
物語は、もうどうでもいいということ?
「確かに、物語は
よくぞここまでとんでもないホラ話を作ったなって感じ。
でもそれを超えてあまりあるのが、
監督シム・ヒョンレの映画に対する姿勢。
アクションを決して流して撮ってはいない。
一つひとつのカットに
少しでもオモシロいものを見せようという
こだわりが感じられるんだ。
たとえば、翼竜がヘリを襲う。
襲われたヘリはただ墜落するのではなく、
ビルの窓に突入してゆく。
その一部始終をカメラは
ヘリ内部から、
そしてビルの内側から
爆発するまで追っていく。
このアングル、構図の素晴らしさに
ただただ息を飲むしかなかったね。
そうそう、ロスのど真ん中に戦車や装甲車が登場したのも驚き」

----えっ。9.11以降、
そういうバトルシーンの撮影は
難しくなったんじゃ?
「よく知ってるね。
ところが
このシム・ヒョンレ監督は
『世の中に決まったルールなどない。
歴史は私たち自ら作るもの』と、
カリフォルニア州知事の
アーノルド・シュワルツェネッガーに信書を送ったというんだ。
結果、彼の心を揺り動かして
この迫力の市街戦が実現した-----
こういうことのようだ」

---やはり映画を作るのに一番大切なのは熱意だよね。
「そう、せっかく手にしたチャンス。
それを次にいかせるかどうかは本人次第。
決して手を抜かないこと。
これは映画製作に限らず、なんでもそうかもね」



           (byえいwithフォーン)

フォーンの一言「サラと言えば『ターミネーター』だニャ」身を乗り出す

※とにかくSF映画へのオマージュがいっぱいだ度

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5 コメント

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シム・ヒョンレ (ノラネコ)
2008-09-15 13:50:32
てっきりお蔵入りだと思っていたのですが、公開されるんですか。
私は一年ほど前にアメリカで観ましたが、米国版のポスターには思いっきり「DRAGON WAR」って書いてありましたよ。
ネット戦略が上手くいって、それなりに話題にはなっていました。
全米2700館で公開されたのですから、大したものです。
正直なところシム・ヒョンレはあまり才能に恵まれているとは思えないのですけど、何が何でもハリウッド映画にしたいんだあという変な情熱は買えます。
せめてグダグダの脚本をきっちり書ける人に頼んで、演出に専念したらもうちょっと良い物になると思うのですけど、そういう所も含めてこの人の作家性なのかもしれないですね。
ちょっとしか出てこなかったですけど、「竜」ではなく「龍」がきっちりCGで描かれたのは初めてだと思うのですが、なかなか格好良くて、そのあたりは見所でした。
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■ノラネコさん (えい)
2008-09-16 21:38:45
こんばんは。

やはり「DRAGON WAR」でしたか。
ストーリーは、とにかくメタメタで、
しかもセリフで喋っていて、
あまり褒められたものではないのですが、
画作りに対するこだわりを
ぼくは高く買いたいです。

そうそう。
あれは「竜」でなく「龍」。
アメリカでは新鮮に映ったかもしれないですね。
返信する
ゲロゲーロ (亜蘭真 主美士)
2008-09-17 14:20:32
この作品今年の正月に観ようと、去年の暮れに取り寄せしましたが、そのタイトルは「DRAGON WARs」でした。韓国ではD Warで日本ではD-ウォーズですか?

で、正月楽しみにしていました。と。いうのも、
僕が輸入版買うときに参考にするのはユーチューブの動画で予告をみて決めます。で、その映像はおもしろそうでしたが、コメントが悪い・・・。ただ見てみないことには評価できぬと、・・・で、お正月たのしみだった・・・・あのガマの王子の出来損ないみたいなドラゴン軍団(影の軍団か?)が登場したあたりで、お酒による睡魔攻撃に僕のまぶたちゃんはあえなく撃沈したのであった!
きづけば、エンドクレジット・・・まあ、いつでも見れるわと。。。今の今まできています。他にもたまっているので、みれないんだよなあ・・・今日の一言です。
返信する
Unknown (亜蘭真 主美士)
2008-09-17 15:13:36
書き忘れです。
韓国観客動員1位というのは2007のことでしょう?!
ロングランにはなってない気がします。
グムエルはどうなんでしょうか?1位なったような?
この間、香港より韓国版のDVd取り寄せて、サンスンフォンの復帰作10月公開の宿命をみましたが、これは公開1週ではやくも失速、逆に追撃者(おもしろかったです!!たしかディカプリオが映像化権をもっていてリメイクがきまっているみたいで、韓国の方はわかってるじゃん!デカプリオ二だ!といってるみたいです。)ちなみにこれらはアニメのヨウビという作品のついでに買っちゃいました。話それそれですが、
追撃者は有名な俳優もいない中大ヒットで、多分これが韓国でのナンバー1じゃないかとおもわれます?ちがってたらごめんなさい!!
されから、日本とアメリカとの2重スパイを描いた作品もかいましたが、日本人役の人のセリフまわしが兎に角わらえました。あんなたどたどしい日本語をしゃべる教育テレビな日本人いない!!これこそ大日本人!!
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■亜蘭真 主美士さん (えい)
2008-09-17 22:58:31
こんばんは。

えzつ、全部観られていないんですか?
これ、絶対に亜蘭真さんから
なんらかの反応が頂けると思って、
待っていたのに、
なかなかきていただけなかったのは
そういうことだったんですね。

そうか、あれなにかに似ていると思ったら、
ガマの王子----う~む。

グムエルならぬ『グエムル』は2006年度の作品。
もちろん一位になっているはずです。
この映画は2007年度公開のようなので、一年違うのではないでしょうか?
今年は、あの『続夕陽のガンマン』のリメイクが
スゴいヒットしたようですね。
これは観たいなあ。
キャスティングがニヤリです。
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